2003年夏をふり返って


2003年の夏も終わった。いつもなら居残りのノコを追いかけて、その姿が確認できなくなってから夏を〆るのであるが、今年はそれを追いかけることもなく終わってしまった。ちゃんとした区切りが何もなかったのであるが、季節も変だったので仕方ないかも知れない。

日本シリーズも終わったので、一旦夏の〆をしておくことにしよう。


【季節について】

異常気象という言葉を聞き始めて久しいが、今年は特に変だった。

春先から季節の進行は平年並みだと思っていたが、人によっては「早い」と言い、人によっては「遅い」と言う。ここまで来たら自分の経験から判断するしかないので、今年はつとめて情報を耳に入れないようにしてきた。

やがて梅雨明けの季節を迎えるが、今年はいつまで経っても梅雨が明けなかったのはご承知の通り。今はわかりきったことでも数年後にすぐに思い出せるように記しておこう。

自分はラッキーなことに中部地方梅雨明けの日に現地にいたので、梅雨明け独特の抜けるような青空を満喫することができた。しかし多くの人はお盆休みも延々雨に祟られ、ロクな休みにはならなかったようだ。

異常気象なのか、地球がこういう状態になってしまったのかわからないが、高山帯のクワガタは目に見えて変化を来たしている。この先どうなってしまうのか?


【高山帯のクワガタについて】

もう何十回も書いたが、今年の夏は恐怖心との闘いで終始した。

精力的な活動は一切慎み、ひたすら守りに入っていたような気がする。新たな場所にもほとんど行かず、クワガタを見つけても網よりデジカメを持ち出す始末である。

上にも書いたが、特にヒメオオとアカアシについては数が減っている。これは周期の問題か、絶対数が減っているのか判断できないが、4年前あたりから見ていて明らかに数が減少している。生息域が変化している可能性もあるが、年を追うごとに半分・半分・半分・・・と減少しているイメージがある。

ヤナギで採集したアカアシが一桁という珍しい年となった。

採集者の影響があるかどうかも定かではないが、採集圧の高い場所は避けているので本当に減っている可能性も高い。

今年ほど高山帯のクワガタに執着しない年も珍しかったが、去年まででひと通りの都県で採集実績を作ったため、執着心も薄らいだものと自分では分析している。


【オオクワガタについて】

数ヶ所ものポイント消滅により大苦戦すると思われたオオクワガタ採集であるが、恐怖心の影響で今年はある程度メジャーなポイントを何ヶ所か回ったため、大惨敗というほどではなかった。本来の自分の活動内容とはズレているが、今年はやむを得ない。

関東地方某所で思いのほか多くのオオクワを見つけたため、オオクワハングリー度は下がっていったが、久しぶりに大歯型のオオクワも採集でき、♂・♀ともに自己ギネスを更新できたのでそれなりに成果はあった。

♂の自己ギネスを更新したのは実に最初に採集したオオクワ以来である。

その後、初の山形産、宮城産、岩手産を採集し、最後に久しぶりに福島での採集もできたが、今年は特に車に轢かれたものや天敵に襲われた後のオオクワを例年より多く見つけたように思う。

この夏だけで7県でのオオクワ採集に成功したものの、あまりにも♀の比率が高かった。

来年恐怖心が克服できればまたいつもの惨敗に逆戻りするものと思われる。


【夏の終わり】

あ〜夏休み!終了後、早くも夏が終わったものとしてほとんど行動しなかった。

ちょっと動けば大雨に祟られ、なかなかテンションを上げることができなかった。決して満足度が高いわけではなかったが、実に執着心の低い夏であった。


2003.10.28