関東地方
【休日出勤】
最近、かなり仕事でハマっている。全然儲かってないのだが、やることだけはたくさんある。いわゆる貧乏暇なし状態だ。OKUさんから山梨への採集の誘いもあり、すっかり心は山梨に飛んでいたのだが、いきなり月曜日までに片づけなければならない仕事が覆いかぶさってきた。(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T) 昼間のうちにできればよかったのだが、今日のスケジュールは完全にぎっしり。手も足も出なかった。
取引先から資料が出てくるのも深夜になりそうだし、こうなったら明日出勤するしかないという結論を出してしまった。貴重な土曜日に仕事するなんて・・・(T^T)
しかし、休日出勤すると決めてしまったら気持ちがとっても楽になった。今日は遊ぼう!
自分の後ろに座っている後輩をつかまえて飲みに行くことにした。(^^;)
最近ぶらついてなかった錦糸町界隈を歩いてみる。新しい焼肉屋がオープンしているようだったので、入ってみることにした。
美味い!!店の雰囲気もいいし、かなり気に入ってしまった。フロンティア、巨牛荘、上野の焼肉屋には劣るものの、このあたりではいちばん美味いだろう。
二人でものすごい勢いで食べた。カルビだけで何人前食ったかわからないが、ご飯の大盛をおかわりしたり、ロースだのレバ刺しだの、いろんなものを食べて満腹になった。ぷは〜〜〜。
それから後輩は会社に戻って仕事をするというので、あ〜は酔っ払ったままパチンコ屋に入った。
「必殺仕事人」を打ったのだが、全然回らない。いくら突っ込んだか覚えてないのだが、とにかく完封負けを喰らった。
駅まで歩く時に、妙に涼しく感じた。台風が近いのか、風が強い。「こんなんじゃ飛ばねえなあ・・・」などと思いながら歩いていたのだが、最近暑すぎて虫が採れなかったことが妙に思い出されてきて、何となく茨城に行かないといけないような使命感に支配され始めた。
電車に乗る頃にはすっかり義務に変わっていた。
家に帰って着替えてすぐに出発。酔っ払った勢いは怖い。(^^;)
ゆっくりできるので、ずっと下道を行く。途中の外灯を見回りながら走るのだが、今日は本当に風が強く、虫の姿がほとんど見えない。おかげで何も気にせずにまっすぐ走ることができる。
そんな時、突然携帯にメールが入った。
「昨日からうちのクワ達がブンブン飛ぶのよ。○○が××の時はやっぱり狙い目だね」
こんなメールを打ってくる人は一人しかいない。(^^;)
「今日はオオクワ採れそうな気がするのよ」
家にいるカンは触角をぶんぶん震わせているらしい。こっち方面に行きたかったなんて言っている。
何度も書いたが、このカンの触角は極めて信頼性が高い。あ〜的にはちょっと様子を見に行くだけのつもりだったのだが、カンの触角がこんなに動いているということは、何かが起こるということだ。なんだか採れそうな気がしてきた。(^^;)
いつも最後に回る外灯のポイントがあるのだが、今日はもったいぶって最初に行ってみた。
こんな日にクワガタが飛んでくるとは到底思えなかったのだが、やはり当然のごとく1頭も落ちていなかった。ただし、カブちんの数は強烈だった。ぱっと見ただけで7〜8頭が視界に入る。闇を照らすと、そこら中を歩いている。何頭いるかは数えていないがものすごい数だった。何でもありか、お前らは。(^^;)
それからいつものポイントへ到着。5月からルッキングを開始して一度も採れていないので、すでに最近はデジカメを持ってこなくなった。採集道具は懐中電灯1本のみ。それで充分だ。
ちょっとドキドキしながらオオクワが入ってそうな木を見てみる。
去年の洞にはコクワ。
もう一つの洞はアリまみれ。
もう一つもコクワ。
虫の数も圧倒的に少なく、とっても寒い印象だ。ダメだこりゃ。
これまで実績はなかったが、何となく気になっている木が3本ほどあるので、いつものように巡回することにした。
最初の2本は「いかにも」という感じだが、今日も単なるゴキブリの巣であった。
最後の1本はカブちんの木だ。先月あたりは一面にシデムシがついていたのだが、今月に入ってからカブちんが一面についている。ズドーンと真っすぐに立ったショボい木なのだが、いろんなところで樹液を出していて、いつもスズメバチがぶんぶん飛んでいる。
今日はスズメバチが全然いないので、容易に近づくことができた。カブちんの数がすごい。
わしゃわしゃわしゃわしゃ・・・・何頭いるのだろう。
カブちんとカブちんの間にあった洞を覗いてみた。
・・・・いた。(^^;)
太っいアゴがこっちを向いている。♂だ!久々の衝撃が頭の中を走った。
奥に逃げられるとヤバいので、すぐに灯を消し、道具を取りに車に戻る。
ほんの一瞬しか見えなかったが、オオクワを見間違えるわけはない。心臓がバクバクと波打ち始めた。
いた・・いた・・いた・・いた・・いた・・・・・
この酔っ払いは何を言っているかわからないが、見つけた喜びを胸に車に向かっている。(^^;)
車で最初にしたこと・・・電話であった。(^^;) 相手はさっきメールを送ってきた人。
「見つけてもうたっ!」
とりあえず、ご報告だ。
それから一人で作戦会議を開いた。あいつをどうやって採るか???
さっきの情景を思い浮かべる。問題は洞の深さだ。ちょっとでも刺激をして奥に逃げられたら終わりだ。
ピンセットや指が入る余裕があったか?・・・・・・ない。
結局、イチかバチかの掻き出し棒で勝負をするしかないという結論に達した。洞が深ければ逃げられる可能性が非常に高い。こうなったら長期戦か。
再びオオクワの洞に戻る。そぉ〜っと照してみると、まだヤツはそこにいた。(^o^)
掻き出し棒を使おうと思ったが、何となくピンセットが使えそうだったので、ちょっと試してみた。
・・・失敗した。(T^T)
ヤツも奥に逃げ込もうとするが、そこから全く姿を消すことはなかった。やった!洞が浅い!!
これはラッキーだった。もう絶対に逃げられる心配はない。あとはケツを突いて掻き出すだけだ。
ここでようやくデジカメを持っていないことを後悔するのであった。(^^;) こんなシチュエーションは滅多にあるものではない。洞の中で、どデカいアゴがこっちを向いて開いている。絶対にそそる写真になったに違いない。
やっと洞の中のヤツをじっくり見る余裕が出てきた。相変わらずカブちんがわしゃわしゃとうるさい。
ヤツのアゴはとても太く、大歯にも見えたのだが、何とも微妙なところ。サイズもこのシチュエーションなら50を越えるドルクス系は全部70くらいに思えてくる。(^^;;; とにかくでっかく見えた。今年に入って覗いてきた洞ではコクワしか見たことがなかったのだから、そりゃ、やっぱりデッカく見えるのは当たり前だ。(^^;
こんな感じで見えていた
掻き出し棒をセットアップし、奥の方に差し入れる。ヤツはすごい力で思いっきり踏ん張っている。こうやって格闘しているのも後から考えるととても楽しい瞬間だ。やってる最中は必死なのだが・・・ 最初はビクともしなかったのだが、棒の先っぽの角度を変えているうちに、ちょっと前へ出てきた。
あとは一気に手前に掻き出し、落とさないように気をつけながら、とうとう至福の瞬間を迎えた。
やった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!\(^O^)/
洞から出して手に入る瞬間までにヤツはとっても小さくなったような気がした。でもいい。しっかりとその♂を手に握りしめて一人で喜びを噛みしめた。嬉しい!!
洞の中でほんっとに大きく見えたこいつは、中歯型の♂であった。サイズは57.2mm。
飼育をされている方や、ベテランの方から見れば鼻にもかからないサイズであるが、あ〜的にはド迫力のサイズだ。日頃見ているクワガタと比べれば、一回では視界に入らないサイズである。(^^;) こんなクワガタを洞で見つけて採集するのがやっぱり一番の醍醐味だと思う。
灯下採集では絶対に得られない満足感がここにはある。やっぱオオクワは樹液採集だなぁ〜〜〜、としみじみ感じてしまった。
さっそくカンに電話を入れ、
「でへへへへへへ」
と報告する。またしてもカンの予測は当たった。東北地方の採集記も読んだのだが、カンはますます触角に磨きをかけているようだ。ちょっと一般人には図り知れない思考力の強さがある。予言とか引きの強さとか、そういう非科学的なものとは全く別の性質のものだ。極めて確度の高い推測という言い方になるかも知れない。
それから以前から通っている場所を数ヶ所回ってみる。最も多いのは当然カブちんだ。ノコとコクワは今日は少ない。樹液の位置や洞の状態がまた前回とは変わっていて、相当期待の持てる洞がまたひとつ見つかった。これまた楽しみだ。
やっぱカッコいいなぁ、オオクワは
今年は全くの鳴かず飛ばずで、完全に諦めていたエリアであったが、やっとここで1頭採集することができた。また新しい木だったことが嬉しい。
「ここは7月や」
と、5月の時点で言っていたカンの言葉が思い出される。
コクワ:n頭
オオクワ:1♂
ノコギリ:3♂♂
2001.7.28