採集報告・・・その16

秋の気配

【S井】
                        

先日の採集記にひっかけて、タイトルをオフコースの曲名にしてみました。意味あいはちょっと違いますが…。(^^;)

実際山の上は急激に秋に向かっています。

この連休は天気に恵まれず、写真を撮るのが重点の採集にはもの足りない連休になってしまいました。


9月14日

先日のメールでの計画をこの連休で実行しようと思い、昨日午後から家を出て林道に入りヤマブドウの写真なんかを撮りながらしらみ潰しにルッキングしていきました。天気は相変わらずで霧雨のような雨が時折降る上に濃いガスが出て今ひとつの状態でした。

ここ数日の連日の雨のせいか気温も低くて、上の方では吐く息が白く見えました。そのせいでしようか…クワガタがいない…。

全くいないというわけではないのですが、数が激減しているようです。

辛うじてヒメオオ♂2♀2とアカアシ♂4♀1が採集できました。

林道の中ほどあたりに来る頃にはあたりはもうほとんど真っ暗でした。

先日幼虫を採集した場所あたりからはルッキングもほとんど不能に近い状態でした。国道に抜け、一眠りしてから灯下も回ってみようかとも思ったのですが、昼間あった会社からの電話が気になって、渋々帰宅。消化不良の一日でした。


9月15日

昨日の電話の件がなんとかなりそうだと判明したため、今度は昨日ルッキングできなかった場所を重点に回ってみました。

先日あ〜さんと一緒に撮った白樺でのヒメオオの写真が光量不足気味でいまひとつの出来だったため、なんとか白樺のヒメオオのもうすこし鮮明な写真が撮りたかったのです。

林道に入り、ヤナギを見ていくと…何もいない…コクワでさえも…。

先日スジを採集した木には辛うじてスジの♂が2匹いたものの、ミヤマの木にはシロスジカミキリが一匹。「ヒメオオは大丈夫かな」とちょっと心配になりました。

白樺やヤナギを見つける度に片っ端から止まって見て行きました。すると…いるいる。道から丸見えの場所にヒメオオがはり付いています。早速車を降り写真を撮りました。数枚撮ったところで「なんとかもっと近づけないかな…」と欲が出てしまい、近寄ったとたんに彼はヤブの中に落ちてしまいました。(T_T)

その後はこの林道ではクワガタの姿を発見できないまま、別の林道に入ってしまい、例の場所にはサルの群れがいただけでクワガタの姿はあり

ませんでした。

アカアシポイントにも寄ってみましたが、ここでも一匹のアカアシも発見できません。「白樺のヒメオオの写真が撮れたから今日はもういいかな」と思いながらもさらに進み、先日あ〜さんが5匹のヒメオオを発見した木に着きました。昨日この木に5mの網でも採集不能のヒメオオを発見したのですが、そいつはまだその位置にはりついていました。

 

「まだ活動していることは確認できたからもう帰ろう」と思って視線をずらした瞬間、何やらクワガタらしきものが見えました。最初は「ミヤマかな」と思ったのですが、例の望遠鏡で見てみると泥だらけの大きなヒメオオです。「大きい!これは採るしかないゾ」と思ったものの、補注網の採集の成功率50%程度の腕であの垂直に近い状態でついているクワカダの採集がはたしてできるものかどうか…。

なんとかネットインし早速大きさを測ってみると、52ミリほどありました。

「やった〜!ついに念願の50ミリオーバーの自力採集ができた〜!」

その場でメールを送りたかったのですが、案の定圏外でした。

あたりはすでに暗くなり始めていましたのでこれ以上の採集はここで断念し引き返しました。

発見できた個体数は今までで最低で、採集としてはいまひとつでしたが、白樺のヒメオオの幾分鮮明な写真と文句無しに50ミリオーバーのヒメオオの採集ができたので自分としては大変満足な一日でした。

 

9月も中旬だというのにクワガタの採集に行くなんて昔は考えられなかったことです。それにしても吐く息が白いほどの気温で活動しているクワガタがいるってのもちょっとスゴイことですよね。


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