オーバービーさんからの新年によせるメッセージ

原文はこちらにあります

チャック、オーバービー博士
第9条の会/USA
7815 Angel Ridge Road; Athens Oh, 45701; 740-593-5759
overbycm@hotmail.com;wwwarticle9society.org

2009年1月

ご挨拶 ――親愛なる日本の9条を愛する皆様へ、2009年丑年に

 私は昨年2008年11月3日、第二次世界大戦後にできたすばらしい「戦争放棄」を謳う9条をもつ日本国憲法の62年目の憲法記念日にもお話しましたが、今日では希望を見つけることが難しくなってきています。そして今私は、ガザ地区での新たな殺戮に対してはげしい怒りにつつまれています。

 しかし、このメールは希望のメッセージであります。話を始める前に、19世紀のイギリスの作家であるチャールズ、ディケンズの1859年に書かれた小説である『二都物語』――これはフランス革命当時のひどい時代のことについて書かれたものでありますが――からの言葉を紹介したいと思います。ディケンズは彼の小説を次の言葉で始めています。「それはあらゆる時代を通じて最良の時代であると共に最悪に時代でもあった」と。ディケンズの言葉を少し入れかえさせて下さい。「それは最悪の時代であると共に最良の時代であった」と。このようにして今回の私からのメッセージも「悪い」ことから紹介しますが、最後に「良い」ことを書いて終わろうと思います。

 悪いニュースというのは、この美しい惑星である地球において(これは日本も含みますが)、全世界的規模での金融市場、信用制度、そして地球上の全面的な経済システムの崩壊によって、1930年代の世界大恐慌さえホリデイ・ピクニックのように感じさせてしまうほどのすさまじい大混乱がやってくると私は思います。

 悪いニュースが続きますが、私たちのこのアメリカ合衆国は(特にこの過去8年間のブッシュ、チェイニーによる政権時代に)強欲により「自由市場」「規制緩和」「民営化」という空虚な神殿を過大にまつりあげたことにより、この恐ろしい大混乱への道を率先して歩んでしまったのです。これらのものは共同体(コミュニティー)を破壊しました。コミュニティーは私たち人間がともに集まり、この美しい地球上で姉妹・兄弟として、人間的で創造的で、人間として尊厳に満ちた生活が営めるようにするために必要不可欠のものです。欲に駆られた追求により、私たちはこの美しい母なる地球の「贈り物である資源」不必要に消費しています。そして技術と科学の力に頼り、これらの大規模な資源を「GTBT」(設計によるグリーンテクノロジー)による資源保護と汚染のないシステムで開発すべきなのに、それらの努力が全くなされていません。
こうした無責任な行動のおかげで、私たちアメリカ合州国は不道徳と反発を買う行為を一掃させるべきなのに,尊大にしておろかな「石油」と「麻薬」の戦争を続けています。そして私たちの住む地球という惑星を「地球温暖化」により火星のような生物のすめない場所にしていく方向へすすめました。

それでは今から三つの「よい」ニュースについて話したいと思います。―
1) バラク・オバマ
アメリカ合衆国は大統領選挙で、世界的規模の災害の根源であったジョージ・W・ブッシュ(副大統領であるチェイニーの代弁者)に替わり、バラク・オバマを新大統領に選びました。
2) 勇気のあるイラクのジャーナリストであるムンタダル・ザイディ
彼は、2008年の12月半ばにイラクで行われた記者会見で「これでおさらばだ…この犬野郎。」と叫びながら、ブッシュに彼の靴を投げつけました。
3) イラクとの間で新しく設定されたSOFA(地位協定)と条約
この中で、アメリカ軍がイラクから撤退する計画が取り交わされています。イラク・アメリカ間で取り交わされたSOFA協定と条約を、日米間で取り交わされた地位協定と安全保障条約とをくらべてみると、あなた方日本が米軍を日本から撤退させるための計画を設定することが可能かもしれません。

このようにオバマが選ばれたことにより、いくらかの希望がもたらされましたが、しかしながら「大企業−軍隊−政府」の一体となった支配、それが操る金、そして情報をつたえることのできない従順なメディア――これらのとても支配的なことを考えると、この私達の「希望」は、なんだか小さいねずみが大海の水位が上がることを期待して、海にむかっておしっこするような意味のないことかもしれません。

私は、オバマ政権はブッシュ政権がしたような「戦争による支配」より「法による支配」に力を入れるのではないかと思います。あなた方の憲法9条は国家間の関係の中で世界の中の最も重要な「法による支配」の大きな例であります。オバマが選ばれたことにより、私は9条を破壊するようなアメリカから圧迫は少し少なくなるのではないかと見ています。

このようなことから、日本がこの地球という美しい惑星において、非暴力的に世界のすべての人類に「国境のない9条」を訴えていくことが少しだけですが、今までよりやりやすくなったのではないかと思います。すなわち、憲法9条という名誉のバッジをつけ、世界中の平和と正義のために非暴力的、非軍事的で協力的な活動をする日本がその他の国々の憲法にも9条の知恵を取り入れることを進めてもらいたいです。私の書いた本や記事にもこれらの事に関してより詳しく記してあるのでどうか参考にして下さい。

平和を願って


チャック、オーバービー


(翻訳:第9条の会・オーバー東京)

お知らせにもどる

ホームへもどる