採集が出来ないのは諦めるとして、娘達に夏の思い出を作ってやれないのは可哀想なので、いい歳こいても甘えん坊の私は「孫達は預かった。顔が見たければ旅費をよこせ!」と両親を脅かしたら、速攻で航空券を送ってきた。 おまけに洞爺湖(頑張れ!)のホテルも予約してくれた。 (^^;)
と言う訳で、家族旅行&スキあらば採集してしまえ!の「夏の北海道、下心でいっぱいの旅」へと出掛けるトナ一家でありました。
空港から実家へ行くバスから植生を観察してみた。 本州に比べると、沢山の広葉樹が伐採「されていない」ことが確認できました。 そんでもって、子供の時から知っていたけど、海のそばでもシラカバが生えている事を再確認できた。
んで、夜。 私の両親および兄弟は皆のん兵衛なので、客(私の家族ね)が来ている時は、酒を飲まない事はほとんどないんですよ。 という事は灯火採集に出掛けられないって事ですね。 でも、我が家は山の方なのでクワガタが飛んできても不思議じゃありません。 たまたま、コンビニへ蚊取り線香を買いに行かねばならなくなったので、歩きながら水銀灯をチェックして行くのでした。 でもねぇ、蛾ですらほとんど飛んでいないんですよね。 せいぜい、小型のコガネムシを2匹見かけただけでした。
水族館へ出掛けた。 敷地内にシラカバが植えていあったので、ルッキング&樹皮や洞などを覗きこんだけどアリンコだけだった。
やっと3時間だけ採集してきても良い事になった。 じいちゃんを職場に送りに行ったその足で、去年、発見したヒメオオポイントに向かいました。
林道入り口で仕事をサボって昼寝をしているおぢさん2名を乗せた車の横に停めて、採集スタイルに変身。 もちろん鈴を胸に付けた。
んでんで、林道へ突入! 去年は霧と小雨だったから、採集数が少なかったんじゃないか?と思っていたので、今回はヒメオオざっくざくの予定であります。 林道の入り口に近い柳にはスズメバチを発見できたので、クワガタたちもきっといるに違いないと安心する私。 去年、ヒメオオを捕まえたポイントに到着してみましたが、ぜーーんぜん付いていません。 標高を PRO TREK で調べてみるとなんと340mと表示されております。 誤差を考えても300m〜400mか? このエリアでは、とてつもなく標高が低いところにもいるんですねぇ。
で、別の林道へ行ってみるか?それとも標高が上がる事を期待しつつ、奥へと突き進むか迷いましたが、このまま突き進む事を選びました。
んで、コナラ(ミズナラ?)、ヤナギの仲間、シラカバ、ダケカンバ、など、付いていそうな木はかたっぱしからルッキングしていったのですが、まるっきり見つける事ができないまま1時間半くらいたったでしょうか。 かなりあせって来た所で、クモのようなクワガタを発見しました。 こいつはヒメオオ100%だな!と確信しましたが、バックが樹皮であったのと、クワガタ自体が泥で汚れて良い保護色の見本となっておりました。 ほとんど見落としてしまいそうだったのを見つけられた事に関心ししつつ、地上3mくらいかな? 持ってきた1mちょっとのアルミの捕虫網でグリグリ刺激しながらネットインさせようとしましたが、こいつは落ちる気配がないどころか、上へ下へと逃げまくります。 (^^;) 方針を変更して、手の届く所まで歩かせて、とっ捕まえました。
それにしてもギネス級に小さい! 家に帰って測って見たら27mmの♂でした。 (^^;)
木をガンガン蹴飛ばしましたが、がっちりしがみついている。 今度はネットの柄の部分を投げてみましたが、ぶつかるわけもなくすぐにこの作戦は諦めた。 ちょっとやそっと揺らした所じゃ落ちてこないので、これでもかっ!これでもかっ!ってくらいに木を思いっきり揺らしましたら・・・・・・
どっかにふっ飛びやがんの。 (T_T)
地面に手がつきそうなくらいがっくり肩を落としたまま、奥へ奥へと進みますが、林道はゆるやかなUP&DOWNを繰り返してまして、標高が全然高くなりません。 大きなスペースが空いた所で引き返す事になりました。
こ・こ・こ・ここで出てくる大型哺乳類といえば、ヒグマ、シカ、ちょっと小さいけどキタキツネか。 ひょっとするとムツゴロウさん? (^^;)
音の大きさからするとキタキツネはまずない。 林道わきの大木には熊が付けた爪跡がなかったから熊じゃないよな、お願いだからシカであって欲しい。
と思っていても、相手は姿を見せず。 かと言ってヒグマが出てきたら私の一生は終わってしまうので、ヒグマだけは出てきて欲しくない。 「あー、娘の花嫁姿だけは見たかったのに」なんて縁起でもない事を考えつつも、帰るに帰れない状態が5分くらい続きました。
「えーーーい! 熊の訳がないんじゃぁ!」
と覚悟を決めたけど恐る恐る、林道を一歩、また一歩と歩いていると・・・
ザザーーと音を立てて流れる小川でした。 あーーっはっは。 (^^;)
確かめてみたのですが、普通に歩いていると一気に音が聞こえてくるんですねぇ。 ここを「ヒグマもどきの滝」と命名してやりました。 皆さん、ここを通る時は気をつけて下さい。 (誰も通らないって!)
いったい何時になったら、タコ取れポイントを見つけられるんですかねェ、この見渡す限り原生林ってのがいけないんでしょうか? 集中してそうな場所がさっぱり分かりません。
で、私の血が目当てのアブがブンブンうるさいので、捕虫網を前に8の字、後ろに8の字を描くように適当に振りまわしていたらネットに入っちゃうんですよ! あ、ちなみに、アルミの1mちょっとの竿を伸ばさずに振りまわしてます。 これが結構、効率が良くって、取っては足で踏みつけ、取っては足で踏みつけを繰り返して、20匹くらいやっつけました。
あまりにもクワガタが取れないので娘に見せてやろうとエゾゼミを1匹捕まえてみましたが、♀だったので鳴いてくれません。 ちょっと残念。
そうこうしているあいだに林道の出口にちかくなったころ、目の前にボトッとエゾゼミが落っこちてきました。 な・な・な・なんでぇ????
と覗きこむと、コスズメバチが攻撃してる最中でした。 へぇ〜〜、こうやって生きてる昆虫にも襲うかぁ。 なんて感心してる所へ、ブーーンとアブとは一味違う重低音の羽音がっ! 刺される事はないだろうと思いながらも、その場をそっと離れました。
洞爺湖温泉のホテルへ遠回りしながらカルルスで北キツネを見たり、大滝村で三段の滝を観光しつつも、私だけは上を見上げながらヤナギ、コナラをルッキングしています。 家族はあきれ返ってます。 (^^;)
で三段の滝の駐車場にミヤマ♀の死骸がころがってましたので、標高をチェックしましたら350mくらいだったでしょうか。 ヒメオオの標高と同じくらいだったので、ちょっと驚きました。
んでんで、この近くに1000万以下のセカンドハウスが売り出されてるというので、おじいちゃんに強引に連れてこられました。 なんの魂胆があるのか?と思っておりますと、孫(私の長女)に買ってやるとかほざいています。 ははーん、そんな事言ったって、わしら一家はここへは来ないぜよ!!!
まぁ、こんな話は虫とは関係ないのですけど、立地条件がウルトラ良いのですよ! 目の前には小さな小川が流れて、コナラが乱立! もちろん私は建売住宅はそっちのけでルッキング&木を蹴飛ばしてました。 (^^;) まわりをざーーっと見渡してみましたけど、コナラ、ヤナギのオンパレードだったので、今じいちゃん達が住んでる家を売っぱらって、ここに引っ越して来て欲しいと心の底から思っちゃいました。 だって、ここなら帰省するたびに、いつでも採集OKなんだもんね。 (^^;)
そんでねそんでね! 庭もそこそこ広いので、家から電源を引っ張って灯火採集したら最高なんですわ! この環境は理想的! 当然、妻は生活するにはスペシャル環境が悪い、買い物も不便とブツブツ言ってましたわ。 そりゃとーぜんですわねぇ。
で、どーでもいいんだけど、こんな田舎というかリゾートのわりには虫がぜむぜむ飛んでないんですよねぇ、娘を抱っこしたまま歩きながら灯火の下をチェックしてたんですけども、さすがに何も取れないので娘も飽きちゃいました。
我が家に帰ったら午後は何の予定も無い。 家族には虫取りに行くからな!絶対に行くからな!と宣誓したのに、あいにくの雨。 ヒメオオみたいに木を齧ってるような奴らは、ビチャビチャに濡れた枝は齧らないだろうなぁ。 確かめたい気も少しあったけど、ずぶぬれになりながらの採集はしたくなかった。 おじいちゃんもおばあちゃんも「カッパを貸そうか?」などと言ってたが、(なんちゅう親だ!) その言葉を聞いていた妻の顔は複雑だった。 あははのは! (^^;)
その後も時間が空くのを期待しましたけど、連日、どっかに出掛けてたので、2時間以上フリーになる事はなかった。 なんにしても運転手はつらいつらい。 車を人質にとられているもんだから、ちょっと買い物!でも借り出されるイコール、採集に行けやしない。
そんなこんなで「夏の北海道、下心でいっぱいの旅」は終わり、最高気温が8度も高い関東地方へと帰ってくるのであった。 寝苦しいよねぇ、まったく。