あい・らぶ・ほっかいどう

−トナ−


【1999年9月8日】 荷造りでドキっ!

 

いよいよ明日は北海道に発つ日だ! と、ニコニコしながら、無理矢理小さなバックに着替えを詰め込んでいる私に向かって妻が言った。

 妻 「ねぇ、どーしてそんなに着替えが多いの?」

 ト 「う・う・う・うん、ちょっと採集に・・・・」(かなり動揺してる)

 妻 「えーーっ! また山に登る気? そんな時間なんてあるの?」

 ト 「ま・まぁ、友達に頼まれてるものもあるしぃ・・・・」

 妻 「そこにおいてある、カメラも持っていく気?」

 ト 「そのつもりでいたけど、荷物が一杯で入らないや!」

うーん、何とかごまかしたぞぉ。 でも、この日の為にS昆虫で買っておいた、携帯用のアルミ捕虫網がバックの底の方に入ってる事だけは内緒にしておこう。 (^^;) どうせ後から、おやぢかおふくろが、妻に告げ口するだろうが、そんときはそんときさ。 (^^;)

あとは、採集できる暇がある事、おやぢの車が借りられる事、天候が良い事を祈るだけだ。 って、大丈夫だべか? (^^;)


【1999年9月9日】 車窓からのルッキング

 

新千歳空港に到着し、南千歳駅まで移動。 やっとさ、外に出てこれたぜぇ!

やっぱし、北海道は寒いよなぁ〜〜〜〜と、額の汗をぬぐう私。

 

          「んっ! どーして汗?」

 

そーなのよ、今年の北海道は暑いのよぉ。 夜だと言うのに20度以上もあるんだから! 天気予報では平均気温が5度も高いって言うし、たまったもんじゃありません。 でも、灯火には良いよなぁ。 (^^) と、南千歳駅から東室蘭へ向かう電車の車窓から、1本1本の外灯を丹念に覗くのです。 んー、完全にアホじゃぁ。 (^^;)


さてさて、南千歳−>苫小牧までは、外灯が雨後のたけのこのごとく乱立し、眩しいくらいの状況で、私が虫だったら何処に行っていいのか分からなくなりそうです。 (^^;) さて、問題の虫さんですが、近くに繁殖する場所が無いのか? 蛾の1匹も見当たりません。 (T-T)

苫小牧を過ぎるあたりになりますと、外灯の数が激減していき、それと同時に外灯の明るさもパワーダウンで、路上に落ちている物体が見えなくなってしまいました。 (T-T) しかしです! 遠くの方でたった1匹だけど蛾が飛んでいるのを発見したのです。 (^^)v うしっし、この時期でも灯火OKじゃないかい? と、ちょっとだけホッとしました。


さて、S駅に到着です。 あっ、今、外灯の下に2cmくらいの甲虫らしきものが落ちてたよ! 降りたい! 降りて確認したい! という、私の切なる思いは運転手&車掌さんに届かず、わずか十数秒で発車してしまうのであった。

 

       んーーっ、あれは何だったのだろうか?

 

その後は、なーんも飛んでない。 暑いとは言え、やっぱし秋なのかな?


【1999年9月10日】 明日の計画を立てよう!

この日は祖父の三回忌。 親戚一同会しまして、大宴会をやらかしてます。

集まった親戚から、ここのところ、天候に恵まれ、気温もぐんぐん上がり、まるで真夏に戻ったようだよ。 と、散々聞かされていたので、どうせ明日も良い天気のはず!と、勝手に決めつけて、散々飲んだくれてましたら、夕方の天気予報を見て愕然としたの。

 

       「明日は全道的に天候が崩れます・・・」

 

うーん、うーん、うーん、明日は午後から雨になるのかぁ、これじゃあ遠出したところで意味ないかもしれない。 なるべく、近場で済まそう。 (T-T)

などと言っていると、親戚達も話しに乗ってきたのです。 なにやら、ミヤマが取れる木やカブトが取れる木の話題、カブトは20年くらい前から取れ始めたようなので、どうやら、逃げ出したものが増えたようだ。 などなど、いろんな事が聞き出せた。

それと、おやぢが、今年、C温泉あたりで、路上を歩行しているクワ2匹を目撃したとの事。 んー、一昨年あたりから、あの辺にヒメオオが沢山いそうな気がしてて、いつかは攻め込もうと思ってたんだよなぁ。 そうだ! 明日はC温泉を探索しよう! (^^)


ちなみに、親戚達は私の事を昆虫マニアだと思っているらしい。 いや、実際にそうなのだが、知れ渡ってしまうと、結構、恥ずかしいものね。 (^^;)
【1999年9月11日】 雨が降ってるけど負けないわ!

気持ち良く目覚めると、お外は霧がたち込め、道路はベチャベチャに濡れている。  んー、最悪じゃぁ! (T_T)

親戚を駅まで送るなどして、完全にフリーになったのは11時。 天候は曇りになったものの、コンディションは悪い。 悩みつつも、C温泉行きを再度決意し、おやぢを道案内にして、私が採集している間は両親が温泉に入ってもらう事にした。

で、時折、濃霧がたち込め、視界10メートルというところもありーの、小雨も降りーの。 現地へ向かう道のりが最悪じゃった。 しかし、北キツネが2匹、我々を迎えてくれ、ボーズは免れた。(って、何でやねん!)


さて、5〜6本の林道があるのを確認し、その中の1本をチョイスして、両親と別れる。 当然の事ながら、雨と霧と熊の恐怖と格闘することになるのだ。

林道を進むとコナラかミズナラの若木が目立つ、丹念に見て回ると、虫が齧ったと思われる跡がついている。 これは、クワガタが齧ったに違いない。 いや、絶対にそうだ! そうだと願いたい。 (^^;) ナラ系なので、頭に浮かぶのはミヤマなのだが、この時は絶対にヒメオオである!と決めつけていた。

さらに先を進むと雨が降ってきた。 (T-T) でも、檜枝岐でも雨が降っていたし、千葉でも雨に降られた。 もう、雨の採集は慣れちゃったもんね! と、さほど気になることはなかった。 単に開き直りとも言うが。 (^^;)

 

でもねぇ、熊の恐怖だけは消え去らないのよ。 だってさ、ここらへんで出てくるのはヒグマなんだよ! 月の輪熊なら、助かる可能性が高いけど、馬鹿デカイ雄のヒグマだったら、あっという間に殺されちゃうんだぜ。 (^^;)

しかも、最近じゃぁ、人里が近かろうがなんだろうが、出てくる時は出てきちゃうんだもの。 あのカーブを曲がったら、このカーブを曲がったら、と、先の見えない所があるたびに、心臓の鼓動は早まるのさ。 で、恐ろしいことに、水の流れる音がしてきた。

 

      水の流れる音 = 川 = 魚(サケ) = 熊

 

橋の周りには柳が生えている。 んー、水が豊富にある場所の柳ときたら、おいしくてたまらないのだが、まずは熊がいないか、徹底的に確認してからのルッキングなのさ。 (^^;)


で、ここまで、コナラかミズナラ、ダケカンバ、シラカンバ、ヤナギ、カエデみたいな奴の若木を沢山ルッキングしてきた。 確かに齧り跡はそれなりに見つかったけど、本命のクワガタを1度も見ていないのよ。

川に出くわした時点で、もっと奥に突き進むか迷ったけど、取りたい一心で、どんどんと突き進むのだった。 (^^;)

 

さて、雨が強くなってきたこともあり、林道には水溜りが至るところに出来始めていた。 とうとう、大きな水溜りが私の行く手を塞いだので、本日は取れないまま、諦めることになったのさ。 (ToT)


そんで、引き返す。 諦めたと言いつつも、未練たらしくルッキングしながら引き返すのです。

 

すると、林道があと少しで終わる頃になって、ヤナギに付いている黒いクワガタを発見したのじゃぁ!!!!!!!! 色、大きさからして、ヒメオオに違いない。枝がじゃまして、大顎は見れない位置だったが、なんとなく♂っぽいように見える。 (^^)

 

も・もう、諦めていた事もあってか、すごい興奮状態なんです! ヤナギの若木という事もあり、素手で捕まえられそうな位置にとまっていたのですけど、この日の為に買っておいたネット使わずにはいられない。 (^^;) おいおい。

 

時折、クワガタが落ちないか横目でチェックしつつ、ネットを大急ぎで組み立てたのよ。 そんでもって、深呼吸をしてから、ネットをクワガタの下へ当てて、チョンチョンと刺激を与えたら、あっけなく、ネットの中へ。 引き寄せて中を覗くと・・・・・・・

 

     おう、いえぃ! C産のヒメオオGETだぜぇ!

 

完全に舞い上がり、辺りの木を再度ルッキングしまくります! 気がつくと、熊の恐怖や雨やら霧なんかは、すっかりと忘れ去っているのでした。 (^^;)


この日はヒメオオが1♂だけだったけど、まだまだ、入っていない林道が残されてるので、ここ一帯は良いポイントのような気がする。 今後が楽しみだ。

楽しみなのだが・・・・・・夏〜秋にかけて、今後、北海道に来ることは、まず無いだろう。 ん〜〜〜、せっかく良いポイントを見つけたのになぁ、、、、


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