●8月21日、快晴
姉の軽自動車を借りて、本格的昆虫採集(本人はそのつもり)に向かう。あ〜さんの採集記を読むようになってから初めての鹿児島帰省。目指すは樹液の出ている木。どこへ行けばいいのだろう?と迷いつつも子供達のいる手前、不安は見せられない。
車を走らせていると車一台がやっと通れそうな道を発見。
「そんな細い道は、危ないよぉ」という子供の声を受けて
「あのねぇ、こんな所が一番虫が好きなんだよ」と自分の勘を信じて、突き進む。細いし、上り坂だ。(どうしよう〜)
ジグザグを2、3回繰り返した頃、道にかぶさるように生えている木を見つけた。幹には人工的にも思えるような傷が付いている。見上げてみると、スズメバチが3匹いた。
超ー感動!!人には生まれ持って野生の勘っていうのがあるのねー。
「見てごらん、スズメバチだよ」
「お母さん、蜂がいるって事は樹液が出ているんだよね」
昆虫の本をいつも食い入るように見ている6才の息子が嬉しそうに言っている。今日は場所を見つけただけで、退却。
姉の所へ泊まりがけで遊びに行く。実家からは車で7,8分の距離。
この時を待っていた。実家の車じゃとても通れない道なのだ。姪っ子、甥っ子も、期待に胸を膨らまして、晩御飯を食べてから出発した。
10時過ぎ
この前通った道ではあるが、真っ暗ともなると勝手が違う。入る道を通り越してしまった。Uターン。目当ての道の入り口に無事にたどり着いた。(ホッ)
木はそこにあった。
見上げてみると・・・。
「いた、いた」
黒いものがいくつか見える。懐中電灯を照らすとそこには数匹のクワガタ。うひひ・・・(失礼)嬉しさに顔がほころんでしまう。鼻はきっと天狗のように反り返っていただろう。母の威厳が保たれた。
子供の背ではちょっと届かない。甥っ子(10才)に懐中電灯で照らしていてもらった。斜面に足をかけて、木の根っこのようなものをぐいとつかんで伸び上がる。(私の身長150センチ)
網の中に最初の一匹が入ったのがわかった。欲張りな私はそのまま二匹目、三匹目を網の中にGET。無事に取りこぼさず、虫かごの中に取り込むことが出来た。
結果は、ノコギリクワガタの雄(小型個体)を2匹と雌3匹。
コクワガタの雄2匹と雌1匹。
やはり樹液の出る木は風当たり、日当たりの良い所だ。目の前には桜島の姿が広がるとても景色の良いところだった。
姉の家に泊まっているのだからのんびりすれば良いものを朝からクワガタが気になって起きだしてしまう。(しっかり目覚ましをセット)
今回は子供は起こしても起きなかった。一人の方が気楽というものだ。姉夫婦を起こさぬようにそーっと玄関を開ける。と、センサーが働いて外灯が急に点いた。(びっくりしたなーもう!!)
目的地に到着。
木を照らしてみると、いた。
昨夜のように木の根っこをがっしとつかみ斜面に足をかける。(うちへ帰ってから見ると手のひらに怪我をしていた)
まずは大きいのから、と思ってカブトムシの雄2匹、雌1匹を網に入れた。雄のうち1匹は雌かと思うくらい小さい。角も小さいし、枝分かれもしていない。ミニカブトと言われるものは、これなのだろうか。
あといたのはノコギリクワガタの雌1匹。
ここまでは何とか順調にGET。まだいる。幹の傷のくぼんだ所に小さいのがいる。しかしどうしても手が届かないのだ。あきらめきれずに車をUターンさせて斜面ぎりぎりに停めた。裸足になって車の窓を開けて屋根に乗ってみた。
おそるおそる足を置くと、夜露に濡れていてひんやり冷たい。
あ〜へこむう。元に戻ることを祈ってそーっとスタンスを取った。近くにあった枝で掻き出してコクワガタの雄1匹、雌1匹GET。
まだいたけれど、隙間にがっちりはまっているようで(コクワも必死!)出てこなかった。このくらいで良しとしよう。
帰宅したのは5時前。ポイントを1ヶ所に絞っていた(!?)ので短時間で採集は終了。車を止めて外に出ると、新聞配達の人に会ってしまった。私の手荷物は懐中電灯、虫取り網と、虫かご。時間は朝の5時前。子供を連れていればまだよかった・・・。
何ともばつの悪い瞬間だった。
自分の母も同伴でポイントへ行った。時間は夜9時頃。まだスズメバチが4匹もいて甲虫は見あたらなかった。
母曰く「よくこんな所まで入ってこれたねぇ」
私には最高のほめ言葉。もっと言ってー。
初心者の私ですが、子供の成長に合わせてこれからももっといろんな所に行って、クワガタを採りたいと思います。
まだ採ったことのないヒラタ、ミヤマ、アカアシ、そしてもちろんオオクワガタをゲットする日まで、採集熱は下がりませーん。
長々と失礼しました。