00/11/11

中部地方

【ビョーキ】

当初の計画では、今日はクワ道さんとr.matsudaさんと神奈川の山に登る予定であった。しかし、前回の中部の採集から、ずーっと頭から離れず、中部に行きたい気持ちはどんどん大きくなるばかり。カンも書いていたように、頻繁な採集記の更新は欲求のかたまりだった。

カンも行ってみたいと言うし、るどるふさんも行けるというので、当初の計画をねじ曲げてクワ道さんも強引に連行することにした。(^^;) ということで、今回はクワ道さん、たまちゃんポンカンるどるふさんという豪華メンバー(?)で乗り込むことになった。

クワ道さんとたまちゃんは、相変わらずの猛烈なパワーで前日から現地入りしてオオクワの新規開拓を敢行するという離れ業をしようとしていた。したがって現地集合だ。(^^;) るどるふさんとあ〜はポンカン邸に5時半に集合することにした。ところが、気合が入り過ぎて到着したのは5時ジャスト。ポンカンは寝ているかも知れない。(^^;) ところが前を見ると見覚えのある車が停っている。るどるふさんだ。なんとるどるふさんは4時半くらいには着いていたらしい。(^^;)

ポンカンに電話をしてすぐに支度をして出てきてもらうことにした。るど号に4人で乗って出発だ。交通量が多かったものの、あっという間に到着。コンビニで買物を済ませ、さっそくポイントへ向かう。途中の気温の表示計を見ると、なんと2度であった。完全に冬だ。


【山登り】

今日は楽な採集をしたかったので、いつも最初に行くポイントはやめておこうか・・・と言っていたのだが、結局いつものように山登りから始めることになった。とりあえずは、軽く準備運動のつもりでちょっとだけ寄ってみようという感じだ。

すっかり紅葉も終わって完全に冬の様相を呈している。外は寒い。

今日の狙いは小型種全部とヒメオオだが、第一目標はマダラだ。(^^;)。マダラ材を探しつつ、他のものが狙えれば狙っていく。

準備運動ということで、山に登らずに手近な材をちょっと割るだけにしようと思い、最初に目についた材を叩いたみた。ツヤハダを狙ったのだが、出てきたのはオニの幼虫であった。いっぱい出そうな気がしたのでやめた。(^^;)

そうしているうちに、みんながいなくなった。山に入ったのかも知れない。あ〜も前回削り残したルリ材を削りに登ってみるとこにした。急斜面なので、すぐに疲れてしまう。今日はゆっくりあの材を削れるのでルリもたくさん採れるだろう。途中で休み休み、ツヤハダやマダラを狙いながら登っていく。コルリ材もふんだんにあって、おびただしい産卵マークがついているが、幼虫しか出ない。そもそもコルリなど狙う気がしない。コルリ材には必ず変な外道が入っていて、そいつらを見ただけで削る気が失せてしまう。当然だが割り出す数は皆無に等しい。早くルリ材を削りに行こう。

ところが、今日もその材を見つけることができない。目印がないので山の中では全然わからない。迷っているうちにカンに会った。こんなところまで登ってきてたのか。(^^;) カンはルリを1頭出していた。そういえば、あ〜はまだ成虫ボーズだ。(^^;) いろんなものを狙って目移りするので腰を落ち着けて削れない。

カンはヒメオオとツヤハダを出したがっていたので、あ〜が5月に両方出した沢に降りてみることにした。方向感覚には自信があるので、カンを引き連れて薮の中に突入した。準備運動のつもりが、過酷な薮こぎになってしまった。細い木が密集していて、枝が容赦なく頬を打つ。痛い。(ToT) トゲのある木がぷちぷち刺さってくる。痛い。(ToT)

こんなとこ歩くか〜。(^^;)

とにかく歩きづらい。そして、方向が全然わからなくなった。実は迷っていた。(^^;) カンも顔に何度も枝の直撃を受けてヘコんでいる。すま〜ん。>カン (^^;)

どうしようもなくなって気が遠くなったが、

「あの沢を目指せば何とかなる!」

と、かなりの時間をかけて沢に降りることに成功した。めっっっっっっちゃ疲れた。

沢を下っていくと、やっとヒメオオを出した木にたどり着いた。全然薮こぎせずに行ける場所であった。(ToT)

ぶっとい立枯れでかなり硬かったのだが、時々幼虫も出るようになった。アカアシとヒメオオだろう。

「この木をひっくり返してミヤマを出すぞ!」

と半ば冗談で言いながら大木をひっくり返した。そっちはカンに任せて残った部分を削っていると、

「あ〜ちゃ〜ん、幼虫出たでぇ〜」

とカンが呼ぶ。見てみるとでっかい頭がのぞいていた。すぐに写真を撮って、取り出しにかかることにした。さあ、こいつは何だ?小枝を噛ませて引っ張り出してみると、けっこうデカい。顔を見て一撃でミヤマだとわかった。

ミヤマ幼虫の顔

ほんとにミヤマが出るとは思わなかった。(^^;) びっくりだ。ミヤマの幼虫の写真はなかったので、久々に幼虫アップ写真を撮影した。

すわりダコ

この木からスジの幼虫も出して、成虫ボーズのくせに早くも二人で7目を達成した。(^^;) 内訳は、ルリ、コルリ、オニ、ミヤマ、スジ、アカアシ、ヒメオオである。

それからツヤハダ材に移動したが、出たのは死骸のみ。それにしてもヤバいペースだ。このままいくと今日はボーズかも知れない。(^^;) かなり不安になってきた。

峰に登り再び沢に降りると、ようやくポンに出会った。久しぶりだ。るどるふさんがツヤハダの当たり材を見つけていっぱい出したという。カンが果敢にそれにチャレンジするというので、見に行くことにした。

るどるふさんの当てた材は、「いかにも」という感じのツヤハダ材だ。確かにこれならタコ採れするはずだ。頑張るカンを残して、あ〜は別の材を探しに行った。

また山に入り、誰も削らないような細い倒木をツヤハダ目指して削ってみると、あっさり♀が出てきた。これがやっっっっっと本日1頭目の成虫だ。

ツヤハダ♀

カンもめでたく♂を出したらしい。車に戻ってみると、るどるふさんがルリ、コルリ、ツヤハダをたくさん採っていた。これはさすがだ。さんざん疲れた準備運動だったが、ようやく次の場所に移動することにした。


【ルリ】

これまで何度か走って下見をして、なかなか行けずにいた場所にやっと行くことにした。環境としては申し分ない。さあ何が採れるのか?

準備完了

まずはツヤハダを狙って倒木を叩く。硬い。すぐに諦めた。(^^;)

次にカンとヒメオオを狙って立枯れに挑む。ナタを入れようとした瞬間にルリの産卵マークが目に入ったので、振り上げたナタを下ろして、急遽「こそぎ」に切り替え。(^^;) 表面をこすっていく。フンは出るものの、肝心の獲物がいない。やっとの思いで出した成虫も二人で1ペアを★にしてしまった・・・

今日はダメだ。

またツヤハダを狙って大木を叩くと、出てきたのはオサムシ、マイマイカブリ、スズメバチ、クマバチ、クモ、アリ、オサムシ、オサムシ、オサムシ、そしてオサムシであった。(ToT)

いいとこなのに・・・

ちょっと先まで行って戻ってくると、今度はるどるふさんがその魑魅魍魎の材と格闘していた。とりあえず、反対側の斜面に登ることを決断して川を渡ることにした。

斜面に登る前に、川のそばにあった立枯れが妙に気になったので立ち寄ってみることにした。立枯れといっても、川の上に倒れ込んで横になっている。

こんな材でルリなんか出してしまったら削りにくくて仕方ないなあ・・・

などと思いながら擦ってみると、いきなり出てきた。(^^;)

第一刀で

どーしてこういう時に出るかなあ。(^^;)

この材はルリが最も好む状態だとあ〜が勝手に思い込んでいる朽ち方をしている。もしかすると久々のルリのタコ採れになるかも知れない・・・と思い、ちょっと慎重に削ってみた。次から次へと蛹室が現れ、キラっと光る。

軍手の繊維をつけた♂。(^^;)

削るたびに出てくる!

頭を出す♂

一気に3頭!

上・中・下で一気に3頭だ。いくらでも出てくる。

色の違う♀。(左・中)

別の角度からアップ

銅色の♀と黒い♀が同時に出てきた。

そして、また一気に3頭が姿を現した。

 一気に3頭・第二弾!

う〜〜ん、満足だ。

それにしても、川の上で石ころに足をかけての採集はしんどい。(^^;) 3分の1も削ってないが、足が痛いので今度にすることにしよう。

あ、また出た。(^^;)

なんぼでも。(^^;)

ほんとにもう終わりにしよう。(^^;)

あ、また。(^^;)

♀@立派な蛹室

ほんにこれで終わり!!

結局この1本で15♂9♀が採れた。まだまだイケるはずだ。

ルリ@コルリ状態

川を渡るのに橋まで大回りするのが面倒だったので、長靴でぢゃぶぢゃぶと渡ることにした。ところが中に深い部分があって、もろに長靴の上まで水がきてしまった。つめた〜〜〜〜〜!(;_;) 慌てて進もうとすると、反対の足も同じ状態になり、一気に渡ろうとすると水が跳ねてジーパンごとずぶ濡れになってしまった。(ToT) この寒いのに水浴びだ。アホか!(ToT)

そんなアホをやっている間にクワ道さんとたまちゃんが到着!!なんと雪道を走ってきたらしい。みんなも帰ってきたので次の場所でみんなで虫を取ることにした。


【足が冷たい】

クワ道さんは一目散にツヤハダ材を探しに消えていった。たまちゃんはオオクワ狙いで大木を削る。削りカスを見ると、ものすごい数のルリの産卵マークがついていた。(^^;) 「小型種は性に合わない」というたまちゃんにちょっとだけルリ採集を教えてあげた。ちょっとだけというのは♀が1頭しか出なかったというのもあるのだが、性に合わないというのもよく理解できるからだ。強要するわけにはいかない。

しかし、あんなにオオクワだけで走っていたあ〜がこんなことをしているのだから、たまちゃんも小型にハマる素質はあるだろう。あ〜だって図鑑や昆虫雑誌を見ても、必ず小型種のところは読み飛ばしていたし、ホームページも同じような見方をしていた。だからこのページも小型種が増えてきておもしろくないという感想をお持ちの方も多いのではないだろうか?その気持ちはたいへんよく理解できる。しかし、材を削って成虫が出てくるのはヤナギ病にも似た不思議な魅力がある。あ〜が小型種を語るには100年早いが、それなりに楽しんでいる。

道っちゃん見っけ!

パっとした成果が出なかったが、ツヤハダのアパートを発見した。ツヤハダだけは、ほんとにどこにでもいるヤツらだと思う。入っている材もさまざまだし、固定観念さえ持たなければいくらでも採れる。

まいど〜!

完全にツヤハダに食い尽くされた大木で、穴ポコだらけになっているのだが、それでも不思議なことにまだ出てくる。(^^;) ここには果たして述べ何頭のツヤハダがいたのだろう???

♀の上の蛹室内にもう1頭

途中でやめたが、ここから出たのは3♂♂4♀♀であった。完璧に握力もなくなり、オノを飛ばすようになった。(^^;) カンもビビりまくっている。そろそろ限界だ。足も水浸しで冷たい。(;_;) さすがは長靴、水を通さない。中に入った水はしっかりとキープされている。(;_;)

材にささったピッケル部分が抜けなくなり、格闘しているとスポっと抜けた拍子で反対のオノの部分が口にヒットしてしまった。痛い。(ToT) 小型種採集は過酷だ。


【もういっちょ】

完璧に終了モードに入っていたが、最後にもう一ケ所見てみることにした。水浸しの長靴で山に登る。あまりやる気がなかったので、ほとんど削らずに反対側に下りた。このあたりは方角によって全く植生が違うのでおもしろい。せっかくひと山越えたのだから何か採りたいと思って探すのだが、あるのは産卵マークばかり。これはハンパな数ではなかった。

実は朝からマダラばっかり狙っているのだが、全然採れない。早くヤツらを励ましてやらなければ、また落ち込んでしまう。(^^;) マダラばかり探していたので、けっこう無駄な時間を過ごしてしまった。まあ、これはいつものことか。(^^;) ホソツヤも棲息していると、あ〜は勝手に決めつけているのだが、そんなところまで見る余裕は全くない。ホソツヤはいつもそんな感じで後回しになる。

でっかい産卵マーク

ルリのマークに混ざってドルクス系の産卵マークを見つけた。これはヒメオオ?アカアシ?

完全に疲れ果てて車に戻ると、クワ道さんがなんとコクワを出してきた。(^^;) なにもこんなところで出さんでも。(^^;) とにかく何かやってくれる。これで今日は9目採れたことになる。マダラさえ出れば10目だったのに。(^^;)


【終わり】

やっと長靴を脱げる時がきた。温泉だ!!(^o^)

服を脱ぐと、削りカスがバラバラと床に落ちる。(^^;) サウナに入って、湯に浸かると完全に魂が抜けてしまった。何の気力も残っていない。めっちゃくちゃ疲れた。帰り道も半分意識がなかったが、今日は運転手ではなかったので助かった。(^^;) るどるふさんはツラかっただろう。

小枝にビンタを食らったり、泳いだり、口をオノで叩いたり、相変わらずのずっこけぶりだが、みんなとの採集はやっぱり楽しい。


今回の成果(全員分)

コクワ:2♂♂

スジ:幼虫

アカアシ:幼虫

ヒメオオ:幼虫

ミヤマ:幼虫

オニ:幼虫

ツヤハダ(原名):12♂♂、12♀くらい(^^;)

ルリ:27♂、20♀♀くらい(^^;)

コルリ:1♂


2000.11.12