全写真 撮影:あ〜 提供:ピイさん
茨城県
【シーズン】
春先からずっと樹液回りが習慣になっていて、今でも地道に続けているので、あ〜的には全くシーズンが終わってしまったという感覚はなく、シーズン終了の線引きもしていない。細く長く続けている。
しかし、いつかは冬がやってくるわけで、どこかで頭を切り替えなければならない。夏を終わらせる機会はどこかにあるのだが、それは年によって全然違う。
98年は材割シーズンの到来を心待ちにしていたので、10月3日から早々に本格的な材割を開始した。
99年は全く夏離れできず、10月に入っても灯下採集を続けていたし、11月にはスジを樹液採集したり、茨城と山梨でのオオクワの洞採集があったりで、とうとう夏が終わることがなかった。 その後小型種を始めて夏は終わったが、最も夏を引きずった年だ。
2000年は燃え尽き症候群でかなり早い段階から夏を終わらせることができたと記憶している。
今年は・・・・
なかなか気合の入らないシーズンを過ごし、早々に冬眠かと思いきや、どうしてもそうならない理由があった。それは2頭のノコの存在だ。採集記で報告させていただいているように、先週までの樹液回りでノコの姿をまだ確認できる。このノコがこの世にいる限りは今年は樹液シーズンが終わらない。自分的にはこれが終わってから本格的な材割シーズンの突入となる。
こいつらがいてしまうと、次の週にも確認に行かないといけないわけで、自動的に樹液のシーズンが引き伸ばされてしまう。(^^;;; いつになったら樹液回りから解放してくれるのかわからないが、ここまできたら今年はこいつらに敬意を表してとことんつきあってやろう。
さて、金曜日の夜にピイさんからメールが入り、土曜日に遊んでもらえることになった。本格的な採集はとっても久しぶりでワクワクする。さあ、どこに行こう?
上で言ったこととは矛盾するかも知れないが、材割を含めると選択肢は途端に増えてくる。ツヤハダを採集したいと以前からピイさんが言っていたが、あ〜としても久しぶりに小型種に会いたい。しかし、ヒメオオがまだ完全に終わっているかどうかもわからないので、それも選択肢に入ってくる。ヒラタを採ってないので濃い場所に行って樹液で狙ってみたい・・・
しかし、木曜日に一気に気温が下がり、あ〜的にはあの時点で虫は一気に越冬体勢に入ったと予測した。ここでヒメオオやヒラタは選択肢から外した。では小型にするか、近場でオオクワの新規開拓をするかであるが、紅葉シーズンで山は混んでるだろうし、上に書いたような理由で冬の採集スタイルはまだ温存しておきたかったので、結局 近くを回ってみることになった。
デジカメを会社に忘れて帰ったので、ピイさんに写真はお借りすることとなった。
久々の本格採集に、夜は興奮して寝つけず、結局寝たのは2時過ぎであった。
5時くらいを目処にピイさんに来ていただくことになった。採集のための早起きは本当に久しぶりだ。いつ以来だろう???・・・・・全く思い出せない。(^^;;;
あ〜車に乗り込みいよいよ出発だ!
全くアテはなかったので、テキトーに北上することにした。交通量の多い一般道をトロトロと走り、茨城へ入る。
以前から見ておきたかった場所を通りかかったので、この際寄ってみることにした。このあたりを通るのはいつも夜なので、周囲の環境がイマイチ掴めなかった。
驚いたことに、遠くから見てもクヌギの大木がたくさんある!想像以上にいいところだ。
民家脇のクヌギの大木
道端にもたくさんクヌギが並んでいて、トラップのあともある。早く知っておけばよかった。
今後の樹液回りコースに加えられることは確実だ。覚えてれば。
しっかし、いい天気だ。朝日に向かって走るのはとってもまぶしい。
朝の茨城
なるべく東に向かって走らないようにしようと思うのだが、感じのいい場所はなぜかそっちの方向にある。(^^;;;
結局朝日に顔をしかめながら走ってしまう。
そしてまた以前から見ておきたかった場所を通りかかった。一人では見る勇気がなかった場所だ。(^^;) 今日はピイさんがいるので心強い。
根元の太いクヌギが並んでいる
車を置いて歩いていく。
ビミョーな木
遠くから見るとかなりの雰囲気はあるのだが、近くに行ってみるとそうでもなかった。(^^;)
犬は吼えるし、ダチョウには驚かされるし、イマイチな場所であった。
なんでこんなとこに・・・
再び車に乗り込み移動することにした。
先週見つけておいた場所に寄ってみることにした。スギの植林が多いものの、ところどころにクヌギを中心とした雑木林が点在していてなかなかのムードがある。美味しそうな材が転がっているのも目にしていた。
ようやく日も昇り始め、まぶしさはなくなってきた。ほどなくして現地に到着。
材がゴロゴロ
発生源はふんだんにあるものの、オオクワがいるかどうかはわからない。せっかくだからちょっと叩いてみた。
いつもの・・
中はほとんど空であった。かろうじてコクワの成虫が出てきた程度だ。外道すらほとんど入っていない。
それよりも周囲のクヌギの洞が気になって仕方がない。(^^;) ペンライトで入念にチェックするものの、さすがにみんな越冬体勢に入ったらしく、ゴキブリしかいない。いよいよ夏も終わりだ。
茨城弁丸出しの地元のおじちゃんと話をする。なかなかいいものだ。
近くの雑木林も見てみたが、結果は変わらずであった。
ピイさんが以前見つけておいた場所があるというので行ってみることになった。太い立ち枯れが無数にあり、ほとんど削らずに残してきたという。
そういう話を聞いてしまうとヨダレが出るというものだ。(^^;)
目的地までは多少の距離があるので、周囲の林をルッキングしつつ移動をすることにした。かなり気ままに脇道を入りまくる。感じのいい場所がいくらでもあって、見始めるとキリがない。(^^;) 西へ東へジグザグに迷走する。
結局車を降りたのは一度だけだったが、いつか本腰を入れて回ってみたいエリアだ。
さて、問題の場所だが、ピイさんも一度しか来たことない場所であったし、地図も置いてきたということで、特定は非常に困難な状態であった。いろんな脇道に入ってみたが、なかなか目的地が見えてこない。
そうしているうちに、ものすごいクヌギを見つけた。
すごい大木
何本かのクヌギが生えている丘の麓に、ひときわ大きいクヌギがデ〜〜ンと立っている。これは行くしかない!
しかし、根元まではブッシュがキツくて接近不能。これは冬になったら絶対に下見に行っておかなければならないだろう。
さらに移動を続けるうちに、ものすごい数のクヌギがある場所を見つけた。これは今までよく見逃していたと思う。(^^;;; いずれも大木ばかりで、思わず目を奪われてしまう。
もう1ヶ月早く見つけていればかなり楽しめたはずだ。
カワラやらニクウスやら・・・
来年の夏は、ここは間違いなく巡回コースに加えられるだろう。覚えてれば。
冬の間にもう一度は行ってみて、有望な木を特定しておこう。
目的地が見つからないので、一旦場所を変えて見ることにした。この夏あ〜が見つけた台木をピイさんに見せてあげることにした。
その前に1本有望なクヌギがあるので、まずはそこに寄ってみる。オオクワがいると信じて疑わない木であるが、まだその姿を確認できない。懐中電灯でくまなく洞を確認してみたが、やはりクワガタの姿は全くない。完全に越冬体勢だ。
台木の軍団のある場所は徐行しただけで通過。
それからまたテキトーに脇道に入ったところ、偶然目的地にたどり着いた。(^^;;; こんなこともあるのか。
ピイさんの言ったとおり、植林の中にクヌギの台木が無数にあって、どの木も「これでもか!」というくらいキノコを生やしている。
とってもいい!
こんなところがあったとは!
無数にある
周囲にもクワガタのつきそうなクヌギはたくさんあるし、どう見てもパラダイスだ。
ちょっと奥に入っていくと、一気に視界が開けて無数の切株や立ち枯れがあるのが目に入った。そしてその向こうには広葉樹林が広がっている。最高のシチュエーションだ。
土手の切株
状態のいい材も多く、カブちんの食痕などがたくさんある。
こんないい場所をよく見つけたものだ。材割をしたくなったらここに来るしかないだろう。
さて、無事に目的地も見つかり、今度は全くアテもなく回ってみることにした。県道を走りながら、気に入った場所があれば寄ってみる。そんなことを繰り返す。
ようやく昼になったので、我々のエサも調達しなければならない。クヌギと飯屋を探して徘徊する。
飯屋は見つからないのだが、クヌギはすごい勢いで見つかる。このエリアにこんなにクヌギがあるとは思わなかった。
ものすごい大木が遠くから見えるパターンが多く、思わずそちらに吸い寄せられてしまう。
大木が並んでいる
近づいてみると、ほんとにデカいクヌギたちだ。なかなか有望な洞がないのは残念だが、これだけのクヌギがあればどこかにオオクワの隠れている場所があるに違いない。
いくつかの雑木林を回ってすっかり頭がクヌギになってしまった。こんなにたくさんのクヌギを見たのは久しぶりだ。実に魅力的な場所である。
今度はエサを求めて車を走らせる。コンビニでもよかったのだが、何となくどこかで食べたかった。いつの間にか県庁所在地まで来てしまったのだが、なかなかいい店がない。
カレー頭になってきたのでカレー屋を見つけて入ろうとしたのだが、「本日休業」の看板。(+_+)
さらに数十km移動して、結局数年前にクワ道さんとコンちゃんと3人で入った店に行くことにした。メニューは当時と全く変わりなく、ボリュームも満点で実に満足のいくメシであった。
こういう状態でメシを食うと、すっかり落ち着いてしまう。(^^;) ひと眠りしたいところだ。
かなりテキトーに新規開拓をすることにした。しかし、いい場所が見つかってもなかなか車を降りる気がしない。(^^;) 昼食のあとはいつもこうだ。
結局日が傾き始めるまで車を走らせたが、一度も車を降りることなく単なるドライブになってしまった。わざわざ西日の方向に車を走らせ、朝と同様、まぶしい思いをしながら運転する。
すでに日没間近となった頃に、またいいポイントが見つかり始めた。
車を停めてクヌギやコナラを巡回する。
こいつだけは元気
スズメバチがいる。その洞の奥を覗かせてくれ〜〜〜〜。
と言いたかったが、怖いのでやめた。
仕方なく他の洞を覗いて回るが、やっぱりいるのはゴキブリだけだ。
ポイントに向かうピイさん
さらに別の林に行ってみた。最初の木でスズメバチが5〜6頭活動していた。ショボい木だったが、この木でオオクワが採れそうな予感がする。夏になったらここにも行ってみよう。
それから移動していると、また大クヌギを見つけた。丘の上にド〜〜〜ンと立っている。こいつの根元あたりがゴツゴツして洞でもあれば完璧だ。
いいとこだ〜
さっそく行ってみることにした。
根元に回ってみると、見事な健康優良児。ダメだ〜。
でも夏にはいろんな虫が集まるのだろう。その奥にある数本のショボいクヌギはけっこうボコボコに穴が空いていたが、明らかに採集者がやったと思われる傷も至るところに見られた。それにしても、こんなところにまで採集者が入っているなんて驚きだ。
それからまた有望なクヌギを何本か見つけることができたのだが、とうとう日が暮れてしまった。ほんじゃ帰りましょうか・・・・
となるところだが、あ〜にはまだやり残していることがある。これからが本番だ。(^^;)
日没の淋しい道を走らせ、樹液の状態を見に行ってみた。
昼の状態からして、すでにみんな越冬体勢に入ったと見ていたが、先週までそれなりにいたコクワは思った通り全て姿を消していた。もう樹液どころか、樹皮下や洞の中にも全く姿が見えない。おそらく10月18日で全て越冬体勢に入ったのだろう。これは予想通りだ。
淋しい反面、もうここに通わなくても済むというホっとした気分もある。
前回ノコがいた木にも念のため行ってみた。
いた。(^^;)
こんな時期に樹液に行く方も行く方だが、いる方もいる方だ。思いっきり樹液にへばりついている。
原歯型ノコ♂
コクワは越冬場所に潜めばいいのだろうが、こいつは死ぬのを待つだけだから、いつものようにいつもの行動をするしかない。
嬉しい反面、また来週も来なければならないという使命感と、いつまで樹液回りをしなければならないんだろう?という変な倦怠感が湧いてきた。(^^;)
まだ夏は続く・・・
この原歯型は先週まではいなかった。先週までいたのは大歯型が2頭だ。また新しい個体が現れたらしい。(^^;)
ふと足元を見ると、今度は大歯型のノコが這い上がってくるところであった。
這い上がるノコ♂
死ぬに死ねない哀れなヤツだ。確かに自殺もできないので、夜になったら下から上がってきて樹液を舐めるしかない。
11度の時にも採集できたが、今日の気温は13度であった。あ〜寒。
帰りは二人ともグロッキーだ。常に眠気が襲ってくる。久しぶりの早起き採集だったので、この時間は非常に眠い。夏なら本格的に活動する時間であるが、さすがにこの時期は何もやることがない。ひたすら帰るだけだ。ちなみに月齢はよかった。(^^;)
カレー頭が持続していたので、夕飯は二人でココイチに行くことにした。このココイチには思い入れがある。
あ〜がココイチの存在を知ったのは大学の1回生の時であった。京都の今出川通りにあるのだが、ここに原チャでわざわざ北区から食べに行っていた。当時はとても高いイメージがあったのだが、実は全く価格が変わっていないため、今ではとても安く感じる。
当時は確か名古屋圏と京都にしかココイチはなかったので、卒業するときには二度と食べられないのではないかと思っていた。ところが、数年前からココイチは一気に店舗数を増やし、関東にも西日本にも進出を始めた。卒業してからもココイチの存在を忘れることがなかったが、今から5〜6年前に念願のココイチで数年ぶりのカレーを食ったときの感激はなかなか忘れることはできない。
すでに以前のステーキカレーなどはメニューから消えていたものの、基本的には当時と変わりなく安心したのを覚えている。関西と関東で全然味の違うギョーザの王将などとは違って、得意のチーズカレーを食べたときにとても安心感があった。
今日も同じくチーズカレーの500グラムを食べて満足だ。途中でブランクはあったものの、関東で16年くらいココイチに通っている人はあまりいないだろう。店員でもそんな人はいないかも知れない。(^^;)
コクワ:n頭
ノコギリ:2♂♂
2001.10.28