特集!!ついにやったのか?!

98/6/20

山梨県

もともと6/20、21は福島の予定であった。しかも私は都合により不参加の表明をしていたので(21日に予定があったため)、今回は留守番のはずであった。が、19日に事情が慌ただしく変化を見せ、20日に5名で韮崎へ行くことになった。18日の時点では山梨方面の降水確率は80%、19日にはなぜか10%に変わり、それでも信用できないので雨具や着替えを全部揃えての出発となった。

参加者は、タカさん、チヌさん、ウチヤマさん、コンちゃんさん、あ〜の5名で、談合坂に8時集合に決定した。家を5時半に出て、ウチヤマさん、チヌさんを拾い談合坂へ。渋滞は全くなく7時過ぎには到着してしまった。あまりにも早いので給油しに行き、コーヒーでも飲んでましょうかと歩いていると、何とお二人はすでに到着されていた。挨拶を済ませ、いよいよ出発である。


第一ポイント

今回は全てタカさんまかせ。いよいよオオクワポイントを知ることができるということで、期待に胸が膨らんだ。最初のポイントは雑木林で、みんなお手軽な格好で足を踏み入れた。そこら中のクヌギが樹液を出していて、周囲に特有の匂いが漂っている。こんなところを千葉で探すのはなかなか難しい。残念ながらそこでは×であったが、夜行けば間違いなくたくさん採れるだろう。近くの川にもヤナギがあるということで、ヤナギには目のないあ〜がわ我がままを言って連れて行っていただいた。薮を分け入り果敢に潜入すると、洞にコクワ♂が入っていた。さらに下の洞にはノコ♂(大歯型)が入っていた。とりあえず両方採って、みなさんに報告し、リリースした。まずは幸先のよいスタートであった。それにしても暑い。雨も覚悟していたのに、完璧に晴れ上がった。完全な夏である。


第二ポイント

3台の車で場所を移し、第二ポイントへ向った。ここも樹液がすごい。こんなポイントを見たのは小学生の時以来である。日も高いのでカナブンしかいなかったが、その量はハンパではない。ここも夜に期待である。ここに車を置き、1台に全員乗り込むことにした。タカさんの車で行くことになったが、タカさんが「私はナビゲーションに専念したいので、どなたか運転お願いします」と言われたのを、今ここで採集記にしながら思い出した。実は再びここに戻ってくるまで延々とタカさんが運転したのだ。ああなんてこった。タカさん、ごめんなさい。


第三ポイント

コンビニでジュース、昼食を買い込み、いよいよ本格的なオオクワポイントへ突入である。1本目の台場クヌギですでに樹液だらだらで、カナブンなどが4〜5匹集まっていた。そこの洞にコクワらしいものが見えたが、奥に入られてしまった。そうこうしているうちに、タカさんはコクワ♂、スジをゲットしていた。あ〜は考えてみると、夏の韮崎は初めてで、台場クヌギが樹液を出しているのも初めて見た。

近くに穴だらけの小木があり、カナブンがたかっていたのでよく見ると、そこらじゅうにクワガタがいる。コクワ数匹、ノコ(原歯型)、スジ(大歯型)数匹、いずれも♂である。あ〜はスジの大歯型を見たかったので、ここでも密かに感激し、これは持ち帰ることにした。(が、ここらではスジは全くフツーで、この後いやと言うほど目撃することになる)

ポイントも教えていただいたし、台場の樹液も見れたし、スジの大歯型も見れたので、あ〜的には朝っぱらから大満足したのである。


第四ポイント

道沿いに台場クヌギが並んでいるポイントである。適当な間隔を置いているし、風通しも良い。ついでに見晴らしも良い。図鑑通りのポイントである。道端に車を止め、歩いて見て回った。

1本目に早くもカナブン数匹とスジが着いている。そこで初めて聞いたのだが、チヌさんはクワガタを拾ったことはあるけど、まだ木でゲットしたことがないらしい。このことは後々重要なポイントとなる。

3本目くらいでオオムラサキを発見、「写真、写真」とみんなで騒いで、チヌさんが撮ろうとしたが、うまく翅を広げてくれない。翅を広げさせようと、少し刺激すると逃げられてしまった。閉じた写真しか撮れなかった。

が、次の木にもまたオオムラサキがとまっている。今度はちゃんと翅を広げているぞ。チヌさんは急いでデジカメを準備し、オオムラサキに近づいて行った。あとはシャッターを押すだけというところで、「あっ」と言ってオオムラサキの方へ手を出した。何かと思ったら「ゲット〜〜〜!」と言ってクワガタを掴んでいる。これが記念すべき初ゲットとなったのであった。スジ3匹がかたまっていた。もちろんオオムラサキには逃げられ、写真も撮れなかったのである。

その後、数本が樹液を出し、クワガタを含むたくさんの昆虫が群がっていたが、スズメバチが活発に動いており、深入りは断念した。農家のおばちゃんと話をしたが、これが長い。まあそんなことはどうでもいいか。

再び車の地点まで戻り、逆方向へ歩いた。今度は下草が多く歩きにくいが、環境は先程よりも良いように思えた。数本を見た後、一見表からはクヌギには見えないツタだらけの塊をあ〜が発見、裏に回ってみると台場クヌギであった。太いが、大きな木ではない。半分は枯死しており、もう半分は生きていて、樹液も少し出ている。

と、そこにオオムラサキが飛んできた。ちゃーんと翅を広げている。「オオムラサキですよ〜」と叫び、みんなを呼んだ。3度目の正直でチヌさんは遂に翅を広げたオオムラサキの撮影に成功した。ウチヤマさんは既に次の木をつぶさに観察している。あ〜も発見者として誇らしげにウチヤマさんの方に歩き始めた。と、タカさんが、「あれクワガタだよ、でっかい♀じゃない?」とオオムラサキの木を見て言っている。慌てて戻ってみると、確かに大きなお尻が見え、穴に潜ろうとしているが、穴は小さくて潜れない。「オオクワじゃないの〜」なんて言うもんだから、とっさに木によじ登り、近づいてみると、やけに明瞭な背中の点刻とやけに角度のある背中から両脇へのラインが目に入った。「これオオクワですよ〜」「オオクワ〜?」「ええ、間違いないでしょう」なんて会話を交わしながら、ちょっと苦労してゲットした。40mm級の♀であった。

びっくりである。こんな白昼堂々と我々の前を闊歩していたのだ。もちろん韮崎にはオオクワ狙いで行くのであるが、正直言って採れるなんて思っちゃいない。あ〜なぞは既に

1.とりあえず、何度か通ってみる

2.やっぱり採れないことを悟る →樹液採集は諦める

3.季節になれば周辺の朽木を探して割ってみる

4.どうせ割れる朽木なんて残ってない →やっぱりダメか

5.みんなで行ってりゃいつかは採れるかねえ

な〜んてビジョンを立てていて、この日がその第1段階の日であったのだ。苦節何年なんて感じで、採れたときはうれしいだろうなあと数年先のことを想像していたのだが、いきなりゲットの瞬間に立ちあってしまった。もちろんうれしいのであるが、びっくりというか、唖然というか、そういう感が強い。

それにしても、オオムラサキをあれだけ見てて、何も気づかなかった我々は一体何者なのか....甲虫類は小さいものしか目に入らないらしい。


第五ポイント

まだ午前である。カブトムシやスジを発見したが、全てリリース。


第六ポイント

冬来た時に、けっこう歩き回ったところであるが、下草が大きく育ち歩行は困難であった。みんなオオクワに満足したのか出足は鈍く、ウチヤマさんと二人で薮の中に突入した。1本だけ滝のように樹液を出した木があり、カナブンが30匹、コクワ・スジが5匹ほどいた。気分が悪くなるほど猛烈な樹液とその匂いであった。先程のポイントも近く、夜になったらもう一度来ると心に誓ったのであった。


第七ポイント

ようやく午後である。カナブンの大軍の木を発見した。これはチヌさんが撮影したので、後日掲載しよう。夜行ってみたいポイントである。


第八ポイント

タカさんがのろのろ車を転がしながら、他の4人は歩いて見て回った。あ〜はノコをゲットし、これは持ち帰ることにした。暑い。


第九ポイント

樹液を出している木がほとんど見つけられなかったが、タカさんとコンちゃんさんはけっこう見つけたらしい。昼間はカナブンの天下で、機会があれば夜回りたい。


第十ポイント

とてもいい感じのところであった。カブトを採ったがリリース。すでにコクワ、スジには目もくれない。偉くなったものだ。ここでマムシに遭遇、最近よく見るなあ。夜に備えて一旦休憩を入れることとなり、第三ポイント近くまで戻ることにした。1時間ほどお茶を飲んだ。


第四ポイントへ

夕方になり、期待を膨らませ出陣だ。何せ今日はオオクワをゲットしている。期待度が全く違うのだ。日が沈む前に第四ポイントをチェック。まだカナブンとスズメバチが大量にいて、コクワとスジしかいない。ひとまず第三ポイントへ向うこととした。


再び第三ポイントへ

まだ日が没していなかったので、第三ポイント近くを見回った。これはあ〜が3月にアカアシを割り出したところでもある。

あ〜   :「アカアシ採りたいなあ」

コンちゃん:「アカアシ好きなんですか?」

あ〜   :「そうなんですよー、この前も.....」

チヌ   :「アカアシゲット〜〜!」

何じゃそりゃー?この日はアカアシのアの字もなかったのに、アカアシの会話中にチヌさんがゲットしてしまった。立派な♂である。ありがたく頂戴した。

第三ポイントではコ・スジ・ノコはいたが、特に成果なし。


聖地:第四ポイントへ(三度目)

いよいよオオクワ狙いで例の場所へ。すっかり暗くなったのだが、スズメバチとカナブンは残業中であった。期待して行ったが、結局成果なし。そううまく行くはずはない。あの♀は枯れた部分に産卵に来たのだろうという見解で一致した。今度からは夏も朽木部分は見逃せないかも.....


最後は第六ポイントへ

あ〜の我がままで第六ポイントへ寄っていただいた。あの滝のような樹液にクワガタが来ないわけがない。あ〜の知っている近道を通っていただいたのだが、なんと道にはクモの巣が無数にはられている。タカさんの車はクモの巣を20コほどかぶり、ボロボロになってしまった。(タカさん、何度もゴメンナサイ)

朝と同様、ウチヤマさんと二人で薮に突入したが、いきなりウチヤマさんが見えなくなり、それからは単独での敢行となった。朝作った道にはすでにクモの巣が無数にはられ、それを壊しながら進んだが、完全に道を見失い、気づいたらポイントをかなり行き過ぎていた。慌てて戻ったが右も左もわからない。しかし偶然にも目標の木にたどり着くことができた。見事にカナブンは撤収していたが、コクワ1匹とアリしかいない。これには参った。無事に車まで戻ったが、みなさん心配されてたようで、どうもすみません。すっげえ怖かったっす。


21:30頃解散ということになった。非常に疲れたが、いちばんお疲れなのはタカさんであろう。それにしてもこの日の水分摂取量はハンパではなかった。その割にはトイレにはあまり行かない。全部汗になったようだ。

帰りはワールドカップを聞きながらあっという間に到着した。大大大満足の一日であった。