99年2月13日

茨城県


本来、韮崎へかずっきーさんと行く予定だったのだが、生憎の雪により今回は断念せざるを得なくなった。クワ道さん、コンちゃんと仕方なく茨城を攻めることにした。ターゲットはいつものようにオオクワとヒラタである。
今回はSAに10時の集合だ。いつもの双葉7時に比べると随分ゆっくりである。8時57分頃クワ道さんに電話をしてみると、「着いちゃいました」とのこと。毎回ながら笑わせてくれる。大急ぎで常磐道へ飛び乗った。コンちゃんもクワ道さんと同乗。最近のパターンである。赤いSURFともしばらくご無沙汰している。


高速を下りてから目的地へ向かう。目的地と言っても新規開拓だからはっきりしたターゲットはないのだが、途中に何度も何度も車を下りて探索したくなるような場所がある。誘惑に負けないように必死で運転していたのだが、 途中でとうとう耐えきれなくなった。一旦通り過ぎたあと、車を切り返して戻ってしまった。

外は天気はいいのだが、風が強くとても寒い。とりあえず目的地に着くまでの予行演習ということで軽く見回ることにした。クヌギ林の横を通って小高い丘の上へ登る。なかなか適当な切り株や立ち枯れが見当たらなかったが、クワ道さんは丘の頂上あたりですでに適当な木を見つけたらしく動かない。丘の頂上から林の脇に続く道沿いに立ち枯れが数本あり、ナタを入れてみると、いきなり♂の大アゴが1本出てきた。木の中を見ると、片方大アゴのなくなったコクワが.......やってしまった。

コンちゃんもまったく動かなくなった。近づいてみると、すっげえ状態のいい立ち枯れを削っている。動かないわけだ。近くにもう1本エノキの立ち枯れがあったので削らせてもらった。またもや第一刀で♂の大アゴが......かなり大きめのコクワであった。またやってしまった。その木は成虫は1頭のみだ。1頭だけかなりLサイズの幼虫の死骸があった。ちょっと気になる。

一通り削ったので、コンちゃんのところへ戻ってみた。かなり大量のコクワを割り出している。いつになく慎重に削っていた。それほど素晴らしい立ち枯れだ。コンちゃんは今度は残った根の部分を削り始めた。あ〜は倒れた立ち枯れの方を削らせてもらうことにした。

第一刀を入れたところで、「うわぁ〜〜〜、でけぇ〜〜〜〜〜!!!」最近まれに見るデカい幼虫がいきなり出てきた。クワ道さんも駆け寄ってきた。取り出して見てみると、アゴの先は湾入している。かなりげっそりしながらも、大型幼虫の出現に喜んでいる3人であった。ほんっとに状態のいい立ち枯れだ。道具を使わなくても簡単に削れる。韮崎ではこんな経験はほとんど記憶にない。大騒ぎである。我々シロートはノコでもこれだけ騒げる。安上がりでいい。

今度は立ち枯れ部分をクワ道さんが削った。引越のサカイの歌は歌っていなかったが、いきなり「うわっ!アカアシや!!」と叫んだ。標高はきっと30mもないだろうし、緯度も低いのでそんなはずはないと思ったが、慌てて見てみると確かに腹の真っ赤な♀だ。「あっ、ほんまや〜」と言ったが、ひっくり返してみるとノコであった。羽化間もないのだろう。それにしても、ノコは土中に蛹室を作るとばかり思っていたのでこれにはびっくりした。また一つ賢くなった。2月にノコの成虫を採集したのは初めてだ。

こんな時期にノコの成虫が。しかも朽木から。

結局立ち枯れ部分や土中の根の部分から幼虫、成虫を出し、3人ともかなり満足した。

成果の一部。1頭でもヒラタになって欲しい。


気づいてみると、目的地のすぐ横まで来ていたようだ。が、何となく車を走らせて新規のポイントへ。

南斜面の立ち枯れを数本探してみたが、あまりよろしくなかった。風が身にしみる。


結局目的地へ戻り、探索することにした。が、ここではまったく成果なし。仕方なく近くをひとまわりすることにした。

数百メートル走ったところに大きなクヌギの木が見えたので、車を下りてみることにした。近づいてみると、台場チックなクヌギもある。洞が大きく空いており、夏にも期待できるかも知れない。写真を撮ったのだが、ファイルが壊れていて開けなかった。残念。

ここにも立ち枯れが数本あったのでさっそく削ってみた。韮崎と違って人の入った形跡がまったくないところがいい。残念ながらコクワしか出ないが......

ある程度ナタの入ったところでポッカリと空洞ができた。中から40匹ほどのカマドウマが飛び出してきた。集団越冬をしていたらしい。あ〜は平気で削っていたが、コンちゃんもクワ道さんもカマドウマがダメらしい。あ〜がダメなのは毛虫とイモムシである。結局ここではコクワのみ。


昼も回っていたので、そろそろ食事にしようということになった。ようやく車を置いて1台で移動することになった。目標は美味いステーキを食べること。一足先に車に飯を食わせ、ステーキハウスの新規開拓である。しかし、走れど走れどそれらしいものはない。それどころか、ラーメン屋1軒・自動販売機1台も現われなくなった。国道まで出ると、それなりに店は現われるものの、半分以上は潰れていた。空腹に耐えられなくなったのでステーキは断念し、ついに1軒の定食屋にたどり着いた。長い道のりであった。
3人で焼肉定食を平らげて、新たなポイントを探しに出かけた。相変らず風が強い。クワ道さんのインスピレーションで脇道に入り進んで行くと、千葉のポイントのような風景が目の前に広がった。すかさず車を下りて探索だ。立ち枯れを倒してみると縦横無尽に食痕が走っている。よ〜〜〜し、と思いながら掘り進んだが、コクワの幼虫が1頭出ただけ。何なんだ???

けもの道のようなところを進んで行くと、信じられないことに対向車が来る。その車が来た方向を見ると、一面クヌギの山であった。当然のようにその山へ踏み込む。状態のいい切り株が何本もあったが、あ〜は何も出せなかった。クワ道さんはコクワを出したようだ。コンちゃんはある事情でズボンを汚してしまった。気分は温泉モードへ切り替わる。


今度は温泉の新規開拓だ。地図に載っているのは観光地の温泉だ。しかも遠い。これは自分の足で健康ランドや町営の温泉などを探すしかない。情報なしでのチャレンジである。

さあ出発というころ、Y隊員から電話が入った。今日はY隊員は事務所のN君と釣りに行ったはずだ。釣りに行ったところで実はオオクワが採れるから夏に行こうという話であった。絶対行くと約束して電話を切った。いい友達を持って幸せだ。

さて温泉である。これが全然ない。食事をするのにあれほど苦労したのでかなり困難である。とりあえずは町中で健康ランドを探そうということになった。「看板に注意だ」とコンちゃん。クワ道さんは運転しながら全部の看板を読み上げる。「おいしいまんじゅう 30円」「工事中」「日立の流し台」......ダメだ。陽も暮れかかっている。諦めかけた頃に町営の温泉を見つけた。

双葉や明野よりも高額であるが、プールも使えるらしい。そしてサウナや露店風呂など、完全に満足させてもらった。申し分ない。惜しむらくは「梅ソーダ」だ。ここにもなかった。しかし、次回から通い詰めることは間違いないであろう。


どうも我々は午前中の活動が勝負になるようだ。昼食を取ってからはいつもパっとしない。精細を欠いてしまうのである。やはり7時集合というのがいいようだ。ワイルド目指して7時。

それと、採集方法。オオクワ・ヒラタ狙いというのはきっとおかしいのだろう。採り方も全然違うだろうから、次回からはターゲットをはっきりさせて活動しよう。ということにした。

でも楽しけりゃ何でもいいけどね〜〜〜〜。(^o^)