99/6/5

山梨県

今シーズン初めての本格的樹液採集だ。気温もぐんぐん上がっているし、気分も昂ぶってくる。クワ道さんとコンちゃんと3人で山梨へ出かけた。

現地集合7時と決めているにもかかわらず、あ〜は6時に到着するペースで4時半に家を出た。ところが5時ごろにクワ道さんから電話があり、もう着いたという。(^_^;) どうやらコンちゃんと二人で夜中からひと仕事してきたらしい。


【第一ポイント】

6時に二人と合流し、川沿いのポイントを見回る。いよいよ秘密兵器の登場だ。樹液もたっぷり出ており、コクワがたくさん入っている。その写真を撮ったのだが、ファイルが破壊れていた。代わりにコンちゃん名物のひげ剃り写真を載せておこう。(^_^;)

やっぱこれだね。(^_^)

秘密兵器の効果は素晴らしい。しかし、ここではコクワしか採れなかった。(;_;) クワ道さんも秘密兵器を使用したが、ボクトウガの幼虫を引き出しただけで終わってしまったらしい。(^_^;)


【第二ポイント】

以前クワ道さんがアカアシとヒメオオをゲットしたポイントに案内してもらうことにした。クワ道さんが自力で開拓したポイントである。アカアシ好きのあ〜としては楽しみな場所だ。(^_^)

ポイントに到着すると、ヤナギやシラカバを中心とした広葉樹林であった。素晴らしいところだ。問題はアカアシ・ヒメオオが発生しているかどうかだ。第一ポイントで30度近くあったが、ここは17度くらいしかない。ヤナギの枝を見てもクワガタらしき影は全くない。期待を込めて木を揺らしてみると、「ぱらぱらぱら」「ぱらぱらぱら」と空しく葉っぱが落ちてくるだけであった。(;_;)

とにかくせっかくここまで来たのだからと可能なかぎりヤナギを揺らしてみた。諦めかけたころ、「ポトッ」と音がして、見てみるとクワガタが落ちている。「コクワ目」になってしまっているあ〜には一瞬何かわからなかったが、立派なアカアシの♂であった。とても嬉しい。(^_^)

第2目。アカアシ♂

やっぱアカアシはかっこいい。ここではこの1頭だけであったが、早くもコクワに続き2目を達成した。この場所の下にまた素晴らしいヤナギ林を発見した。さんざん見て回ったがハルゼミの大合唱が聞こえる以外は何もなかった。本格的なシーズンになればヒメオオ・アカアシはタコ採れであろう。50オーバーを目指してまたやってくるに違いない。

しばらくポイントの新規開拓を行う。なかなか雰囲気のいい場所がちらほらと見つかる。8月くらいが楽しみだ。ミヤマくらいは出ていると思ったが、残念ながら見つからなかった。

案外声の大きいハルゼミ

時期が早すぎるのか、時間帯が早すぎるのかは判断できなかった。とにかくもう一度8月に来たい。


一旦ここでブランチ。作戦会議を行う。クワ道さんとコンちゃんはたこ焼きの食べ過ぎで苦しんでいる。(^_^;) ホームセンターで懐中電灯を購入し、次のポイントへ向かう。
【第三ポイント】

ここから先はオオクワ狙いで樹液の下見だ。

前回コンちゃんが下見に来たときに見つけておいた樹液を見回る。あ〜は直接見ていないのだが、コクワ・スジが多数集まっていたようだ。スジを見つけて3目達成だ。


【第四ポイント】

車をまとめて、クワ道さんの車に乗り換えた。

クワ道さんが以前オオクワをゲットしたあたりを見回った。雨がないせいか、樹液はほとんど出ていない。(;_;) とにかく目につく虫の数が少ない。これではあまり期待できそうにない。なんと、ここでクワ道さんは秘密兵器をどこかに落としてしまったらしく、紛失してしまった。この秘密兵器を使用して採集した虫がボクトウガの幼虫1匹とはなんとも哀しいものがある。(^_^;)

樹を見ているうちに他の採集者と遭遇した。2人連れであったが、その人たちは見事にオオクワのペアをゲットしていた。2週連続でゲットしたらしい。(^_^;) そして55mmほどのヒラタまで採っていた。すごい。(@_@)

さあ、樹液がほとんど出ていないとなると、見せつけられたヒラタがだんだん目の裏を支配し始める。(^_^;) 3人とも同じだ。(^_^;)「ヒラタ行っちゃおうか」という話に当然なってしまうのだ。(^_^;) ということでヒラタポイントへ行くこととなった。


【第五ポイント】

ポイントと思われる場所に到着した3人は思い思いの場所でルッキングを開始する。さんざん見て回るが洞に入っているのはコクワばかりだ。しかも個体数は少ない。かなりの距離を歩いてげっそりしてきた。「何でや〜〜〜〜〜!!」の繰り返しである。(^_^;)

アカアシゲットからかなりの時間が経っていたのでここまでくると意地だ。少し場所を移動してみることにした。気合を入れ直して再びルッキング開始。ちょっとポイントを変えただけであったが、今度はハナムグリの数も多いし、コクワの数も圧倒的に多い。イケそうな感触がある。

ポイントの風景

と、クワ道さんが「♀が採れた〜〜〜〜!!!」と叫んだ。走って行ってみるとでっかい♀を手にしている。コンちゃんもやってきて「間違いない、ヒラタだ!」 4目達成だ。

それが採れる前にクワ道さんは小さいのを2頭採っていた。しかも1頭は♂であった。(^_^;) 知らない間にクワ道さんはヒラタのペアを採っていたのだ。(^_^;) これがクワ道さんのヒラタ初ゲットとなった。(意外だ)

とにかくみんな大喜びだ。一気に気合が乗ってくる。目の色を変えて探し始めた。んが、気づいてみると秘密兵器がなくなっている。(^_^;) なんてこったい!!どこかに落としてしまった。(^_^;) もはや見つかるはずもない。しかしクワ道さんは秘密兵器をなくした代わりにヒラタを採っている。変な期待をするあ〜であった。(^_^;)

次はコンちゃんが手で「○」を作りながら走ってきた。どうやら採れたらしい。

第4目、コンちゃんの手に乗るヒラタのペア

見事な新成虫だ。しかし、コンちゃんはでっかい♂を落としてしまったらしい。完全に50mmは越えていたようだ。「落としのコン」は今シーズンも健在である。(^_^;)

こうなると、あ〜としてもヒラタを採らなきゃおさまらない。エンジンフル回転で探し始める。相当な時間を費やして、めちゃくちゃな距離を歩き、さんざん探し回ったが、コクワしかいない。(;_;) 何でや〜〜〜。 クワ道さんもコンちゃんも疲れが見えてきたので、さっきクワ道さんが採ったポイントへ戻ることにした。

帰りがけにコンちゃんが落とした地点をチェックする。が、Null。隣の木を見てみると、でっかいクワガタが枝にとまっていた。しかもペアだ。おそるおそる寄ってみると、何やら♂の大アゴが随分波打っている。ノコであった。何でヒラタちゃうねん。(;_;) でもこれを採れば目標の5目達成だ。慎重に手を伸ばすと.........ポロ。落ちた。(;_;) 急いで探したが、♀の方しか採れなかった。(;_;)

ちょっと期待して、クワ道さんの採った場所へ帰り着いた。コンちゃんが、「あ、ヒラタ!」と言ってあっさり樹液で捕まえる。さすが福島で鍛えただけあって、ヤナギにつくクワガタは見逃さない。時間的にもそろそろ野外活動を始める時間だ。クワ道さんも上方の洞であっさりヒラタをゲット。あ〜は.......

近くのヤナギの洞に潜むノコの♂を見つけた。こんなのばっかり。(;_;)

第5目、ノコ♂。原歯型がこの洞にいる。

このノコを採った木で、クワ道さんはまたもや大型ヒラタのペアを発見。♀は採れたが、♂は洞に潜り込んだようだ。格闘する間にあ〜はコンちゃんが落とした場所まで戻って見てみたが、×。

ピンボケのノコ

結局クワ道さんが5頭、コンちゃんが3頭、あ〜が0頭、計8頭のヒラタをゲットした。逃げたものを含めると11頭となる。あ〜はどれにも絡んでいない。(;_;) ヒラタ採りたい.......(;_;)

一旦車を置いてある場所に戻ると、車に紙が挟んであった。違法駐車を指摘する紙かと思ったが、読んでみるとあいあんさんからの激励の手紙であった。びっくり。(@_@) 電話してみると、ドライブで来られたらしい。


【第六ポイント〜】

再びオオクワ狙いでポイントを回る。途中でとんでもない場所に迷い込みながらのルッキングであったが、どこへ行っても樹液がほとんど出ていない。しかし、なぜかコクワとスジはたくさんいる。

第3目、スジ

4〜5ヶ所を回ったのであるが、どこも同じ結果であった。樹液が出ていないというのが敗因である。


ここで採集は終了。いつものように温泉へ行った。なんとも気持ちがいい。だが今日は閉館時間が迫っていたのであまりゆっくりもできなかった。そして、いつも昼に食べる角切りステーキを今日は夕食とした。イレギュラーなパターンだが、夏はこのスタイルが定着するかも知れない。ここで解散となった。

今日は、今年初の樹液でのアカアシ、スジ、ヒラタ、ノコゲットができ、なかなか満足できる採集であった。めでたしめでたし。


というわけにはいかない。ヒラタが採れなかったのが悔しかったのだろうか。解散してからあ〜は7目を目指して灯下採集に出かけたのであった。アホである。(^_^;) 狙いはミヤマとオオクワだ。

懐中電灯を助手席に置き、真っ暗な山道を走る。自販機や街灯のたびに停まって周囲を照らしてみるが蛾とコガネムシしかいない。(;_;)

途中でトンネルの側道に入り込んでしまった。とても狭い道で、あ〜の車ならタイヤの左半分は空中を走っている場所もある。よりによってそんな道に夜中に一人で入り込んでしまった。先週の福島脱輪事件が記憶に新しいだけに、そんな道をバックで引き返すなどもっての外である。冗談じゃない!!どこかでUターンできる場所を探して強硬に前進することにした。ガコガコとサイドをこすりながら前進する。もう後戻りはできない。

が...........しばらく進むと目の前は草ぼうぼうとなってしまった。文字通りお先真っ暗である。(^_^;) さあどうしよう。といっても、これを強引にバックするしか道はない。

真暗闇の中、一人で汗だくになりながらスーパーバックをする。ここで脱輪したらいっかんの終わりだ。しかし、とにかく視界が悪い。左側は何も見えないので、右側ギリギリを走るしかないのだが、草や樹が張り出していて、道と山の境界もわからない。

と、突然ガガガガガガという音とともに車が左に傾いて止まった。頭の中が真っ白になった。車を降りて懐中電灯で照らしてみると、左の前のタイヤが物の見事に脱輪していた。前は腹をこすっている。いっかんの終わりだ。(;_;) ここは福島と違って携帯の電波は届くが、レッカーが入ってくるなど全く不可能な道である。間違いなく車を捨てて帰らなければならない。真暗闇、一人、道幅ギリギリ.....前回とは全く状況が違う。恐怖感と絶望感に支配された。

それにしても、先週あれだけひどい目に遭っていながら、この状況。バカ以外の何者でもない。もう救いようがない。冗談にもならない。

そんなことを考えていたが、とにかく何とかしなければ。こうなったら助かる道は自力での脱出しかない。もう一度懐中電灯で状況を確認し、脱出ルートをない頭で必死に考えた。今回も左側は崖であったが、助かる道はないので完全に開き直って、思いっきりアクセルを踏んだ。出た!何とか脱出である。(^_^;) 汗びっしょり。ほっと胸をなで下ろす。

しかし、道は半分以上残っている。気を抜くわけにはいかない。急激な坂でバックで坂道発進をする。こんなことは初めてだ。そして横をこすりながらの切り返し。10回ほどバックの坂道発進で切り返しをして死ぬ思いで脱出を果した。

も〜〜いやじゃ〜〜〜〜。(;_;)

みなさんも、狭い道の運転には気をつけましょう。