栃木県
【雨】
今日は朝からテレビが来るのを待っていた。欲しかったM社のテレビが製造中止でどんどん店から消えている。M社のテレビが極端に他社に比べて安いので、そればっかり探していたのであるが、昨日行った店でT社のテレビが極端に安くなっているのを見つけてしまった。しかも今朝配送してくれるというので即決してしまった。
朝っぱらから今か今かと待ち受けていたのであるが、11時を回ってようやく念願のテレビが届いた。1週間ぶりに自宅で見るテレビにとっても感激してしまった。(^^;)
これでやっと外に出られる。ピイさんに連絡し、tubasaさんの待つ栃木へ向かった。
渋滞を避けて三郷まで下道で行ったのだが、こっちも混んでいる。外環にようやく乗ったのだが、思いっきり雨が落ち始めた。真新しいフロントガラスなので、まだ撥水コーティングをしていない。ワイパーをせわしなくかける。
東北道に乗ったあたりから、ものすごい豪雨になってしまった。(;_;) とても採集に向かっているとは思えない天気だ。ガンガンにワイパーをかけているのに、まるで前が見えない。時々小降りになるのだが、また強く降り出す。そんなことを繰り返してようやく待ち合わせ場所に到着した。
到着してさっそくtubasaさんにネブトの採集できる場所に案内していただいた。水曜日に行った場所と山続きだ。
こんな場所に???
と思うところに、しっかりクヌギが生えていて、ところどころで樹液を出している。雨の中、周辺の散策に入った。
スズメバチがぶんぶん飛んでいて、カナブンが特に多い。小さな洞や樹皮下では小型のスジを多数見ることができる。コクワがとても大きく見えてしまうのが不思議だ。いい木は何本かあったが、ここでは多数のスジと少々のコクワを見つけただけで終わった。
栃木のクヌギはだいたい目の位置くらいがやや太くなっていて、そこにボッコボコと洞が空いているものが多い。至るところで樹液を出している。紡錘形というのは極端な表現だが、こういうクヌギが特に多い。千葉や茨城ではあまり見ない形だ。山梨などの台場クヌギとはまた違う魅力がある。
次はどこに行くかtubasaさんと相談したのだが、12月に見てからずっと気になっていたクヌギ1本を見に行くことにした。「絶対あそこが見たい」とあ〜が一方的に言ったので、相談もクソもないのだが、あ〜ははっきりした場所を忘れてしまっていて、tubasaさんに連れて行っていただくことにした。とっても勝手なヤツだ。>自分 開拓した場所を忘れるなっちゅーの。(^^;)
12月の時点でノコの頭を無数に見つけたり、コクワを樹皮下から何頭も出したりと、とてもクワガタの濃い木だという強い印象があり、実はシーズンインしてからずっとこの1本が気になっていた。あそこにはオオクワがいるに違いないと勝手に決めつけていて、どうしても確かめておきたかった。
雨の中を移動し、ようやく見覚えのある場所に出てきた。カッパを着込んであぜ道を歩いていく。さすがに冬とは全然違う風景になっていて、目的の木がどこにあるかわからなかったのだが、tubasaさんの的確な指示でたどり着くことができた。
想像以上に日当りが悪く、夏はなんだかイマイチの環境だ。いちばん期待していた箇所はかなり乾いていて、虫のつきそうな雰囲気はなかった。それでもそれなりに樹液は出ていて、カブちんやコクワはついているのであるが、これは全くの期待外れだった。根元には無数のカブちんの死骸が転がっていて、片鱗だけは見せていた。変なところに道連れにしてしまってすみませんでした〜。
雨脚はどんどん強くなる一方だ。なんじゃこりゃ〜。(;_;)
いよいよ本格的な採集に向けて移動を開始した。
あ〜も何度か来ている場所であるが、その奥にどうやらポイントがあるらしい。車を置いて3人で歩き始める。ものすごい雨で身動きが全然取れない。何分か歩いて暗い森を抜けたあたりに突然クヌギ数本が姿を現した。また「栃木クヌギ」だ。
樹液ダラダラ
すでに1本目のクヌギから目は釘付けだ。樹液はだらだら流れているし、魅力的な洞がボコっと空いていて、スズメバチをはじめ虫の数はとても多い。スジがまたチョロチョロと歩いている。
コナラも数本あるが、こちらはキマワリばかりだ。やはり気になるのは栃木クヌギの方だ。カナブンがやっぱり多く、ミヤマの♂も久しぶりに見られた。なかなか見ごたえのある場所だ。
スジが多いが写真ではわからない
それにしてもスジクワが多い。上の方の洞を見ようとすると水滴が眼球に飛び込んでくる。ほんとに雨はツライ。でも全然蚊に刺されないところはいいかも。こんな土砂降りの中で採集している人なんてそんなにいないだろう。(^^;)
見にくいミヤマ♂
奥の方の木で1頭だけミヤマを採集した。小さいクワガタが多い中でいきなりこんなのが出てくるとびっくりしてしまう。
さらに移動して次の場所へ。ここもあ〜は何度も通過しているのだが、見事に見逃していた。なべさんとtubasaさんは果敢に薮に突入して、ここでネブトの採集に成功したらしい。
車を降りてカッパを着る。冷たい。(T^T) すでにカッパはカッパとしての機能を失っていて、タダの濡れた上着だ。蚊よけにしかならない。(^^;) そんな上着を着て3人で薮の中に入った。
山沿いの薮の中にクヌギの木が立っていて、数本で樹液を出している。数本見たあたりでtubasaさんがネブトを見つけた。根元の方がボコボコになっていて、樹皮のところに樹液が溜まっている。その間にネブトが挟まっていた。
中央にネブト♂
ネブトが樹液に来ているところは初めて見たのだが、あまりにも想像通りの光景であった。ネブトがつくにはこれくらいの樹液が必要なのかどうなのかはわからないが、あ〜のイメージからするとこういう場所でしか採れないような気がする。これだけの木を見つけるのは千葉や茨城ではちょっと骨が折れそうだ。
♂だったらしいのだが、残念ながら取り出した時に落としてしまって見つからなかったようだ。
tubasaさんが仕掛けたトラップが数個あったのだが、スジやカブちんがついているだけで、ネブトは見られなかった。雨が止まないまま、最後のポイントへ行くこととなった。
森の入口でなべさんと合流した。
黄昏時という妖しい時間に森に入るのだが、その森に入ってポイントに到着した瞬間にものすごいオーラを感じてしまった。この森自体にものすごい妖気が漂っている感じだ。こんな光景は今までに見たことがない。ものすごい不思議な体験だ。
1本目のクヌギがまたすごい。至るところで樹液が出ていて樹液の匂いにむせ返ってしまう。スズメバチ、カナブン、カブちん、スジなど、このあたりのいつものメンバーがたくさんついている。いい洞も何個かあり、いかにもオオクワのつきそうな木だが、まだここでは姿を見ていないらしい。そっちの方が不思議なくらいの木だ。
スジ@大歯型
この先、何本も同じような木があり、みんなはそっちの方に行ってしまっているのだが、あ〜は一人で完全に釘付けになってしまった・・・
そんなクヌギを何本も見ながら歩いていく。とても関東地方の風景には見えない。実に不思議な場所だ。
いつも採れているという木に行き着いたので、そこをピイさんにお任せして、あ〜はちょっと先の木を見ることにした。数メートル手前から樹液の匂いがしていて、とっても雰囲気がある。スズメバチがとっても邪魔だ。樹液部分を見たいのだが、あまりにもスズメバチが多いので、仕方なく樹皮や洞部分を見る。ピイさんも似たような状況にあるようだ。小さな洞の中に、これまた小さいクワガタのお尻が見えた。点刻が見える。ここにいるのはほとんどがスジなので、小さいスジの♀かとも思ったが、お尻が丸くて足が短く見えた。これはネブトかも知れない。
掻き出し棒で突いてみると前胸も見えた。これはネブトだ。対象が小さすぎて四苦八苦だ。そうしているうちに、その木を歩いている♀をなべさんがあっさりつかまえた。ちょうど日没でクワガタが歩き出す時間になったようだ。
洞の方は、なかなか掻き出せなかったのだが、なべさんはさすがにあっさりと掻き出した。それから同じ木のスズメバチがいた場所でも♂を見つけた。いい時間になってきた。
歩いているネブト
真っ暗になり、いちばん奥の木に向かった。その木の至るところに洞があり、樹液が噴き出している。樹液はどろどろの状態で樹皮下に溜まっていたりして、いかにもネブトの好きそうな状態だ。(と、以前からあ〜は決めつけている)
樹液まみれの洞にネブト♂
脚立を使って上の洞を見ると、ちゃんと中にはネブトが入っている。樹液の溜まっているところでは蝶や蛾が溺れ死んでいる。(^^;) 不思議なのは大型のクワガタが全然いないことだ。ノコの原歯型をなべさんが拾ったが、それ以外はコクワが数頭と、スジ・ネブトだけだ。
スジ♂
一日でこんなに大量の樹液を見たのは初めてかも知れない。とうとう雨は最後まで降っていたが、雰囲気は充分味わえた。
ネブト♂
最後にずっと気になっていたポイントに寄ってみた。特に成果はなく、スジがたくさんいただけであった。
コクワ:n頭
スジ:n頭
ノコギリ:1♂
ミヤマ:1♂
ネブト:7♂♂、1♀
2001.8.13