1995年版
95/7/某日(1995年の採集を振り返って)
山形県
同僚と「どこか行こう」という話になり、東北方面に温泉&クワガタ旅行をすることとなった。これまで全く行ったことない県は、秋田、山形、沖縄であったので、照準を山形に絞って行くことにした。情報は全く持っていない。
当時住んでいた練馬を夜出発し、同僚の住む船橋へ電車で向かった。本来はあ〜の車で行く予定だったのだが、前日にボンネットとフロントガラスが喧嘩して、ボンネットはボコボコ、フロントガラスは粉々になった。とても動かせる状態ではない。しかも、それをやったのは夜中の2時ごろで、JAF待ちや移動時間で、睡眠時間は1時間にも満たない。そんな状態で出発した。
22時ごろ他の同僚2人と合流し、出発した。船取県道から上がっていき、常磐道へ乗る。そのまま出来たての磐越道へ....
途中のSAで、早くもアカアシの一部を発見!夢にまで見たアカアシだ!絶対生きてるやつを採ってやる〜〜〜〜!と心に誓い、さらに北上した。睡魔に襲われ幻覚まで見え始めたが、結局起きたまま蔵王付近まで行った。再びSAにてミヤマの一部を拾う。死骸ばかりだ。
まったくアテのない旅であったので、どこで下りてもよかったのだが、温泉がありそうなので山形で降りることにした。山形近郊をアテもなくさ迷う。目ではクワガタのいそうな木を探しているが、クヌギはほとんどない。夜も明けてきたので飯にしようということになり、食事のできそうな店を探す.............ない。
何時間か探して、ようやくたどり着いた。すでにグロッキーである。店のおばちゃんに観光地を尋ねる。やっぱり山寺がいいよ、と言われて、3人は山寺へ向かった。しかし、何だか車を下りるのが面倒になり、遠くから見ながら通過するだけで終わってしまった。
それから3人でクワガタを求めて放浪の旅だ。クヌギ、クヌギ、クヌギ........探しているが全然ない。さんざん走り回ったが、まったくダメであった。あまりにも疲れたので、今晩はどこかへ泊ろうということになった。蔵王温泉の観光案内で宿を紹介してもらい、一旦宿に入ったあとで再びクワガタを求めて出ていく。宿のおっちゃんにクワガタのいる場所を尋ねると、とある山を教えてくれた。
頭の中にはアカアシしかなかった。その山へ到着するやいなや車を降りて林道へ.........クヌギ、クヌギ、クヌギ..........あるわけがないのである。しかし、数本のコナラを見つけて蹴ってみる..............葉っぱが落ちてくるだけ。むなしい。
しかし、数本蹴ったところでコエゾゼミが落ちてきた。うれしかった。ここでの成果はセミ1匹。ちょっと満足して宿へ帰った。
温泉へ行ったあと、日も暮れたのでクワガタを求めて街灯の下を歩く。数百メートル歩いたものの、1匹も見つけることはできなかった。もう寝よう。
95/7/某日(翌日)
山形県、新潟県
朝、目覚めて朝食。温泉近辺の雑木林を見回ったが何もいない。同僚の一人(新潟出身)が以前でクワガタを採った場所を口にしたので、そこに向かって車を走らせることにした。地図も何もないので、どこにあるかわからない。彼によると、山形側にあるという記憶しかないようだ。
まあ新潟方面に行けば何とかなるだろうと、国道を走る。当然目はクヌギを探しているが、ない。怪しい雑木林を見回るが、何にもいない。
なんと、その国道沿いにその地名はあった。びっくりした。車を停めて、数kmも山の中を歩き続けた。クヌギの林もある。胸を躍らせて近づいてみるが、何もいない。絶望感いっぱいでジュースを飲む。暑い。
近隣の村などを探索してみたが、何も見つけることはできなかった。そこから関越経由で練馬まで休憩なしで車を運転して帰った。タフだ。
【今、振り返っての感想(1999年7月28日)】
当時はインターネットよりも、パソコン通信が全盛の時代であった。クワガタには興味はあったが、まさかパソコン通信上でそんな話題があるとも知らず、幼少の頃の知識だけで山形まで行ってしまうとは本当にバカである。(^^;) しかし、この精神は今も変わっていない。
インターネットでクワガタのWebに出会ったのは、これより1年後である。
クワガタがほとんどクヌギにしかいないと思っていたり、街灯を回るのに懐中電灯も持ってなかったり、今考えると本当におもしろい。(^^;) しかし、この無鉄砲な行動力は大事にしたいと思う。クワガタは買った方が早いなんて、淋しすぎる 。
今、同じところを回れば、きっと全然違う結果になるに違いない。もう一度、あそこへ行ってみたいと思う最近のあ〜である。
1999.7.28