【凹作】
あ〜さん、 こんにちは。
あ〜さんのクワガタ採集記_03/5/30_『注)麻雀に例えるネタは凹作さんからのメールよりアイデアをパクったものです。』部分を、 昨深夜、思いっきり自慢気にカミサンに見せたら『あら〜いいわねー』と軽くあしらわれた幸せ者の凹作です。
>小歯型に逃げられてから2日後についに65mmの大歯型をゲットしました!これはデカいです。
うぉ〜〜〜〜、65mmぃ〜! 大歯型ぁ〜! おめでとうございます〜!!!!!
やばいですよ。こう、メールでリアルに聞いちゃうと...
クワガタって5mmUPするだけで、かなり大きさの実感が違いますよね? うちにいるヒラタが49mmだからぁ、、、そんで、それがもっと太くなってぇ、、、 って想像して興奮しながら書いていたら、、、ほとんど文体は女子中学生以下になっておりまする。
〜中略〜
よく、テレビで芸人さんとかスタントマンが危ないマネをしたときにテロップが出るじゃないですか。
「一般の方は危険ですので絶対に真似しないで下さい」って。 あれみたいなテロップをHPに載せておかないと、全国の純真なお子さん達が、 僕にもオオクワとれるかも!って思い込んじゃうかもしれませんよ。(笑)
〜中略〜
いつもの三枚は近所で食べられるけど、『いつものサンマイ』は近所には見当たらない。 特に私みたいなプチカントリーヤロウにとってはかなり好条件な土地です。
プチカントリーな××区を舞台にした採集記を、サンマイ話の流れを汲むクールな内容を盛り込んで下述致します。 よろしくお願いいたします。
市境にある定番ポイントでファミリーナイター樹液を試みるが、あえなくボーズを喰らう。
で、もう一箇所。というか殆ど予定通り。(笑) 市内の某ポイントに足を伸ばしました。
目指したのは、車で林のフチまで乗りつけることのできるお手軽ポイント。 車を降りてから徒歩で暫し散策路を行ったどん詰まりにこのポイントはある。
散策路は、標高を上げるでもなく下げるでもなくのダラダラと続く一本道。 一昨年の下の娘の足では、途中で「疲れた〜」なぞと言って一旦休憩をとるといった按配の奥行きである。 昨年あたりでは、下の娘もタッタカと駆け足をせんばかりで抜けていったという記憶もある。
成長の著しい子供の脚力を物差しにするのは良くない。 しかるに一般成人男子を基準とするならば、歩行移動距離の点では極めて楽勝といったところ。 その他諸所の留意すべき点はどこのポイントでも挙げていけばきりが無いわけで、総合得点としては極めて優良なポイントと言える。
さてさて、そんなポイントを目指して車に乗り込んだ凹作ファミリー。
右に左にと90度ステアリングを繰り返しつつも、うねうねと標高を上げていきます。 決してアーバンなポイントとは断言しがたい目的地ではありますが、なにせアクセスが良いのが強み。 スイスイス〜ダラダッタとお気楽気分を見せびらかしつつ現地に到着です。
運転席のドアをグワッシとおっぴろげます。 すると、それを待っていたかのように、このポイント独特の匂いが立ち込めてくる。 スラスラスイスイっと右足を出しかけた私の動きが一瞬のうちに鈍くなります。
忘却を装い、道化師よろしくぎこちなく振舞う私の表層意識に、当然といった顔をしてヤツらは帰ってきた。
先日、「見ない方がいいかも。(^^;」って親切に書いてあったにもかかわらず、故意に「おもしろいよ!」と読み間違え、 あげく勤務中にしばしハマってしまった某コアいHP。 そのコアさの連鎖が、昨年のここでの記憶を掘り起こしてしまったのだあぁぁぁぁぁ。
思い出すだけで『ぁ』が5つも連なるようなインパクトのある昨年のクワ採行。 一年近くも前の内容なのですが、せっかくですので、ご丁寧にも一部脚色付きでここに蘇らせることにいたします。
凹作ファミリーは、この日も仲良く四人一列縦隊で突き進む。 この歩き方が、漆黒に塗られたこのポイントでの定番なのであります。
実は、列の順序にも定番が存在しておりまして、露払いは必ずカミサンの役目と決まっているのです。
後ろに続く3人の為に、尖がって危険な切り株やら濡れて滑りやすい苔の生えた岩肌などのチェックを行い、時に取り除いていきます。
次に続くのは勝ち気な妹の方でして、兄の方は優しく妹を背中から見守りつつの追随です。
そして、残り一つのポジション・・・しんがり・・・を守るのはいつもこのワタクシ。
一般にしんがりといえば、一番力の勝るヤツが受け持つものでありまして、最後尾から皆の世話を焼いてくれるもの。 がしかし、ここの行軍のしんがりは、普通とは若干趣の異なるものとなっているのであります。
しんがりさんが気にするのは、前を行く三人の状態ではなく、自分の背中の向こう側に累々と連なっているであろう闇の気配。 都会の喧騒と隔たれているとはいえ、同じ県内の丹沢山系などと比べれば所詮子供騙しの暗がりなのにネ。
それでもやはり、そこにいる何か、いや本来はいるはずのない何かの為に、しんがりさんは一生懸命に後ろを守るのであります。
いったい何と戦っているのだ、しんがりさん?
居るはずのない何か? それとも、居るはずのないモノを居るモノへと具現化させてしまいそうになる己の精神?
一人相撲に負けそうになる しんがりさんを尻目に、一行は両脇のクヌギからコクワをつまみ喰いしつつもズンズンとどん詰まりに向けて距離を稼いでいきます。
どん詰まりのメイン木のちょいと手前にあるプチ台場に差しかかろうとした時、おもむろに しんがりさんのビビる足が徳俵にかかります。
「ムムム、こっこれは?」、「シッシッシ、シヂューカタってやつさ(強がり調)」。
この辺りに差し掛かった時、夜露にアテられてか しんがりさんの肩がいささか重くなってきたのです。
普段なら気に留めないのであろう重み。 しかし、小路の暗さがその感覚を何倍にも増幅させたのです。 あらぬ思いが沸いてくるのを掻き消そうと、一生懸命にシヂューカタであると思い込もうとする健気なしんがりさん。
しんがりさんが孤軍奮闘しているのなんて露知らず、前方の三人は元気にどん詰まりに到着です。
ほうほうの体でしんがりさんも追い付いていき、、、「あれれ?シヂューカタ治っちゃったよ!」。
メイン木が発する甘酸っぱい樹液の匂いがアン×ルツよりも有意に作用してしまう しんがりさんの肩なのでした。
メイン木で、その年一番の成果をふんだくった一行は、意気揚揚と復路へと折り返していきます。 実は、どん詰まりと称していたこの場所なのですが、散策路が途切れたその先に、さらにケモノ道程度の通路が繋がってはいるのです。 そして幾本かのクヌギが更にあるのですが、その日は安全第一のファミリー行軍です。
ケモノ道の方は見て見ぬフリの安全第一のしんがりさんなのでありました。
再び前出のプチ台場まで戻ってきたところで、勝気が取り柄・欲張りなのがなお採り得の妹が、念のために採り残しのチェックをします。
「居た居た!」。 畑を嘗め尽くすイナゴよろしく、コクワとおぼしきミニミニ♂を暗闇からピックアップ & キープです。
そして、ここで、日頃から凹作採集記のダラダラっぷりにお嘆きの皆様に朗報です。
ダラダラと続くこの小路も折り返し点を過ぎたこの先で、ようやく『ぁぁぁぁぁ』な展開となっていくのであります。
んっ!なんかちょっと雰囲気が違うナ。
最後の獲物のミニミニ♂をチラと見やった しんがりさんの残像に妙な違和感が残ります。 懐中電灯の具合のせいか、偉く綺麗な光沢だったような...
すぐにでも確かめてみたい気持ちの しんがりさんでしたが、なにぶん子供二人をかかえた暗闇の行軍ですから、あまり余裕がありません。 それに、余裕がないのには、もうひとつの理由もあったのです。
行きはヨイヨイ帰りはコワイ。
復路で後ろを守る事ほど大変なことはありません。 後ろを振り返って安心であることを確かめてみたい。
でも。
でも、心が逃げを打ったその瞬間に、その弱腰を狙ってヤツらは追いかけてくるのです。 ヤツらは正面から堂々と対峙してくることは無い。 無遠慮に足音を踏み鳴らして突き進むムシアドレナリン中毒患者の行く手に、面と向ってヤツらが立ちはだかることは決して無い。
『恐怖』という名のヤツらは、しんがりさんが身じろぐその刹那を見逃さずに背中から覆い被さってこようとする。
初めはゆっくりと頭をもたげてくるだけだ。 でも、逃げようと足を早めれば早める程、ヤツらは加速度を増して追いかけてくるのだ。
ンッンッンッ?
せっかく しんがりさんがヤツらを目覚めさせないように息を殺して忍び足をしていたというのに...
二人の子供達は、何やら先を争うようにタッタカと速度を上げて露払いを追い抜いていくではありませんか。
「ごらぁ〜あぶないがら〜ゆっぐりあるぎなさひいぃ〜」。
ここでは、自分の出す大きな声さえもヤツらを目覚めさせる要因なのです。 しんがりさんは、制御しきれなくなりそうな心を噛み殺しながら、つとめて大人の余裕を装った声で子供達をたしなめます。
ここで全体を纏め上げるのが一般的な正しい しんがりの役目。 しかし、大方の期待を裏切らず、しんがりさんの一声が、反対にカミサンの歩調までをも加速させていきます。
「ひぇ〜〜」。 既にヤツらの成長は加速度を増し始め しんがりさんを呑み込まんとするまでに膨れ上がっています。 改めて見渡せば、なにやらプチ台場を過ぎたあたりの空気に妙な違和感まで感じてくる。
背後に迫ったヤツらの気配を痛いほど感じる。 耐えろ!焦って不用意に走り出したら一瞬で取り込まれる。 涙目を堪えつつ、我慢の早歩きでようやく三人に追いついた しんがりさんに本当の正念場がこれから訪れる。
中身は子供なれど、しんがりさんとて外見上は大人の端くれ。 ようやく追いついた我が子二人の背中を、更に追い越してタッタカいけるわけはありません。 さりとて先ほど大人の余裕を含ませて子供達のタッタカっぷりをたしなめた手前、 今更「もっと早く歩きなさい!」なぞとも言えない。
しかし、いったん速度を増したヤツらはもう決して止まることはないのだ。 それなのに、逃げ道は先行の善意のノロノロ運転者にふさがれてしまっている。(←M社の車ではなく、我が子達の事だ)
背中にピッタリとヤツらを貼り付けたまま、なす術なく唯ひたすら耐える、耐える、耐える、耐える。
背後を振り向いて確かめたい。 なにやら、両側の茂みも妖しく感じてきた。 見るな、見ちゃいけない。
曝した自分の胆を氷水で洗われているような恐怖。
痛いほど怖い。
限界。我慢できない。もう駄目だぁ〜。
崩壊したダムから鉄砲水が飛び出すような勢いで しんがりさんの心が叫びます。
「ダーッシュ、ダーッシュ、ダーッシュ」。
しんがりさんの壮絶な精神戦など露知らない子供達。 パパの言いつけを守って神妙にそろりそろりと歩み続けていくのでした。
恐怖とプライドの板ばさみをなんとか潜り抜け、ようやく林を抜けた凹作。 明るいところに戻り、さっそく先ほどの疑惑のミニミニ♂のチェックに入ります。
ヤレやヤレやと独りごちながらルアーケースを開けようとすると、それを遮るようにカミサンが変なことを言い出す。
(ぼそり調→)「さっき何かが居た」、「泣きそうだったよ私」。
聞けば、往路の中ほどから暫くの間、ファミリーの行くすぐ脇の茂みの中を平行してついてくる何かがいたとのこと。
「そんで、どこまで一緒に居たの? そのリスだかお化けだかは?」と、当時・しんがりさん がカミサンに詰め寄ります。
「xx本目の木(プチ台場)のあたりまで」なぞと のたまうカミサン。
符合!ぅぁぁぁぁぁ...
クールな会話に瞳を潤ませながらもルアーケースを広げてみる。
ミニミニなれど見まごう事の無いヒラタ♂殿のピカピカのご勇姿がぁぁぁぁぁ!
よくやった!偉いぞ、欲張り娘!
ついでに言えば、運良く偶々リリース命令を出さなかった当時・しんがりさんも隠れたファインプレーだ。
いいぞ!> 自分
ヒラタ殿を打ち捨て御免だなんて、想像しただけでもお化けに出会うよりオッカねーことだからな。
重ね重ね、常日頃からの このダラダラっぷりをお詫びいたします。
いい加減に、この回顧録も〆に入らせていただきます。
当時・しんがりさんが子供達に言わなかった秘密。教えます。
背後を恐れる真の理由。
どん詰まりを抜けてケモノ道をほんの20m程下ったその先のこと。
お墓なんです。そこ。
だからって、ねぇ。 ほら、リスとシヂューカタをお化けと思い込む方もどうかと思うしね。 あれはリスであり、そしてシヂューカタだと思い込めれば、それはそれで良い訳でしてね。
(030608kako.jpgご参照:昨年のミニミニヒラタ♂と昨年別の日に採った巨大(←我が家基準による)ヒラタの比較(撮影は03年))
〜昨年八月中旬の結果〜
ヒラタ♂×1、コクワ多数、カブチン少々
このポイントの留意点を思い込みパワーでねじ伏せて、その先にあるお墓もなんのその。 散策路をズンズンズンと足音を踏み鳴らしながらヤってまいりました。
やはり、今年は少し例年より季節が遅れているようで、コクワの数もいま一つ。 チャチャッとコクワを啄ばんで、スーダララッタスイスイと帰ってまいりました。
(030608PM.jpgご参照:6/8PMの成果)
=6/8PM結果=
コクワ♂3♀1、/(お化け×0)