99/10/23

福島県

採集をたった1週休んだだけで、生活のリズムは狂うわ、気分は乗らないわでロクなことがなかった。とにかくどこか行こうと思って、例によってクワ道さんといろいろ考えていた。最終的には千葉でオオクワ・ヒラタでも狙おうということに決定していた。あ〜も目をつけている場所があって、もしかしたら樹液採集ができるかも知れないと思っていた。材割か樹液か迷っていたのだが、こんな時期に樹液採集なんて聞いたことがない。しかし、これまでも自分の中では常識だと思っていたことが、行動を起こすことによって今年はいろいろと覆されている。樹液も狙ってみたいという気持ちはあった。実際に今月に入ってからクワ道さんと二人で5目を採集しているし、2週間前にはヒラタも採集できた。

しかし、このところの気温の下がり方は極端で、樹液採集を諦めさせられるには充分であった。心は材割に向かって切り替え中というところなのであるが、「採れなくなったこと」を実際に確認しないと今年は材割に気合が入れられない。カンちゃんの言葉を借りれば「夏離れできない」ということだ。

採集場所の候補の中に「福島」という言葉も出てきていたのであるが、これは却下していた。なぜなら、ちゃんと誘われたら行ってしまいそうだからだ。(^^;) 採れなくなったことを確認しておかないと、いつまでも未練が残るとは思っていたのだが、さすがに寒そうだし、遠いし、無駄足を踏むことはわかっていたので、これ以上自分をいじめたくなかった。(^^;) しかし、あ〜の中では夏は終わっていない。(^^;)


福島へ行きたくなる自分の気持ちを抑えつつ、千葉に決めていたのであるが、事態が一変したのが金曜日の夕方のクワ道さんからの電話であった。「昨日の福島の気温は26度やって」

ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜???(@o@)

それは行くしかない。(^^;) ヤナギさえちゃんとしてれば楽勝で採れるじゃないか!! 長らくヤナギにつくヒメの姿も見てないし、今年もう一回見ることができれば、これほど幸せなことはないだろう。

「行かないって言ってくれよ〜」という、るどるふさんの採集記の言葉が頭をよぎる。(^^;) クワ道さんが「行かない」なんて言うわけがない。(^^;) この時期になって、福島へ行くことが決まってしまった。(^^;)

本当に採れないことを確認するために行くんだ!夏を終わらせるために行くんだ!と自分に言い聞かせつつ、ちょっと期待しながらまたまた金曜日の夜に家を出るのであった.............アホか。(^^;)


東北道に乗った時点で気温は13度。思ったほど低くない。ほっとしながら北上するが、当然のごとくチェックするたびに気温は下がり、田島町ではとうとう6度まで落ちてしまった。それでも二人とも街灯を気にしているのである。「わしらはアホか」というセリフを車の中で何回言ったかわからない。完璧にビョーキだ。しかし、舘岩村に入る前に6度の中で街灯を舞う蛾の姿を発見してしまった。「俺はもしかして、何か期待しているのか?」ほんとにバカだ。(^^;)
当然、仮眠する場所へ直行するつもりで走っていたのだが、蛾の姿を見てしまったからには何か確認しておかなければならない。(^^;) なんと二人は気温6度の中、灯下ポイントで懐中電灯を持って車を下りてしまったのである。(^^;)

「さっぶ〜〜〜〜〜」

当たり前だ。もちろん何もいない。わずか2分の間に身体は冷えきってしまった。どこまでバカなのか.......

今日は山に登る前に仮眠を取ることにした。



林道で気温10度を越えてくれたら..........別に根拠はないが、そんな期待をしていた。何と言っても昨日は26度だ。

しかし、寒さによって目が覚めた。気温は8時半で6度をキープ。(;_;) 勘弁しちくり〜。(;_;)

林道へ登っても気温は6度。しかも雨が落ち始めた。(;_;) 「わしら、何しに来てんねん」何度言ったかわからない。(^^;)

「絶対に採れないことを確認しに来た」

「夏を終わらせるために来た」

「紅葉を見に来た」

「焼肉を食べに来た」

「温泉に入りに来た」

そう。そうなんだ!目的はいっぱいあるじゃないか!(^^;)

ヤナギなんか見てないふりして、しっかりとクワガタの姿を探しながら林道を走る。当たり前だけど何もいない。

しかし、とっくに他の木は黄葉したり葉っぱを落としたりしているのに、ヤナギだけは青々と茂っているのであった。だから変に期待をしてしまう。

黄葉の中、ヤナギは健在

どうせなら葉っぱも全部落ちてて欲しかった。濃そうなポイントでは「わしらはアホか」と言いつつ、一応車を下りて見てみることにした。

「さっぶ〜〜〜〜」

当たり前だ。6度なんて冬の気温である。夏が終わったことが大変よくわかった。


じゃあ朽木やろう!

ということで、たった今から材割シーズンに突入した。せっかく来たのだから、幼虫くらい割り出しておきたい。しかし材割をする心構えもあまりなかったので、すごい適当にそのへんの木を削った。

二人でブナの大木を削っていると、クワ道さんが「うわっ!」と悲鳴を上げた。その声で何が出たか、すぐわかった。

ナメクジである。(^^;) とにかくデカい。どうやって朽木に入るのか知らないが、とにかく気持ち悪い。二人合わせて4頭のナメクジを割り出した。(;_;) あとはゴミムシ類の集団越冬やオサムシの成虫などなど。

あっ、肝心のクワガタは出なかった。食痕すらない。何も考えずに削っても、あのあたりではなかなかヒットしない。

まったくもって、完全なボーズとなった。


林道を下りる頃には、気温は逆に5度→4度と下がった。雪でも降りそうな天気だ。さすがに紅葉狩りの人出は多く、いつになく混雑していた。

温泉に直行し、身体を温める。しかし露天風呂なので寒い。(^^;)

そして待ちに待った焼肉の時間がやってきた。(^o^) 相変わらず美味いのぉ〜〜〜。(^。^)

話によると、今週の月曜日には林道近辺には雪が降ったらしい。(^^;) そりゃクワガタもおらんわ。(^^;)


たらふく食べて、すっかり満足して館岩をあとにした。館岩〜西那須野塩原なんて、お天道さまが出ている時間に走ったことがないので、あんな風景が広がっているなんて知らなかった。(^^;) 「俺ら、こんな時間に帰ってええの?」なんて言いながら福島を離れた。
帰りは首都圏にて渋滞。フツーの時間に動けばこんなことになる。

何だかんだで、とうとう夏は過ぎ去った。ヤナギに葉っぱがついていたことには未練はあるが、いよいよ材割の季節がやってきたようだ。次回に備えて家でオノの素振りでも始めることにしよう。


今日の成果

ボーズ