01/4/7

山梨

【ホソツヤルリ】

最近みんなの採集記を見ていてよく出てくるクワガタの名前だ。あ〜はこれを採るのが下手くそだ。みんな新しいポイントにチャレンジしては結果を出して帰ってくる。いつも「すごいなぁ」と指をくわえて見ているだけなのだが、突発的にこれを採集してみたくなった。んで、山梨に行ってみることにした。

朝の首都高はすでに渋滞が始まっている。駐車場状態だ。

(−。−;)

しかし、中央道下りの渋滞には早かったらしく、都心環状線を抜けるとすいすいと山梨まで行けた。なんだか山梨も久しぶりだ。11月以来か。

一般道を走ると、今度は遅い車のせいで渋滞?が起こっている。制限速度渋滞なんてものではない。先頭の車は20km/h以下で走っている。その先がガラガラなのが見えてるだけにとってももどかしい。写真まで撮ることができるほどの遅さだ。

はよ行け〜〜〜!

ようやくこいつから解放されて山道を登る。雪による閉鎖が問題だったのだが、ゲートは閉まっていない。ラッキー! 途中で雪の残ってる場所もあったのだが、難なく山頂近辺までたどり着くことができた。以前、小型種狙いでここに来たときはクワ道さんがミヤマツヤハダ1頭、あ〜がルリ1頭という結果に終わった。果たしてホソツヤは採れるのか?


【採集開始】

前回採集したあたりで車を止めて山に入る。ものすごい陽気だ。山の上でも15度もある。はっきり言って暑い。

天気はいいぞ!

薮をこいで斜面を登ると、前回は気づかなかったが、なかなかの風景が広がっている。材はふんだんにあるように思われた。

さっそくホソツヤが産みそうな材を探してみた。細い枯れ枝部分にベタベタと産卵マークがついている。

ホソツヤ?

おっ!これは案外あっさり採れるかも?

多分ホソツヤだと思う。しかし、マークばっかりで何も出ないのもホソツヤだ。食痕すら出てこない。全く話にならなかった。

さらに薮をかき分け材を探す。またまたいい感じで産卵マークがベタベタとついている。すごい数だ。ルリかホソツヤかわからないが、どっちに近いかと言えば絶対ホソツヤに近いと思う。同じような枯れ方をしている幹の部分には全くマークがない。

しかーし・・・・

これもわずか1本の食痕を見つけただけに終わってしまった。

いつものことながら、最初の1頭を採るのに時間がかかる。何も採れないような気分になってきた。それにしても今日は暑い。

これだけ見つけてた産卵マークも全くどこにも見られなくなった。あーあ。

仕方なく斜面を変えてみることにした。

稜線を越えた瞬間に、また一面の雪景色が現れた。ここだけは冬だ。

雪景色

その雪景色の中に「いかにも」というツヤハダ材がそそり立っていた。仕方ないから、ここでミヤマツヤハダでも狙ってみるか。ホソツヤは一時中断だ。

ツヤハダ材

当たり前のようにミヤマツヤハダの死骸が1コ出てきた。そして、いつものパターンだ。あっさりとこの材は捨てて、次へ。

いかにも死骸が出そう。(^^;)

ホソツヤ材を探し回ったが、斜面が悪いのか、全然見当たらない。どうしようもないので、しばらくミヤマツヤハダ狙いで歩いてみることにした。

狙った材には確実に形跡はあるのだが、ことごとく死骸だ。

直径15cmくらいのショボい材で唐突に♂が出てきた。なぜかショボい材の方が生きた虫がよく採れる。めっちゃ小さい♂だが、ミヤマツヤハダの特徴はそれなりに出ていたので満足だ。

これが♂か。(^^;)

♂らしい。(^^;)

これにてツヤハダ採集は終了!さあ、気を取り直してホソツヤ行ってみよう!


【登る登る】

ミヤマツヤハダが採れたあたりから、さらに標高を上げてみることにした。細い木が目立ち始め、何となく植生も変わってきた。

最近倒れたばかりに見えるやや細目の木の枝の部分に、久々にルリ属の産卵マークを見つけた。ルリ?ホソツヤ?かなり微妙だ。

久々の産卵マーク

悩むヒマもなく削ぎ始めた。おびただしい産卵マークであるが、さっきと同じように食痕すら出てこない。かなり粘ってみたのだが、全くダメであった。あーあ。(-。-;)

これで何もいなかった。(ーー;)

さらに上へ。暑い暑い。薮をこぐのも大変だ。

材を探しながら登ったのだが、1本も目ぼしい材が見つからないまま行き着くところまで行ってしまった・・・

アウトだ。

仕方なく、ここを諦めて下りることにした。車まではかなりの距離があるので、トウカイコルリなども狙いながら歩いたのだが、結局な〜〜〜〜〜んにも見つからないまま車に着いた。(-。-;)

車の中は猛暑であった。買っておいたお茶が思いっきり温かくなっている。夏じゃん!!(^^;) 思わず冷房を入れてしまった。


【移動】

これまで全然気づかなかったのだが、ここには1本の脇道があった。夏に気づけばよかった。

ここを登ってみることに決めた。

途中で雪の全く解けていない場所もあり、ギアをローに入れても思いっきりスリップしてしまった。ここは怖い。(^^;)

上の方まで行ってみたのだが、ほどなく道は行き止まりになり、引き返さざるを得なくなってしまった。途中で車を降りてルッキングを繰り返すものの、産卵マークのかけらすら見つけることができない。(-。-;)

仕方なく山を下りようとさっきの雪の場所を通過する。登るときに苦労したので、かなり慎重に運転した。ギアをローに入れ、ブレーキを踏まないようにしたのだが、なんか思いっきり加速している。(;_;) 怖くなったので、軽くブレーキをかけてみた。

その瞬間、ガガガガガ・・・という音とともに全く制御が効かなくなり、車は意志とは全く違う方向に走り始めた。

うわっうわっ!!

どこまで行くかと思ったが、60度くらい横を向いたときに何とか車は止まってくれた。

ほっ!!

ものすごい長い時間に感じられたが、一瞬のできごとだったのだろう。汗が一気に吹き出してきた。

落ち着いてギアをバックに入れ、抜け出そうと思ったのだが、車はビクともしない。(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)

やっちまった。(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)

途方に暮れるところだが、ここであ〜が一番最初に何をしたか???

 

そう、デジカメを持ち出したのだ。

頭が真っ白な状態で、こんなシーンを「オイシイ」と思う自分はいったい何なんだろう???(^^;;;

写真を撮ってひと安心して、ここからどうやって脱出するか考えた。

写真で見ると大したことない

まずは、タイヤの状態を確認する。後輪は雪には埋まってないのだが、前輪がヤバいことになっている。

思いっきり雪の中に埋まっていて、何かをかませることもできない。(;_;)

雪もカチコチだったのだが、ここで車から持ち出したのは、ず〜っと使わずに眠っていた「採集名人無限大」というオノだ。 自分たちで開発したこのオノは、開発した本人が全く使わないまま放置されている。こいつで一か八か雪をけ散らすことはできないか?

無限大オノもまさか自分が雪を削ることになるとは思わなかっただろう。さすがに威力のあるこのオノは、見事に雪を割ってくれた。オオクワでも出ればよかったのだが、残念ながら顔に雪が飛び散っただけだった。

一通り雪を散らしてもう一度エンジンを吹かしてみる。

・・・・動いた!!

やった〜〜〜〜。\(^O^)/

脱出だ。はっきり言って足が震えていたが、何とかこの場をしのぐことができた。いいオノだ。(^^;;;

それにしても、道の横に余裕があったから助かったのだが、これが数メートルずれていれば横はガケであった。あそこで滑ったら・・・などと考えるとぞっとしてくる。


【もう一回チャレンジ】

林道の途中で車を停めて、もう一度ホソツヤにチャレンジしてみることにした。

薮をこいで雪の上を歩く。相変わらずツヤハダ材は多く、ちょっと気合を入れて削ってみると・・・

なんやねん、お前ら。(T.T)

これは全部オサムシ。(ーー;) ふざけるな!

お口直しに横に転がっていたショボい材を削ってみた。

ショボい材

隣のデカい材からは死骸とオサムシばかりだったのに、こっちからはちゃんと生きた♀が出てきた。不思議なヤツらだ。

ミヤマツヤハダ♀

続いて大型の♂も出てきた。

追加で♀。こんな菌のあるところでも生きているらしい。

生きていた

その後、ホソツヤ材を求めて山を半周ほどしてみたのだが、とうとう産卵マークすら見つけられずに終わってしまった。

まだ13時だったのだが、あまりの空腹に耐えられず、山を下りることにした。何かを腹に入れてから別の山に登ってみよう。


【うぅ・・】

腹を満たして別の山に向かう。

相変わらずの制限速度渋滞だ。やってられない。

そしていよいよ目的の山へ分岐・・・というところでゲートが閉まっているのを見てしまった。(×_×)

ここで挫折。あ〜の根性では、みんなのようにホソツヤを採ることはできないだろう。

すっかりヘコんで温泉に入って終了となった。

温泉もずいぶん久しぶりのような気がするなあ。


今回の成果

ミヤマツヤハダ:2♂♂、3♀♀


2001.4.9