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「海賊対処法」衆議院再議決反対!憲法審査会規定強行採決反対!

日本が、法によって統治された文明国家とはとても言えないような行為が、今、国会内で平然とおこなわれています。


麻生政権は、ソマリア沖およびジブチの軍事基地に海自艦隊、空自P3C部隊、陸自中央即応部隊を派遣し、ソマリア沖で「アトランティス作戦」展開中のEU軍、およびアメリカの合同任務部隊151の実質的な指揮下でそれらの部隊をすでに活動させています。これはもう法の拡大解釈などと言えるものではありません。

国会を無視し、法的な根拠のない自衛隊派兵を強行したのです。こうして、すでに活動している部隊の、活動を規定する法律を、まともな審議もしないで、事後的に、強行採決しようとしているのが麻生政府なのです。国会なんて、政府の事後的追認をすればいいんだと言わんばかりに。

これは、麻生首相による立法府の公然たる侮辱ではないですか。


選挙で頭がいっぱいの与野党の国会議員の皆さん!議員の役目を果たせていますか!


議員の皆さんが平然と「海賊」と言っている自衛隊の武力行使の対象は、崩壊国家ソマリアの地域有力者の下に、貧窮にあえぐ漁民から反米イスラム原理主義者まで、広く包含する武装集団であって、単なるモノ盗り集団の類ではではありません。いやそもそも、EU軍、米合同任務部隊151は中部アフリカの資源争奪戦の巻き返しを展望してこの作戦を開始し、それに対抗する中国は築いてきた権益の防衛のために戦後初めて海軍をソマリア沖へ派兵しているのです。つまり、「海賊対処」などという素朴な話ではありません。

21世紀における、レアメタル、エネルギー資源の利権再分割をめぐって、欧・米・日VS中・露…印などが競ってアデン湾に軍艦を展開しているのだ、と言わなければなりません。こうして、日本政府は、戦後初めて、自国の経済的権益の防衛のために軍隊を派遣したのです。海賊退治に名を借りた集団的自衛権の行使であり、古典的とも言うべき軍事的威嚇そのものなのです。


これほどまでに憲法を無視し、踏みつけにした政府があったでしょうか。

こんなに無法なことを平然としておきながら、何が憲法審査会の規定の採決なのでしょうか。愚弄するのもいい加減にすべきです。

しかし、総選挙の敗北に怯える与党は、総選挙前に、衆議院だけでもかけ込みで、憲法審査会の規定を通してしまおう、と必死なのです。でもこれ以上、こんなでたらめを許すわけにはいきません。

私たち市民一人ひとりが、ソマリア周辺への自衛隊の派兵にも、改憲に向けた憲法審査会の規定採択にも反対の声を上げていこうではありませんか。今日このとき、こうした反対の声を総選挙での一票に先送りしたり、選挙運動に埋没させるべきではないと思います。

選挙は選挙。反対行動は反対行動。


憲法の改悪を絶対に許さないために、それぞれの足場から、創意工夫を凝らして、あらん限りの声を上げていきましょう。

          2009年6月15日

第9条の会・オーバー東京    

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