【凹作】
=6/10=
あ〜さんのクワガタ採集記の03/05/30から続く『☆☆★☆☆★★』にカブれて、 火曜日だってのにちょっくら市境の林まで行ってまいりました。
通い慣れた道。 ステアリングを握る手をオートパイロット状態にして、月末に控えた友人の結婚披露宴用の出し物なぞを考える。
この友人は、十余名程の最も親しい同級生仲間の内の一人。 仲間の披露宴では、道化芸は毎回必ず凹作にやらせると決まっているから、いい加減にネタ切れってやつだ。
おまけに、天下無敵の天然ボケ野郎な新郎なので、いつもは新郎を引き立てるのには格好の道化芸も、今回ばかりは完全にカブってしまう。 セオリーならば、さらに道化度をアップさせた被り物系超おバカ芸で歌舞いてやるのだが、何の手違いかこの野郎、歯科医師なのだ。 お堅い出席者も少なからず予想されるから、あまり無茶もできない。
チキショーめ。
『超天然ボケの歯科医師』なぞという危険極まりない代物の存在を許す社会の歪を、凹作がモロにカブったのだ。 (って、そんな大仰な被りでもないけどな)
まぁ、コイツとはピッカピッカの一年生の時に同じクラスとなってからの30年来の付き合いだ。 コイツよりも長く付き合っている人間は、身内以外にはいないんだから、 少しくらい苦労してやっても良いかなというところではある。
オートパイロットが解除され、車のライトを落とす。 そして、林脇のスペースの轍にタイヤの下部を収める。 ここには、月末に幸せを迎える友以上に長い付き合いをしている友達がいるのだ。
子供の頃、コイツらとはよく遊んだ。 いつしかコッチは大人になって疎遠になっていったんだな。
5〜6年前、コッチの気紛れでヒョイと顔を出してみたら、相変わらず元気に甘酸っぱい匂いを纏ってやがった。
ヤツらの何本かは、伐採の憂き目に遭って切りカブだけになっていたけど...
30年以上も前からコイツらとは知り合いなんだと思うと感慨深い。
コッチが何かしてやったこともないし、平気で長いこと音沙汰無しにしてたしな。 それでも、相も変わらずヤツらは「ほれ、もってきな!」って、小鍬やカブちんのお土産を気前良く渡してくれやがる。 これからも家族ぐるみのお付き合いってのを宜しくな!
ずっとずっと元気でいてくれよ。
だからさ、、、今日くらいは、、、ボーズだからって全然気にしないぜ!
っと、思いきや、40mmUPはカタいコクワを太い蔦の陰に発見だ。 しかし、むむむっ。 硬い蔦がガッチリとカブっていて引っ掻きだせない。
これ以上続けると、クワも樹も痛めそうだしな。 今日のところは勘弁しといちゃろう。
それにしても、今年はかなり雑木が整理されてしまって、林の向こうの崖下まで良く見通せる。
「!」。 今まで気づかなかったが、この土地の下には灯下採集に良さそうな外灯が何本か並んでいるではないか。
友人達に別れを告げ、通い慣れた道を車で戻って行く。 そして、途中で慣れない方向へ折れ、先ほど林の中から目視確認した外灯に辿り着いた。
夏にはヨサゲだ。 しかし、今日のところはカナブン一匹落ちてやしねぇ。
外灯のジーっという音だけが静かに流れている...
.........。
「やっぱりボースは嫌だ!」。
しかし、再び林に戻る気力は既に失せ、やるせなく頭(カブリ)を振る凹作でありました。
=結果=
ボーズ