01/5/19

山梨県、茨城県、千葉県

【新芽!】

すでに3回も下見をして、未だに結果の出ないトウカイコルリの新芽採集。トウカイコルリは本当に新芽採集はできないような気がしてきた。時期的にもどう考えても今がピークだし、発生してれば1頭くらい見つかってもよさそうなものである。

しかし、ここ3週でカケラすらも見当たらない。いるところには固まってるだろうなあ・・・という想像はできるものの、ポイントもわからないので、今のところ手も足も出ない状態だ。

しかし、ここまで来たら引き下がるわけにはいかない。今がピークと自分に言い聞かせて、めげずに今日も山梨へ出発してしまった。(^^;)

めちゃくちゃいい天気で、条件的には全く問題なし。とっても気持ちがいい。(^o^) 渋滞もなく、以前から目をつけていたポイントへ無事にたどり着いた。

絶好のコルリ日和

さあ、行くでぇ〜〜〜!


【歩く歩く】

2週間前に来たときには、どう見ても冬の景色だったが、すでに下の方の幼木などは完全に葉っぱが開き切っている。遠くから見るとまだまだ早いように思えるのだが、まだ芽が出ていないのはブナの大木の上の方だけだ。しまった!タイミングを逃したか!

車を置いて、重装備に身を包み、一人トボトボと山道を歩き始めた。早朝の山道で出会ったのは鳥か何かを撮っているおじさん一人だけだった。途中で「熊に注意!」の看板。こわ〜〜〜。(^^;;; 確かにこんなところで熊に襲われたらどうしようもない。一人の時は本当に怖い。

コルリというより、新芽を探して歩き回る。これが手の届く範囲には皆無だ。しゃれにならん。(;_;) 絶対に今がチャンスだと思っていたのだが、どうやら遅すぎたらしい。標高や気候などで樹木が芽吹く時期というのは全然変わってくるだろうし、同じエリアでも日当りなどによって新芽の出る時期もずれる。そして木が上から下まで一斉に芽吹くわけではなく、同じ木の上と下でも全然状況が違う。コルリのピークがどこに合っているのか・・・3週もボーズを続けると、考えれば考えるほどわからなくなってくる。木の上の方の新芽にピークが合えば、こちらは手も足も出ないなあ・・・などと考えながら山道を歩く。

上の方しか望みはない。(;_;)

いくつかの分岐点で迷いながら標高を上げていくが、相変わらず幼木は元気に葉っぱをつけていて、大木は上の方がいい感じの新芽だ。発生してれば下に落ちてきてるやつも1頭くらいいそうなものだが、考えてみたらこの山にコルリがいるかどうかも知らないのであった。(^^;;; ちょっと無鉄砲すぎる。

それでも山道をずんずん登っていく。いつまで経っても同じ状況なので、思い切って薮をこいでみることにした。道から外れて斜面をよじ登る。時々、材をチェックするが、こんなに歩いたのにルリ属の産卵マーク1つすら見つけることができない。ここには本当にいないのかも知れない。(^^;) いるところに行けばよかった・・・と思っても後の祭りだ。


【まだまだ歩く】

「いるところにはいる!」と信じて、薮をこぎながら尾根を歩く。たまにいい感じの新芽も見つかるようになった。・・・しかし、芽の中には外道すら入っていない。あ〜〜〜あ、何しに来たんだろう??? 素晴らしいブナの立枯れもあり、ルリなどの産卵マークを探すのだが、たったの1個も見つからない。思いっきり削ればアカアシくらいは出るかと思ったのだが、 そんな気にはなれない。この山にはクワガタはいないんだろうか??? 何度も谷を変えてみたが、結果は全く変わらずであった。

上の方に入っているかも知れないと思い、木を揺すってみたが、小さなコメツキが1コ落ちてきただけであった。(-。-;)

首が痛くなってきた頃、すっごい見晴らしのいい場所に出た。

南会津を思い出す

南会津を思い出した。新芽もたくさんあり、コルリが飛び交う様子がはっきりと思い描けた。コルリが集まるとしたらここしかないだろう。

新芽はあるものの・・・

しかし、近づいてみてもかけらもない。飛んでこないかなあと思って待っていたが、とうとう何も起こらなかった。あ〜あ。

この時期、南会津に行けばコルリがタコ採れすることもわかっているのだが、今年の目標はトウカイコルリの新芽採集だ。我慢我慢・・・と思いつつ、帰ってきたら「桧枝岐でコルリが採れた」なんて話を聞いてしまうに違いないと思い、ヘコんでしまった。

ちかれた〜

すっかり落胆して、またトボトボと歩き始めたのであるが、ふとツヤハダ材が目に入った。削れば絶対に出るだろう。でも今日はツヤハダなんか採りに来たわけではない。そんなエネルギーを使うのはやめよう。

・・・などと思ったのだが、疲れたので休憩がわりにちょっとだけ狙ってみることにした。

ほどなくミヤマツヤハダの♂が顔を見せた。フツーのサイズだ。

何でこんなもん採ってんねん。(;_;)

これも♂?

続いてかなり大型の♂が出てきた。サイズを測ってないのでわからないが、間違いなく20mmオーバーだ。

大型の♂

それから♀を2頭出して飽きてきたのでこの場所を離れることにした。

その後、山道を延々歩いたのであるが、とうとう新芽すらもほとんど見つけることなく終わってしまった。

すっかり葉が開いている

げっそりだ。


【別の山】

あまりにも情けないので、標高を上げて別の山に登ることにした。高いところなら幼木も新芽がいい状態かも知れない。

車でぐいぐい登っていくが、いつまで経ってもいい状態の新芽は見つからない。相変わらず幼木は開き切っていて、大木は上の方だけ新芽になっている。時期が早いのか遅いのか、それすらも区別がつかない。

それにしても、さっきから目につくのはヤナギだ。ここは夏に来たらすっごいおもしろいかも知れない。

山頂を越え、向こう側へ行ってみる。植生はまあまあだが、ちょっと人の手が入りすぎているような気もする。

あまりにも何もいないので、自分の腕に飛んできた外道の写真などを撮ったりする。今日も惨敗ムードが濃厚だ。

こんなもんしかおらんのか。(;_;)

脇道へ入っては行き止まりでスーパーバックといういつものパターンを繰り返し、何の植物かわからないが、いい感じの新芽を見つけた。

よ〜く見てみると、小虫もぶんぶん飛んでいてなかなか雰囲気がある。そして、ついに新芽につく小さな点が目に入った。サイズはばっちしだ。さあ、いよいよトウカイコルリか?それともコメツキ?カミキリ?カミキリモドキ?

写真を撮ろうとしたら、どっかへ飛んでいってしまった。(T。T)

あれは何だったんだ???(T。T) 写真なんか撮ろうとするんじゃなかった。そう言えば去年はこれでオオクワ採りそこねたっけ。(T。T)

帰りがけに薮をこいでみたが、結局産卵マークも見つけられずに終わってしまった。ほんとにここにはいないんだろうか?


【林道】

林道を1本見つけたので、果敢に攻めてみることにした。地図には載っていない。

何も見ずに行ったので、どこに繋がっているかは全くわからない。ただ、遠くに広葉樹の原生林が広がっているのは見えた。あそこがトウカイコルリのパラダイスぢゃ〜〜〜〜!と勝手に決めつけ進んでいくことにした。

それにしても道が悪い。こんなのではヒビの入ったフロントガラスは粉々に砕け散ってしまいそうな気がした。しかし、雰囲気的にはずっと奥の方まで道が続いていそうだった。しばらくは植林の脇を通る。ミズナラが多く新芽もあるのだが、目の届く範囲の葉っぱは開き切っている。

コルリはいないのか・・・

途中で沢沿いの日陰部分に素晴らしい新芽があったのだが、近づいて見てみてもな〜〜〜んにもいなかった。(;_;)

とても歩けないほどの距離を走り、ちゃんと戻れるかどうか不安になってきた頃、広葉樹の森が現れ、一気に期待は膨らんだ。しかし、ここでも目に見える範囲に新芽はない。

さっき見えていた「パラダイス」がいよいよ近づきつつあった。そこの角を曲り、ちょっと行けばいよいよだ。しかし、そこの角が近づいてきて愕然とした。それは曲がり角ではなく、道の終端であった。(T。T) 延々走ってきていたので唖然としてしまった。

仕方なく近くに転がっていた材を見ると、コクワかアカアシかの産卵マークがあった。ヒマなので削ってみたが、何も出なかった。

がび〜ん!(;_;)

茫然として、そこから引き返すことにした。これまで走ってきた道のりを考えると気が遠くなる。

途中の山道を歩いてみた。ヤナギが何本もあったが、新芽のたぐいは皆無だ。ここは夏が楽しみかも知れない。

夏に期待しよう

延々と時間をかけて、やっと林道の入口まで戻ってきた。やれやれ、助かった。


【さらに別の山】

とうとうここまでトウカイコルリを1頭も見つけられずに来た。間違いなくタイミング的には採れる時期だと思う。いるかいないかもわからない場所でたっぷり時間を使ってしまったのは失敗だった。もう一ヶ所だけ行こうと思うのだが、一度自分でトウカイコルリを採集した実績のある山にするか、ここ3週間ほど下見を繰り返してきた山にするか、とても迷った。確実に採れる場所に行こうと思ったが、結局やめることにした。理由は遠いからだ。(^^;)

いるかいないかもわからない山の方にチャレンジだ。3週も下見したのだから、やっぱりこっちに行っておくべきだろう。いてくれよ〜〜〜〜!

先週来たときは、まだツボミも硬かった山頂付近は、いつの間にか一気に葉っぱが開いていた。先週とは全然風景が違う。1つ1つの芽を丹念に見ていくが、な〜〜〜〜〜んにもいない。

また1匹だけ上の方で何か新芽についている小虫を見つけたが、これが何かは遠すぎて全くわからなかった。写真を撮ろうと構えてみたのだが、あっけなく飛び去ってしまった。(T。T) 本当に今年はトウカイコルリに縁がない。

結局、行き着くところまで行って、何も結果が出なかったので、山を下りることにした。はっきり言ってもう疲れた。

長靴をサンダルに履き替えリラックスだ。ふぅ〜〜〜〜。

なかなかいい状態

峠を車で下って行く。当然、新芽を探しながら運転するのだが、あるエリアにさしかかったところ、ブナがとってもいい感じで開いているのが目に入った。大木であるが、斜面の関係で目の前に新芽がある。車を降りてサンダルのままで見に行った。

思いっきり舐め回すように見てみたのだが、やっぱり何もついていない。諦めて帰ろうとしたのだが、一番手前の芽の先に何かがついているのが見えた。芽の裏側なのでよく見えないのだが、触角がクワガタに見えた。急に脈拍が上がってきた。

そのままわしづかみにしようと思ったのだが、おバカなあ〜さんはここでデジカメを取りに慌てて車に戻るのであった。(^^;)

デジカメを取ってくると、そいつはまだ葉っぱについていた。落としたり飛ばれたりすればいっかんの終わりなのだが、デジカメの電源を入れ、マクロモードにして構えてみる。全然ピントが合わないので、思い切って葉っぱを引き寄せ、被写体がレンズに入った瞬間に素早くシャッターを切り、被写体が何かも確認しないままでそーっと手の上に落としてみた。

これは!!!

トウカイコルリだった!\(^O^)/

何かもわからないで写真を撮り、手の上に落ちてから確認するなどというややこしいことはコルリくらいでしかできないだろう。ここまでこだわった理由はトウカイコルリが新芽で活動する写真を見たことがなかったからだ。これの写真を撮ってみたいというのが目標だった。

あとで見てみると、思いっきりピンボケ。(^^;;; まあ、仕方ないだろう。よく落とさずに撮れたと思う。こんな状態で撮るのも採るのも難しい。

あ〜史上初トウカイコルリ新芽採集固体

それから周辺をさんざん探し回ったのだが、結局見つかったのはこの1頭だけであった。いやいや、本当に採れて(撮れて)よかった。(^o^) たったの1頭で思いっきり満足したが、おそらくこのエリアでは発生初期だと思う。

これからが本番か?

他の山は終わっているかも知れないが、この山に関しては1週間後あたりがピークになるのではないだろうか?


【大移動】

さて、4週間がかりで手にしたトウカイコルリであるが、ここから茨城へ大移動をかけることにした。今日は暑い。

しかし、八王子あたりで思いっきり大雨になった。こんな視界ゼロの雨は珍しい。

はぁ。(-。-;)

途中で何度も渋滞を通過しながらようやくポイントまでたどり着いた。途中であいあんさんそっくりな車とすれ違った。あいあんさんも檜枝岐でコルリを採りまくってることだろう。

何度か下見してきたポイントだが、これまで成果はなかった。今日も期待せずに行ったのだが、とうとうここにもコクワが徘徊しはじめていた。

コクワが徘徊している

4頭のコクワがペタペタとついているのを確認し、ちょっと満足した。しかし夜でもスズメバチがバリバリに活動している。

あ〜こわ

こいつばっか

少し離れたポイントで洞から頭を出すクワガタの姿を確認。ここは去年クワ道さんとたまちゃんがオオクワの♀を逃がした木だ。一瞬ヒラタに見えたのだが、オオクワにもコクワにも見える。厄介なヤツだ。写真を撮ってみたが、全然わからない。

左に見えるこいつは何?

思い切って、こいつに登ってみることにした。手前のブッシュにつかまり、枝に手をかけようとしたが、枯れていたのでポキンと折れて真っ暗な中を一気に下まで落ちてしまった。何も見えない中で落ちるというのはとっても怖い。地面がどこにあるかわからないので、着地のタイミングもつかめない。時間が止まったように思えた。思いっきり右半身から着地して肩を強打してしまった。雨上がりだったので冷たい。(T。T)

当のクワガタさんは、のそのそと奥の方へ引っ込んでしまった。あれは何だったのだろう???


【さらに】

さらに近くのポイントへ移動。この時期はクヌギよりも圧倒的にコナラの方がいい。樹液の関係だと思うが、クワガタがついているのは全部コナラだ。

何本もクヌギはあるが、ここでもコナラについているコクワの方が多かった。去年見つけた有望なコナラでは、羽化直後の白いゴキブリがいただけだった。(-。-;)

ところが、1本のナラの木を見上げた瞬間、明らかにコクワとは違うツヤの甲虫が目に入った!!

ん?

かなりびっくりしながら、例によってデジカメで写してみる。

(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)

アップしたらコカブトだった。(T.T) こいつには去年の夏からやられっぱなしだ。冬の材割で栃木でもびっくりしたことがある。しかし、木についているのを見たのは初めてかも知れない。

冬に見つけておいたポイントにも行ってみたのだが、こちらは完全なるボーズであった。まだ早い?


【千葉へ】

これまでの下見の結果が出る季節がいよいよ近づいてきた。クヌギを中心に夜回りだ。それにしても元気だ>あ〜 主要な洞にはほとんどコクワが入っている。わざわざ引きずり出すのも可哀想なのでほっておいたが、今日こそはオオクワに変わっていてくれるだろうという期待は見事に裏切られている。まあ仕方ないか。(^^;)

こうやって、今回の旅は終了した。


今回の成果

コクワ:数♂♂

ミヤマツヤハダ:3♂♂、2♀♀

トウカイコルリ:1♂


2001.5.22