中部地方
【天気】
オオクワを採集する夢を見た。ポイントは木更津とか君津のあたり。内房だ。灯下採集で大歯型を一度に2頭も採集してしまった。こんな景気のいい夢は久しぶりだ。(^^;)
朝、ポカと合流。ポンはいつの間に来たのだろう?会うのは今世紀初かも知れない。明けましておめでとう!(^^;)
さっそく「今日はどこ行く?」という話になる。ここにいる時はいつもこの話をしているような気がする。(^^;) 天気は曇りだが昨日よりも気温が5度も上がるらしい。もう大雨でなければオッケーって感じだ。(^^;)
問題は昨日の場所に行くかどうかだ。昨日採集したので、コルリが新芽に入るとすれば夜明けから我々が到着するまでの時間だけだ。コルリが動けるほど気温が上がっているかどうかが勝負なのだが、ちょっと期待も薄そうだ。ダメだったら先週見つけておいた場所に移動することにしよう。
準備を整え、いざ出発だ。
なんと!
外は晴れていた!しかも気温も高い。これは絶好のコルリ日和になるかも知れない! ポンが天気を連れてきたか。
山の上もこの天気ならきっとすごいことになるだろう。
しかし、あとちょっとでポイントというところで突然ガスに包まれてしまった。(;_;)
ちょうどポイントのところだけ陽は全く当たっておらず、とっても寒い。(+_+) これでは虫は動かないだろう。
どうしてここだけ天気悪い?(;_;)
さっそく身支度を整え山道を歩き始める。
思った通り、全くコルリは動いていない。(;_;) ものすごいガスで視界すらおぼつかない状態である。
歩いても歩いても1頭も見つからない。
昨日採集したのはおととい新芽に残ったものだけだ。そして今日採集できるとすれば、昨日の取り残しだけということになる。(^^;) なんて厳しいんだ。(^^;)
それでもカンが新芽上で動けなくなっているコルリを見つけたらしい。おお、いたか。(^^;)
続いてポンも新芽の中にいるコルリを発見。
あ〜も勘で網をかけ、いつの間にか1♂をゲット。
やっと1頭
ああよかった。(^o^)
これだけでもけっこう満足だ。
ポンカン
かなりの距離を歩いて行ったのだが、やっぱり「残りの残り」を採集するのは厳しい。
10数頭を採集したが、だいたいの場所は昨日見ているので、それ以上の追加採集は難しいだろう。
ガスが立ち込めて、気温はとても低い。
猛烈なガス
昨日いい感じで新芽が出ていた場所で薮をこいでみた。
やっぱり昨日入っていない場所にはコルリは残ってくれている。
2頭がここにいる
1ヶ所で2頭を同時に見つける。
あまりの寒さに新芽も凍ってしまっている。これが6月の風景???
凍っている新芽
昨日12頭を一気採りした場所でもやっぱりコルリは入っていなかった。こんな気温ではどうしようもないだろう。
ここでは今日は期待できないということで、ここで移動をかけることにした。
本来ならコルリがぶんぶん飛ぶ時間なのだが、これを移動時間に当てなければならないのはちょっとつらい。
山を下り始めた途端に、いきなり雲の外に出たらしく、とってもよく晴れていた。(;_;) ポイントだけが寒かったらしい。
くねくねした道を下り、別の山をくねくねと上がっていく。標高を上げていくと、上の方がガスっているのが見えてくる。さっきと同じパターンになるのが怖かったのだが、多少マシだ。
一見、新芽なんかどこにもないように見えるのだが、よく見るとブナの幼木が他の植物に埋ってちらほらと芽吹いている。車を降りてじっくり見てみると、やっぱりコルリが入っていた。(^o^)
あっはっは。(^o^)
じっくりコルリを撮影するカン
ここは一ヶ所集中ではなく、断続的に数本ずつブナの幼木がある場所だ。そしてヤナギもあるし、クワガタが道をよく歩いているポイントでもある。前回はヒメオオとアカアシの轢死体を見つけているので、今回は何としてでも生きたまま拾いたいと思った。あ〜的な重点としては、新芽新芽新芽、ヤナギヤナギ、道道道道道道道という感じだ。(^^;)
新芽の数本ある場所で何度か車を止めてルッキングだ。
網をかけるカン
車を降りるたびに2〜3頭ずつがちゃんと採れる。これはこれで楽しい。(^_^)
どこにいるでしょう?
悪条件の中でよく頑張っているものだ。
山によって色が違う
そして移動中は道に注目だ。忙しい採集を続ける。今日も道にはヒメオオの轢死体が・・・(;_;)
5頭も見つけてしまった。(;_;)
ポイントも終わりに近づいたころ、今度は道でスジの死骸を拾った。あ〜あ。これで先週から併せてヒメオオ、アカアシ、スジという3目の死骸を拾ったことになる。ミヤマも歩くのだろうが、まだ早いようだ。
キリのいいところまで行って、どこを通って帰るかという話になった。カンの希望で来た道を帰ることになったのだが、車を走らせ始めた瞬間に、キラっと何かが光った。さっきはなかったので、ちょっと期待して車を下りたのだが、近づいてみるとシデムシに見えた。危うく触るとこだったなあ・・・などと思ったのだが、よく見るとヒメオオの♀だった。やった!!(^o^)
今年初のヒメオオ
今年初のヒメオオは道採集であった。それにしても瞬間的にクワガタだとわからないなんて、どういう目をしているのだろう。(^^;)
車から出てきたカンに誇らしげに見せた。うひゃひゃひゃ。(^o^)
じゅうぶん満足の採集だったのだが、念願のヒメオオまで採集し、期待以上の成果にテンションは上がりっぱなしだ。(^o^)
それからの帰り道は、徹底的に道道道道道といく予定だったのだが、視界5mくらいのものすごいガスに包まれてどうしようもなくなった。なかなか派手なガスだ。
すでに18:30で終了の時間だ。帰り道でカモシカに遭遇してびっくりした。絶好のシャッターチャンスがずーっとあったのだが、こちらがカメラを準備するのを待っていたかのように山へ帰ってしまった。何とか姿だけは撮れたが、こんな写真はイマイチだ。
カモシカなんですが・・・
気温は17度。朝から全く変わっていない。このまま下がらなければ灯下採集に出かけてもいいかも知れない。
まずは腹ごしらえをすることになった。前回のあ〜の実績をもとに、カンがいろいろ予想を立てたのだが、実はこれが次々と的中していくことになるのだ。(^^;)
たらふく食って目的地へ大移動だ。
途中の道でガムシに騙されながら走る。先週から何度騙されたことか・・・
いよいよ目的地に到着。先週ほどではないが、そこそこ虫も来ているようだ。
さっそくカンがコクワの♂を見つけた。うんうん、なかなか濃い場所だ。形がカッコいいと大騒ぎをしている。(^^;)
いつもの・・・
ポンもすぐにコクワを見つけた。ポンなどは懐中電灯も持たずに採集をしている。しかも単一6本の懐中電灯を振りかざしているあ〜より早くクワガタを見つけてしまう。すごい。(^^;)
あ〜もようやく葉っぱの上でひっくり返っているコクワの極小♀を見つけた。どんなんや。(^^;)
さらに懐中電灯を持たないポンが♀を見つけたようだ。
「♀いたでぇ〜、はい、カン」
「何〜?ノコ〜?」
そんなやり取りを聞きながら、あ〜は必死でクワガタを探していた。
ちょっと間が空いて、カンが突然声を上げた。
「これ、オオクワやん!!」
「ああ???」
ポンがカンにあっさりと渡した♀をカンがよく見るとオオクワだった!!
慌ててカンの所にすっ飛んでいく。カンの手に握られたクワガタを見てみた。
間違いない。(^^;;;
どっひゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
まぢ???(^^;) 34.5mm♀
そりゃ、もちろんオオクワ狙いで灯下採集をしているのではあるが、この場所でこんな時期にオオクワなんてあまりにも現実味がない。そもそもあ〜は去年の9月からオオクワを見ていないので、オオクワなんてこの世にいるものかどうかも疑わしくなっていたところだ。(^^;;; それが今、目の前でオオクワが採集されている!!突然頭の中が沸騰してきた。
「やったぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
思わず叫んでいた。握手!握手!!(^o^)
虫取りって、なんて楽しいんだろう!夢にまで見たオオクワ採集だ。唐突にその瞬間が訪れた。そう言えば本当に夕べ夢見たっけ。そんなことはどうでもいい。とにかく嬉しい。(^o^)
ポンが採集した場所は、あ〜も見ていた場所だ。(^^;;; たぶん、踏んづけてたと思う。得意のニアミスは健在だ。これがポンカンであり、これがあ〜だ。一気に9月を思い出した。自分は一人ではオオクワが採れないことは何度か言ってきたが、まさにそれを象徴するパターンだ。オオクワにゼロcmまで近づきながら、その存在を発見することができない。(^^;) ポンカンがいればちゃんと採ってくれる。(^o^) こういう関係は自分はとっても気に入っている。 あれは何回来てもポンには採れて、あ〜には採れなかったに違いない。
しっかし・・・懐中電灯なしで草むらからオオクワを拾うなんて・・・(^^;)
それから一気に気合が入った。当たり前である。これが今日飛んだものか、前々日に飛んできたものかはわからないが、オオクワが現実となれば探し方にも力が入るというものだ。
ほどなく柱の下に埋もれる甲虫を見つけた!
背中を見るとしっかりと点刻がある!!
おっ!!!!!
「カン、カン、見てこれ!!」
カンをわざわざ呼び寄せた。
「何でわしの時はコカブトやね〜〜〜〜ん。(T。T)」
点刻を見つけたときはものすごい心拍数だったと思う。ほんとにリアルな点刻であった。色といい、ツヤといい、オオクワにしか見えなかった。いかにもクワガタらしく、コカブトが挟まっているのであった。こんなところでコカブトを見つけたのは初めてだ。あ〜〜〜〜〜ん。(;_;)
そして、その直後にその柱の反対側にまた点刻を見つけた。
ゴミムシだった。(T^T) しっかりとあ〜ちゃんぶりを発揮している。
サラっと流すだけにしようと思った灯下採集は急に熱を帯び、車の中でも大騒ぎになった。確かに今まで萎れていたカンの触角がコルリのごとくブンブン動いている。このサインを見逃すわけにはいかない。こういう時は絶対にオオクワが飛んでくる。
他の場所よりも1ヶ月は発生が遅く、クワガタすら採れないかと思っていたところであるが、早くもオオクワを採ってしまった。全く想像しなかったことだ。
移動中の道でいきなりノコの♂を発見。車がびゅんびゅん通る場所でいきなり車を停めたので死ぬかと思った。(^^;)
命がけで採集したノコ♂
「ここまで来たらミヤマ採ろうぜ!!」
と、また現実味のない話を始めた。ここは他の場所よりも絶対に発生が遅いはずだ。他で採れてもここでは採れないと思っていた。
ポイント数ヶ所を回る。先週ほどではないが、ちょこちょことコクワは拾える。
相変わらず何度も何度もガムシに騙されながら、その度に溜め息が出る。心臓の無駄遣いさせるなっちゅ〜ねん!>ガムシ
今まで行ってなかった場所にもちょっとだけ寄ってみた。強烈に明るい外灯があった。見通しもよく、これは今後期待できるだろう。絶対に外せないポイントだ。
ノコとコクワを拾いつつ、そろそろ帰ることになった。最後に町中をひと回りしようということで、ゆっくり車を走らせた。
ある自販機の前で、突然カンが大声を上げた!
「ストップ、ストップ!!」
「なんやなんや?」
「50円!! 拾う!!」
ぶはははは!(^o^) 笑ってしまった。
しかし、カンはなんだかガッカリして戻ってきた。聞いてみると、50円ではなく5円だったらしい。(^^;)
「オオクワにご縁がありますように」
などと、えらい月並みなセリフを吐きながら車を出したのであるが、それを言い終わらないうちに次の外灯で壁についている甲虫の姿を見つけた。
カンが五円玉を握ったまますっ飛んで行く。時速300kmは出ていただろう。
ポンと二人で車の中でその様子を見ていた。
ポ:「何だろうね?」
あ:「外道ちゃうか〜?採ってへんやん」
ポ:「やっぱ外道かなあ」
あ:「それかコクワかどっちかやろ」
ポ:「あ、採ってきた」
あ:「採った?じゃあクワガタやったんや」
やっとカンが車に戻ってきた。オオクワだったらいきなり右手が出てくるところだ。しかし全然雰囲気がないのでコクワかノコだと思った。
あ:「何やった?」
カ:「これやったっちゅ〜ねん!」
と見せられたクワガタの♀の背中には、くっっっっっきりと点刻が並んでいた!!
うわぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
33mm♀。ぶっとびだ!(^^;)
まぢ?まぢ?まぢ?と言いながら、がっちりと握手をする。もう信じられない!(^o^)
完全にカンに意表をつかれてしまった。なぜいきなり右手が出なかったかというと、実は五円玉を握ったまま採りに行ったので、オオクワを持ち替えられず、そのままオオクワに挟まれてしまっていたらしい。(^^;)
時速300kmで飛んで行ったのは、カンにはオオクワに見えたそうだからだ。30ちょっとの個体だし、あ〜には全くオオクワには見えなかった。(^^;) さすがである。五円玉を拾ったときに直感が走ったというが、ほんとにびっくりだ。
またまた車の中は大興奮の渦だ。オオクワ採集は初めてではないが、やっぱり何頭採っても同じような興奮がある。これで採集記pickupに★がつけられる。(^o^) これまで★なしで頑張ってきたので、今度★がつく時には絶対劇的なものにしようと思っていたが、これ以上ないシチュエーションで★がつくことになった。(^o^)
興奮冷めやらぬ状態から、次の外灯で大きめの甲虫が2頭ひっくり返っているのを見つけた!!
今度はあ〜が時速258kmですっ飛んでいく。
片っぽはガムシであった。(-。-;) あ〜あ。(-。-;)
もう片っぽもガムシに見えた・・・が、なんと大アゴがあるではないか!!! デカいぞ!
慌てて掴んでひっくり返してみたら、なんとミヤマの♀であった。新成虫で、フセツが引っ掛かって取れない。痛い痛い。
初ミヤマ〜!
ミヤマミヤマとず〜っと言い続けていたカンは、さっきのオオクワよりも興奮している。(^^;) あ〜的にはちょびっとガッカリだったが、今年の初ミヤマだし、目標のひとつだったので、大大大満足だ。(^o^)
次は♂や〜〜〜!と言いながら、三人を載せた車は熱気いっぱいのまま、帰って行くのであった。
あ〜にとってオオクワの採集というのは、生活する中での大イベントだ。これは大げさな表現ではないだろう。たかが虫1匹でこれほど盛り上がれるというのは、フツーの人には考えられないだろう。こういうメリハリや刺激が得られるというのはとっても幸せなことだと思う。おめでたい野郎という言い方もあるのだが・・・(^^;;; 9ヶ月もオオクワから遠ざかっていたが、今日、とうとう採集できたことにより、精神的にも達成感があり、潤いも出てくるというものだ。これは自分が下手くそで滅多に採れないから悦びも大きいのだと思っている。いつまでもシロートでいよう。
帰りの交差点近くの自販機の前にクワガタが落ちていたような気がしたので念のためカンと見に行くと、今度はミヤマの♂がひっくり返っていた。もう笑いが止まらない。(^o^)
すぐには採らず、ひっくり返ってジタバタしているミヤマの♂を二人で指差して、
「こんなん、おったでぇ〜〜〜。これは何や〜〜〜〜?(^o^)」
「何やろなぁ〜〜〜。(^o^)」
と言いながら、ニタニタしている。気色悪い。(^^;;;
♂も採れた!
これで今回の採集は終了となった。
帰りは何度も眠くなったものの、この興奮状態と、夕べの睡眠が充分だったため、奇跡的にノンストップで帰京できた。
コルリの撮影だけで終わるはずの採集は、思わぬ成果を産み、これ以上ないくらいの充実した採集となった。こんなに印象深い採集は最近なかったことで、これはずっと後まで自分の記憶に残り続けるに違いない。
ほんとにすごいポンカンパワー
オオクワなどは、今年は最初から諦めていたのであるが、ポンカンのせいでこんな時期から「ガッチャン」とスイッチが入ってしまった。(^^;;;
罪な人たちだ。(^^;;;
今回の灯下の前にバカ話をしながらのカンの予想を紹介しよう。
食事をしながら、先週あ〜が1本目の外灯でコクワ4頭を採集した話をしたところ、カンがこんなことを言い出した。
「じゃあ、今日も4頭でええわ。3頭目まではコクワで4頭目はオオクワや。」
「時間は20:12にしとこか〜。」
「2頭目は22時くらいやな。」
実はちゃんとした時間は見ていなかったが、これがほぼ的中している。(^^;;;
他にもミヤマとか、色んなことが的中したのであるが、忘れてしまった。
コルリ採集のはずが・・・(^^;;;
ほんとに出来過ぎなのであるが、事実なのだからこうやって書くしか書きようがない。「事実は小説より奇なり」作り話だと出来過ぎてておもしろくないのだが、これが事実だというところがおもしろくて不思議だ。ポンカンと行くと、なぜかこういうことがたくさん起こる。やめられません、ほんとに。(^o^)
コルリ(原名):約80頭
コクワ:約20頭
ヒメオオ:1♀
オオクワ:2♀♀
ノコギリ:数♂♂
ミヤマ:1♂、1♀
スジ:轢死体
2001.6.18