01/7/14

千葉県

【ヒラタ】

先週は房総中部にヒラタ狙いで行ったのだが、見事な惨敗に終わってしまった。千葉ヒラタだけで今年になって何度惨敗したかわからない。「たったのヒラタ」がここに来て1頭も採れてないというのはとっても下手くそで哀しい話なのだが、今週も懲りずにまたヒラタ狙いでピイさんと房総半島を下ることになった。

5時20分に起床。ゆうべの酒が残っているが、こんなものは採集を始めると5分で汗になって吹き飛んでしまうだろう。海水浴に向かう車でかなり交通量は多かったが、ほぼ予定通りにピイさんのお宅に到着できた。さっそくあ〜車に荷物を積み込み、南房総に向けて出発した。


【暑い】

道中、美味いラーメン屋の話などをピイさんに教えていただきながら車を走らせる。ピイさんは色んな情報を持っているのでとても勉強になる。だんだん植生も変わってきて、常緑樹が目立ち始める。途中のコンビニで食料を調達しようとするのだが、広い駐車場なのに車がいっぱいで入れない。次のコンビニでもいっぱいだったが、何とか車を停めて店に入ると、店の中もすごい客の数だ。さすがに海水浴のシーズンだけあって、このあたりはとても混雑する。

いよいよポイントが近づく頃、ピイさんがヤナギを発見した。ここまで下りて来ると照葉樹林しかないと思っていた・・・というのは極端であるが、そういうイメージが強かったので、なかなか驚きだ。周囲にはクヌギも何本もあり、あ〜の中で南房総のイメージがちょっと変わった。

さっそく眼下に見えるヤナギにアタックをかけてみることにした。途中のクヌギには大量のカナブンがたかっている。

さっそくカナブン野郎のお出まし

ムードが出てきた。ヤナギは遠目から見てもかなりいい感じだったが、近づいてみるといい洞がたくさんある。枝に触れるとさっそくコクワがどこかから落ちてきた。ちゃんとクワガタもついている。

ちょっとした洞を覗くと、コクワのペアが入っている。よしよし。次はヒラタだ。ここまで来れば絶対にヒラタもいるはずだ。

次の洞ではかなり大型のコクワが洞からアゴを出していた。

アゴがクロスしている

取り出してみるとやっぱりデカい。デカく見えても43mmというのはよくある話だが、それ以上には見える。

測ってみると48mm弱であった。しかし、その洞の下にもっといい洞がある。この洞を覗きたいのであるが、根元から上向きに伸びている洞なので全く覗けない。さっきのコクワ以上のクワガタが確実に入っていると思われるが、諦めざるを得ない。う〜ん、気になる。後ろ髪を引かれながらその場をあとにした。


【クヌギ】

今度はクヌギだ。南房総といえば照葉樹林のイメージしかないのだが、探せばちゃんとクヌギもあるようだ。かなりいい感じのクヌギがあったので、近づいてみた。

当たり前のようにスズメバチとカナブンが思いっきりついている。

いい洞がある

両方とも「ぶ〜〜〜ん」と派手な羽音を立てるのでとっても怖い。とっても魅力的な洞があって、周囲の樹皮下にはコクワが数頭ついている。これはいい!洞の中には・・・ムカデ。(-。-;) 奥の方は見えなかったが、ヒラタかオオクワに入ってて欲しいものだ。

それから少し移動して、さらにクヌギのたくさんある山に進入した。こんないいところをピイさんはよく見つけたものだ。「いかにも」という感じのクヌギの大木もあり、たくさんの昆虫が集まっている。その樹液の出ている場所に魅力的な洞がある。ピイさんはこの近辺で期待の大型幼虫を採集しており、ポテンシャルは非常に高い。夜に来てみるといい成果が出そうだ。

ムード抜群!

それから汗だくになりながら山を歩く。このクソ暑い炎天下で長袖、長ズボン、長靴、軍手、帽子といういでたちは絶対に尋常ではない。中のTシャツは水分100%で、完全にその機能を失っている。

そんな中でピイさんは樹上のノコを見つけたりする。よくあんなの見えるもんだ。(^^;)

ひとしきり山を歩いて、あ〜はちょっとコクワを見つけたくらいで終わってしまった。

車に戻って服を着替える。長袖のシャツも完全に汗でビショビショになってしまっている。(^^;)

南房総の山々

さらにその先のクヌギ林に突入。

ピイさんが期待幼虫を採集した場所だ。ここにはヒラタもいることは間違いない。

林の手前にものすごいクヌギがあった。太さは大したことないのだが、根元の部分で滝のように樹液を出している。樹皮が思いっきり浮いた部分があり、これは初めてオオクワを採集した韮崎の木の状態とそっくりだった。その奥にも洞がボコボコ空いていて、大型の♂が隠れるにはもってこいのシチュエーションであった。コクワ7〜8頭しか見えなかったのだが、ここは期待大だ。

それから林を歩いてみたが、樹液を出している木が多い。カナブンだけならいくらでもついている。ポイントの半分しか見ていないが、雰囲気は抜群だ。ピイさんはきっちりとミヤマも採ってきた。あ〜はコクワのみだ。(^^;)


【照葉樹】

それからさらに南下を始める。このあたりで粘っていればヒラタも採れると思うのだが、今日は照葉樹林にチャレンジしなければならない。

いよいよ植生が変わってきた。今日の目的のひとつは、この照葉樹林でクワガタが採集できるかどうかを確認することだ。できればヒラタを採りたい。

なかなかのシチュエーションの場所があったので、寄ってみることにした。

照葉樹林

何の木か、見る人が見ればすぐわかるだろう。クヌギの常識からすれば、こんな木にクワガタがいるなんて信じられない。ほんとにいるのか?

半信半疑でルッキングを開始したが、見つかるのはアリだけだ。やっぱりいない。

ところがこの時点でピイさんは数頭のコクワを採集していた。(^^;)

樹液もたくさん出していて、カナブンもいっぱいついている。やっぱり採れるらしい!

これでいけばもっと南でもクワガタは採れるだろう。ヒラタ目指してさらに南下だ。

ちゃんとクヌギもある

途中でまたクヌギの林を見つけたので、車を停めて歩いてみる。山麓が照葉樹とクヌギの雑木林となっているのだが、ネブトなども期待できそうなシチュエーションもあった。でも採れたのはコクワだけだ。

ここでもピイさんはいい木を見つけてきたようだ。

さらにさらに、今度はクヌギの山を見つけた。灼熱の山を完全防備で登り始める。

灼熱の南房総

最近全く手を入れられた様子はなく、上に魅力的なクヌギが見えているのにそこに向かう道は完全に薮で閉ざされていた。ドルクス系の♂を洞で見つけたのだが、手も足も出ずに終わってしまった。

頂上にクヌギの大木がある

しっかし暑い。がぶ飲みしたジュースは全部汗となって出ていく。

そろそろお昼にしよう。

そば屋を探していたのだが、車を停める場所がなく、結局ピイさん行きつけの店でカレーを食べることにした。それから念願のかき氷を食べに別の店に入り、とりあえず満足した。

だいたいこういう時は、すっかり落ち着いてしまって午後からは採集にならないものだ。(^^;)

まあ、テキトーに行きましょうや〜、という感じで出発した。


【ジャングル】

すでに周囲は見渡すかぎりの照葉樹林だ。林道などに入るが、どこから手をつけていいのかわからない。

とりあえず道沿いの木を見ながら走ってみる。

ちゃんとカナブンが集まっている木もある。ふむふむ、こんな感じで集まるのか・・・なかなか勉強になる。どこででも昆虫は生きていけるらしい。

そんな中でもピイさんはコナラできっちりコクワを採ったりしている。すごいすごい。

一旦山の下まで降りて、ヤナギなどを見ると、ここにもカナブンやコクワはいた。しかしヒラタがどうしてもいない。

さらに別の林道に入っていく。

海岸沿いの林道

日当りが良すぎても悪すぎてもダメなようで、なかなか選択が難しいところだ。途中に転がっていた材をマメ狙いで割ってみた。千葉にもいるかも・・・なんて何の根拠もなく期待しているのだが、出てきたのはコクワの成虫だけだった。こんなところにもやっぱりコクワはいるのか。(^^;) マメは採れなかったがマメはできた。(;o;) オノなんて長いこと握っていなかったので、あっという間にマメができた。痛い。

さらに沿岸部を移動していく。数ヶ所を回ったが、全く気配なし。ちょっと無謀だったか。(^^;)

そろそろ昼の部も終わりだ。何となく気になる照葉樹の林があったので、車を置いてルッキングに出かけた。スズメバチなどは飛んでいるのだが、樹液も甲虫類も確認できなかった。

しかし、なかなかいい材があったのでちょっと割ってみた。相変わらずコクワの成虫が出てくる。ここにもクワガタはいた。

そんなコクワに混ざって大型のクワガタの腹部が出た。やけにすべすべした背中、間違いなくヒラタのものだ。

また死骸。(T^T)

50mm程度の♂のものか?最近はほんとに死骸づいている。(T^T) まあ、存在を確認できたからよしとしよう。

暑い暑い

さらにもうひと山登って、コクワをまた出して終わった。


【時間配分】

日没が近づいてきた。ちょっと早いが夕食をとることにした。行列のできるラーメン屋へ行って、それからさっきのクヌギをもう一度見て灯下採集にでかけるのがいちばんいいだろうという結論に達した。

けっこうな距離を走ってラーメン屋へ行ったのだが、なんと臨時休業!(T^T)

またまたけっこうな距離を戻ってクヌギへ向かった。まずはいちばん有望なクヌギ。洞のところまで登ったら、いきなりでっかいスズメバチと目が合ったので慌てて降りた。奥の方のポイントはコクワとノコが多い。

入口に戻ると、さっきはいなかったのにミヤマが上がってくるところであった。久々の千葉ミヤマの採集だ。

久しぶりの千葉ミヤマ

さらに滝のような樹液の木は樹皮下も洞も深すぎて何も見えなかった。(^^;)

期待幼虫の林では、やはりコクワが多い。また半分だけ見て車に戻った。蚊の多さに辟易してしまう。

ボケ〜〜〜っとピイさんが帰ってくるのを待っていたのだが、ようやく戻ってきたピイさんが手で「ok」を作る。

ヒラタが採れたようだ!

見せて見せて!と慌ててルアケースをのぞき込むと、小さいながらもしっかりしたヒラタがピカ〜っと光っていた。(^o^)

やった!!(^o^)

ピイさん執念のヒラタ

何と言ってもこれを採りに来たのだ。この1頭ですっかり満足だ。「小さ〜い」とピイさんはやや不満げだが、どこからどう見ても立派なヒラタだ。サイズは32.5mm。確かに小型のヒラタだが、やはり貫録がある。考えてみるとあ〜が去年採集した27mmよりも5mmも大きい。(^^;) クワガタの5mmの差はほんとに大きいのだが、このクラスになると尚更だ。

最後にムカデの洞の木に行ってみたがコクワがいただけ。その隣にある木も樹液と洞を確認していたので、期待を込めて登ってみた。夜だというのにスズメバチがいきなり飛んできた。あ〜が真っ逆さまに墜落したことは内緒にしておこう。(^^;)

これで今日の樹液採集は終了した。次は灯下採集だ。


【千葉灯下】

すっかり夜になり、帰り道ながら灯下採集をする。

一応、目的地はあるのだが、まあかなりテキトーだ。(^^;)

けっこうな山の中を走っているのだが、なかなかクワガタが拾えない。今日はお休みか?

結局何も拾えないまま、目的地近辺まで来てしまった。

コクワとノコを拾い、さらに北上する。

明るい外灯にはものすごい数の羽アリが集まっている。しかしクワガタはコクワくらいしか来ていない。

このあたりから、採集者の数がだんだん増えてくる。看板のある明るい水銀灯があり、やはりものすごい羽アリが来ていた。ボケ〜っと見ていると、いきなり看板にカ〜ンと当たってベシっと落ちてきた虫がいた。どうやらクワガタのようだ。ひっくり帰って手足を全部開いて大の字に寝ている。♂だというのはわかったのだが、何の♂かはよく見えない。アマミシカが落ちてきたかと思ったのだが、よく見るとミヤマであった。

小さいぞ!

小さいの何の。(^^;) 測ってみると33mmしかなかった。ほんとに3齢まで行ったのか?(^^;)

考えてみると、まだ夕飯を食べていなかった。頭の中にラーメンがインプットされたままだったので、ラーメン屋を探して道を走った。ようやく店を見つけ、入ろうとしたが、いやに客が少ない。こういう店はだいたいマズいということはわかっていながら入ってみると、当たり前のようにマズかった。(T^T)

コクワよりはるかに小さい真ん中の2頭

こうして南房総シリーズは終了した。今回はいろいろ勉強になった。また近いうちチャレンジしに行きたい。


今回の成果(2人分)

コクワ:n頭

ヒラタ:1♂

ノコギリ:n頭

ミヤマ:3♂♂


2001.7.26