01/12/23

山梨県

【山梨】

ここのところ、行こう行こうと思いながら行けずにいた山梨であったが、ようやく行けることになった。狙いは小型種全般で、特にホソツヤが見たいという希望があった。

これまで行っていた場所に行って、小型種をお腹いっぱいの状態にしたいという思いもあったが、新しいところにも行ってみたい。どちらにしても心配なのは雪だ。金曜日あたりに降った雪がどこまで積もっているか? 小型種ならどこへ行くにも絶望だろう。ダメもとでピイさんと出かけることになった。

またまた5時に来ていただき、極寒の千葉を出発した。

さすがに冬至の直後とあって、まだまだ真っ暗だ。食料を買い込んで高速に乗る。中央道を走るのはとっても久しぶりな気がする。春先に山梨に通って以来か?

山梨県に入るころにようやく夜が明けてきた。なんと、麓までキッチリが積もっている。ダメじゃん。(×_×)

遠くから山をチェックしてみる。南斜面は全然雪がないが、北斜面は完全に雪だ。これは顕著に見られる。日当りによってどれだけ環境が違うかがよくわかる。

笹子トンネルを抜けて甲府盆地に入った瞬間、あまりの光景にビックリした。快晴でとっても空気が澄んでいるため、山がとても近くに見える。手の届きそうな場所に見えている、半分ほど上が雪に包まれたゴツゴツした山が八ケ岳だとわかるのに少々時間がかかった。いつもはガスってて微かに遠くに見えるか見えないかわからないような山が、今日は目の前にでっかく見えている。こんな光景を見たのは初めてだ。


【最初の山にチャレンジ】

さて、高速を降りて向かったのは小型種が全部採れそうな場所だ。

けっこう路肩が凍っていて怖い。四駆と言えどもノーマルタイヤではどうしようもない。

気温はマイナス6度。そりゃ道も凍るだろう。

標高を上げると当然雪深くなっていく。ところどころで道全体に雪が残っている場所もある。ほんとにヤバい。ギアをローに入れて慎重に登るが、帰りはもっと怖いだろう。何とか雪の溶ける時間まで粘っていたいものだ。

・・・が、いよいよというあたりまで来て、ついに完全に雪道となった。このまま行けば間違いなく転落だろう。1月の伊豆を思い出す。

完全に凍結

命がなくなると困るので、ここまで来て断念することにした。

そそくさと山を降りるのだが、さっきの雪の残っている場所を通過しなければならない。こんなに早く戻ってくるとは・・・

ローで運転してても下り坂なので勝手に加速する。しかもカーブなので滑ったら終わりだ。

死ぬ思いをしながら何とか無事に麓にたどり着いた。やれやれ。

ところが、麓の道も日陰は凍っている。全く安心して走れない。困ったものだ。どうしてこんなところに来てしまったのだろう。(^^;)


【時間潰し】

さて、1つめの山がダメとなると、次はどこへ行くか?

いろいろ考えたが、以前から一度行ってみたかった場所にチャレンジしてみることにした。しかし、ポイントもわからないし、雪も残ってそうなのでどうなるかわからない。

美しい山々

天気はいいので、ある程度気温が上がるまで麓で時間を潰すことにした。

ニクウスの生えている台場には当然ナタの跡がある。相変わらずな状態だ。

削られた跡

それから以前見つけておいた材をチェックしに行ってみた。最近採集者が入った形跡があるが、材はたくさんある。まだまだ健在でちょっと安心したが、ここでオオクワが採れるかどうかはわからない。(^^;)

 

日も登り始めたので、再び山に向かって出発だ。

峠をいくつか越えていくのだが、日陰には当たり前のように雪が積もっていて、アイスバーンになっている。怖い怖い。

上がったら引き返せなくなりそうだが、おバカなのでついつい行ってしまう。

ようやく目標地へ通じる林道にたどり着いた。ここからが問題だ。

基本的には南向きの道なので、登り始めた時は楽勝だった。しかし、やはり日陰のところには思いっきり雪が残っている。山道なので当然曲がりくねっていて、日陰の部分があるのは当たり前だ。

アイスバーンをいくつか通過したが、これを下ってくる自信は全くない。何としてでも溶ける時間までポイントで粘らなければ・・・

ところが、目標の場所の手前のヘアピンカーブに雪が積もっているのを見て、ついに挫折してしまった。いくらおバカでも、これ以上先に進むわけにはいかない。

仕方なく、ここに車を置いて歩いてみることにした。

近くにはなかなかの斜面もある。沢伝いに近づこうとするが、険しすぎて全然ダメだ。

今度は逆方向に歩いて、雪の斜面を登ってみたが、クワガタのいそうな雰囲気はない。あ〜あ、全然ダメだ。

クワガタの痕跡なし

しばらく林道を歩いてみることにした。完全に雪が積もっていて、ケモノの足跡がついている。行けるところまで行ってみたが、結局クワガタのムードすら感じることなく引き返した。

 

さらに奥の林道を歩いてみる。ほどなくして感じのいい斜面を見つけたので、川を渡って登ってみることにした。

雪の斜面に果敢にチャレンジする。雪の中から材を見つけ出す元気はないので、倒木系のクワガタは最初から諦める。狙いはルリ、ホソツヤルリあたりだ。

ところが、どこまで行ってもいい材が見当たらない。どーして〜?

やっと見つけたのはマダラくんが入ってそうな材だ。マダラに最近全然縁がなくなってしまった。明らかに虫取りの腕が落ちていると思う。

マダラくんいないかなぁ

試しにこの材を削いでみる。

出てきたのはオサムシ2頭。クワガタの痕跡すらない。やっぱりダメだ。

尾根伝いに歩いてみたが、とうとう削れる材すら見つけられずに山を降りてしまった。これでは時間稼ぎにもならない。

二人で車に戻り、恐怖の下り坂を戻ることにした。

車を出していきなり修羅場を迎える。

いちばん怖いのは、加速に耐えきれずに反射的にブレーキを踏んでしまうことだ。確か春先に同じ山梨でこのパターンで車を滑らせた記憶がある。

雪の上でブレーキだけは踏むまいと思ったものの、最初の雪の上でいきなりズズズズっと滑ってしまった。(×_×)

この先、凍った橋とかカーブとかあるのに本当に戻れるかどうか・・・・

しかし、思いっきりスピードを殺して走ったおかげで何とか難関をクリアして降りてくることができた。助かった〜。もう二度と雪道は走りたくない。

 

こんなことまでしてボーズ。ほんとにおバカだ。(^^;)


【大移動】

山梨まで来て採集行為もしないまま帰るのももったいないので、ここで大移動をかけることにした。このあたりでは話にならない。

春先に見つけたポイントに行ってみることにした。あそこなら標高が比較的低いのでポイントにたどり着けるに違いない。5月くらいに新芽採集にチャレンジして、なぜかホソツヤとマダラとスジの成虫とオニの幼虫を材割で出して帰ってきた山である。

渋滞にハマりつつ、パンを噛りながら大移動だ。

途中でいくつかの峠を越えるが、道に雪が残っている場所がなかったのはよかった。

夕刻が近づいてくる

でも路肩にはたくさん残っている。

ポイントが近づくと、だんだん道に残る雪が増えてきた。日陰の雪はツルツルに凍っていてとても怖い。

ここもポイントには着けないのか??? 完全に読みが外れた。

いよいよ数kmでポイント、というところで、完璧な雪道になった。登りたくなかったが、後ろから車が来ていたので押し出されるような形になってついつい登ってしまった。ヘアピンカーブの外側に車が停まっていて、よく見るとJAFの車に連結されている。(^^;;;

ここを登るからには必ず降りてこないといけない。考えただけで背筋が凍ってきた。

こうなったらどうにでもなれ!と思い、ポイント近くまで車で行こうと思ったが、さすがにその先の雪を見て挫折した。何とも中途半端な状態だ。

とりあえず車を置いてポイントまで歩くことにした。

すぐそこだと思っていたポイントまでが、実は案外遠く、山を1つ迂回するような形でやっと到着した。これだけで疲れた。(^^;)


【雪山】

道が雪に覆われているということは、山も当然雪だ。

登山道は完全に雪に埋もれている。

これでも道だ

地べたのクワガタは諦めるしかない。何といっても道が凍結する前に山を降りなければシャレにならない。

中腹あたりまで登ったところでついにホソツヤの産卵マークを発見した。マークがルリより小さいと言われているが、今日はそれを再認識した。

ホソツヤの産卵マーク

ここに来てやっと採集が始められた。(^^;)

さっそく表面を削いでみる。

な〜んも。(×_×)

今日初めての産卵マークだったのでけっこう粘ってみたが、幼虫がちょこっと出ただけで終わってしまった。

さらに標高を上げていく。スパイク付の長靴なので、こーゆう場合は本当に重宝する。

ズンズン登っていると、いかにもマダラくんの入ってそうな赤枯れを見つけた。

うっしっし、ついに会えるね、マダラくん。(^^)

すぐ励ましてやるから待っちょれよ〜〜〜〜〜〜。

 

さっそく表面をこそいでみた。

なぜかホソツヤの成虫を真っ二つにしていた。(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)

なんでマダラ狙ってホソツヤ出るんぢゃ。(×_×)

 

ホソツヤが入っていることがわかったので、もうちょっと削ってみることにした。

すぐに♀が出てきた。

本日1頭目

お〜し、やっと今日1頭目のクワガタじゃ〜。

またすぐに1♀が出た。やっぱりピカピカだ。

ピカピカ

よく見ると、別の蛹室の先っぽから♂の頭が覘いている。

その下にも別の♂がいた。

次々に出てくる

おお、けっこう入ってるじゃん! 産卵マークが1つもついていないくせに次々にホソツヤが出てくる。

2♂♂追加

♂のアップ

ピイさんに続きをお願いして、さらに上に進む。

さっきから産卵マークを全く見つけることができないのだが、それなりの材の表面を削いでみるとホソツヤ自身は出てくる。

画面中央にのぞいている

1♀を追加

数頭を追加して頂上にたどり着いた。

結局ホソツヤ以外は何も見つけることができなかったが、とりあえずは採集ができたこと自体が満足だ。

本当はここから先がおもしろそうなのだが、なんせ日が暮れかかっているので急いで山を降りることにした。

雪のない南斜面

車まで戻ると、他の観光客も我々と同じ不安を抱いているらしく、立ち往生していた。ノーマルタイヤであのヘアピンを降りる勇気はないだろう。しかし、グズグズしていると完全に道は凍結してしまう。

雪道なんて二度と走りたくないと言いながら、またこの時がやってきた。いざとなったらオノで雪かきをするつもりで道を降り始めた。

問題のヘアピンに差し掛ったが、ラッキーにも前の車のチェーンなどで雪がほぐれていて、しっかりと雪を噛んだまま走ってくれる。オノを使わずに済みそうだ。

無事に最大の難所を通過。

しかし、その先にも難所は待ち構えていて、アイスバーンの下りカーブがある。

ここには砂袋が用意されていたので、何個か車にストックしておいて、走行中に前方に向かって放り投げた。(^^;) おかげでここも無事に通過。

そのあと国道に出ても道は凍結していて、ずっとスピードを落として走った。


【帰途】

何とか雪のない麓の町まで戻ってくることができた。もう安心だ。

あとはココイチを探して風呂に入るだけだ。急にお腹が空いてきた。

しかし市街地をくまなく見回ったが、ココイチはどこにもない。あ〜あ。

健康ランドは何とか見つけることができたので、突入することにした。

 

・・・高い。(-。-;)

 

でも筋肉痛も始まってるし、背に腹は代えられない。いつもの何倍もの金を払って入場した。

さすがに風呂は気持ちいい。

ふにゃふにゃになって、ジュースをがぶ飲みしようと自販機を探した。

 

・・・ない。(-。-;)

 

なんと、ここで飲み物を飲もうと思ったらレストランで飲まなければならないらしい。

仕方なく二人でレストランに行き、飲み物を発注した。

その前に水が飲みたいと思い、「水をがぶ飲みしたい」とウェイトレスに言ったら、水がジョッキに入って出てきた。気に入った。(^^;)

メニューには「かき氷」があったので、思わずそれを注文してしまった。

出てきたかき氷を見て唖然・・・

キャベツかと思った。ものすごいサイズだ。

30分くらいかけて食べたのだが、実は半分しか減っていない。(^^;) さすがに頭が痛くなって途中でやめてしまった。あれだけ雪を見たのにかき氷食うなんて、どんな神経してるんだろう。(^^;)

それからもう一回風呂に入った。当たり前だが喉が渇いた。もう一回レストランに行くわけにはいかないので、とっとと退散した。あとはメシだ。

 

とりあえず高速に乗って都心に向かって走ることにした。途中で渋滞もあるので、何となくココイチがあったような気がした場所のインターで降りることにした。インターを降りてすぐにココイチがあったような気がしたのだが、どこにもそんなものはなかった。(^^;)

北に向かって走り、何もないので引き返して今度は南下。かなりの距離を走って隣の市まで行ったが何もなし。方向を東に変えてさらに隣の市まで行ったが×。北上して3つくらいの市や町を通過したが、とうとうココイチは見つからなかった。(×_×)

何やってんだろう。

結局何もせずに高速に乗り直し、一気に船橋まで帰った。結局船橋のココイチでカレーを食った。

あ〜邸到着直前に、車のテレビにブナ林が映っていた。コルリの新芽採集を思い出して一人で大騒ぎしてしまった。

ブナ林だけでビョーキになりそうなのに、こともあろうに新芽が開く映像まで出てきた!ああああ、新芽採集行きたいぞ〜〜〜!!!

そしてとどめにコルリがしっかりと映し出された。気絶した。


今回の成果(二人分)

ホソツヤルリ:10頭くらい

コクワ:3頭


2001.12.25