山梨採集記

【S井】


                        

いつも大変お世話になっております。

うれしくてつい携帯にメールを送ってしまいました…。

詳細を報告させていただきます。

 

長野はこのところ「らしい」状態で、採集にはちよっと無理のある状態が続いています。ヒマに任せて採集記を読みまくったりしていたのですが、ついにガマンできない状態に陥ってしまい、朝5時にネコにたたき起こされたのも手伝って山梨行きを決行しました。

今回の目標はズバリ「ヒラタ」です。

長野では採集できない種類なので、一度自分の手で採集してみたいと思っていました。

子供の頃図鑑で何度か見たことはありましたが、当時は「おかしい…さんざん採集しているのに一度も採れたことがない。ホントにいるのか?」と思ったりしていたのですが、単に私の実家周辺では採集できないということだったようですね。(確か棲息域も書いてあったハズなのですが…)

情報をいただいていましたが、実際採集経験の無い種類はどういった状況で採集されるものかいまひとつ見当がつきません。様々な採集記に割り出された状態は写真で載っていますがその過程や周りの状況はわからないため、やはりカンに頼るしかないようです。当然のことながら惨敗は覚悟の上での山梨行きとなります。

 

いざ行ってみるとアカシアの木が多く、「ホントにこんな場所にいるのかなぁ…」という感じでしたが、2カ所目に発見したそれらしい場所でひどく堅い材から不明幼虫がボロボロ出てきました。

とりあえず何らかのクワガタは生息しているようです。更に奥に進みコクワのペアを割り出しました。今年初の成虫です。

残念ながらそこではそれ以上の成果はありませんでしたが、大型種の産卵痕らしいものを初めて見ることができました。

ひとつめとふたつめのポイントの移動中についつい通り過ぎてしまった場所があり、時間が早かったため一旦戻り今度はしっかり曲がって車を止めて入りました。が、ここでもはやりアカシアの木が多く、割れる材を見つけることができませんでした。

「そろそろ帰らないとなぁ…」

と思い帰り始めた時、木が密集している場所を発見し、近づいてみると、今回初めてのいかにも何かがいそうな材があります。

枯れ草を払い、材割りを始めると小さな幼虫がまたまたボロボロ出てきました。

「多分コクワだろうな」と思いながら更に割っていくと♀の成虫が出てきました。

良く見るとやっぱりコクワ…。

あっまたコクワ…(T_T)。

次もコクワ………?

あれっ今度のはなんかやけに胸の部分が光ってるけど…。

良く見てみると3頭目はコクワサイズのヒラタ♀のようです。

今まで割った材を見直してみると、さらに1頭コクワサイズのヒラタの♀らしきものがいました。

「やった〜ついにヒラタだぁ〜〜!」

あまりにも小さくて、大きさだけでコクワだと判断しまうところでした。

新成虫の場合コクワでも結構ピカピカに見える時があるのですが、これってヒラタですよね?

コクワとは羽の縞模様の状態が違うし、前胸の形状も異なっていて、自宅にいるいただきもののヒラタとそっくりなんです。

意外に柔らかな材だったため、「ヒラタは土に埋まった材にいる」ということを思い出し、下に下に掘っていくと、いきなり大きな「黒いもの」が出てきました。

ピッカピカのヒラタ♂でした。

「でか!」

と思ったのですが、実際には50ミリちょっとでした。^^;)ゞ

そうは言っても初めての自力採集個体で、今年の3目めのペア採集です。

うれしさがじわじわとこみ上げてきました。

2匹目のドジョウを探して更に割っていくと、大きな幼虫が出てきました。

ん〜?幼虫かぁ…。

場所としてはコクワとヒラタしか出ていない材ですが、ノコの可能性も否定できません。

「取り敢えず持ち帰って様子を見てみるしかないか…」

ということで第2ポイントで採集した数頭の幼虫とともに持ち帰りました。

今日だけで4回ほど「タコ採り君」の柄が抜けました。一人で良かった…^^;)。

残っていた雪(氷)に足をとられてコケたことと、材割に熱中しすぎて腰が痛いことはカッコ悪いので秘密にしておきたいと思います。


昨日は出勤となってしまいましたが早めに切り上げ、採集してきた幼虫の飼育ビンを買いに行ってきました。

家には広葉樹ベースの発酵マットしか無かったのですが、ヒラタはやっぱりクヌギのマットか菌糸ビンかな?と思ったのです。

バラ売りしている菌糸ビンを購入し、ヒラタ期待幼虫を入れてみました。

果たして無事羽化してくれるかどうか…暖かくなるのが楽しみです。

そのお店には小さな仕切り付き飼育槽も売っていたので、今回採集したヒラタ成虫用に購入し、マットを多めに入れて埋め込んでおきました。

成虫は意外に寒さに強いらしいですので、そのまま常温で湿度だけ注意しながら放っておこうと思います。

早く暖かくなって元気な姿を見せてくれるとウレシイですね。

 

ヒラタってもっと大きなものが多いのかと思っていましたが、もっと南の方に行かないと大きなサイズのものは採れないらしいですね。

考えてみると今回採集のサイズは昨年採集した最大のヒメオオと同じくらいのサイズですので、自分的にはやはり「大きい」です。

大型のドルクス系の体格はやはり迫力がありますね〜。

もうひたすら感動です…。

それにしても割り残した部分が気になって仕方ありません…病気ですね。

当然のことながら「採集すること」を前提に行っているわけですが、何しろ今まで一度も採集経験の無いものなので、まさか成虫で3頭も採集できるとは思っていませんでした。今年は幸先の良いスタートです。

あ〜さんにいただいた貴重な情報を無駄にしないで済んだことにも大変満足しています。本当にありがとうございました。

 

お店の人の話しではホンドヒラタはあまり大きくならないので、人気がないそうです。「ノコになるかもしれない不明幼虫1頭に菌糸ビンを使うのはもったいない」とでも言いたげでしたが、そんなのは無視!

絶対ヒラタになる!……よ……ね?……なったらいいなぁ…(^_^;)。

 


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