2014年5月15日

安保法制懇報告書提言反対  集団的自衛権行使を合憲化するな!
日本をアメリカと共に戦争する軍事強国にするな!  憲法改悪反対!

安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」は集団的自衛権行使を合憲化するための提言(すでに3ヶ月も前に出来上がっていたもの)を今週中に提出するとされています。安倍首相は、その提出のタイミングを窺ってきました。与党公明党を抱き込み、マスコミを使って、国民の目を欺くための最もいいタイミングを見計らっていたのです。つまり、政府は、すでに結論有りきで手続き上の緻密化にちょっぴりの時間を割こうとしているに過ぎません。こうした政府に呼応してメディアは、集団的自衛権行使を(1)限定的か、(2)個別的か、(3)全面行使かと騒いでいるにすぎません。自衛権の名のもとに政府の命令で武力行使することを大前提にした、三択クイズのような議論など人を愚弄するにもほどがあります。

安倍首相の腹は集団的自衛権の行使を合憲化することで固まってます。固まっているどころではありません。すでに「国際公約」までしています。「集団自衛権行使の行使を・・・歓迎し支持する」というオバマ大統領からのお墨付きをもって、NATO、欧州6カ国を歴訪し、「積極的平和主義」、実は集団的自衛権を皆さんと共に行使しますよと宣伝してまわり、行く先々で大いに歓迎されました。

皆さん。歓迎されるのはあまりにも当然ではないでしょうか。NATO諸国はすでにアフガン戦争・イラク戦争などで自国の若い兵士が多数殺され、国中で”もうごめんだ”という怨嗟の声が渦巻いています。そこへ「皆さんと共に戦うために日本の優秀な自衛隊員を送り込みます。兵器も資金もつぎ込みます」と安倍首相が申し出たのですから、軍事力削減を強いられている米国をはじめNATO諸国権力者が大歓迎するのはあまりにも当然なのです。

日本国内でも安倍政権は集団的自衛権の行使準備を着々と進めているではありませんか。米軍基地の島・沖縄は、今や米軍基地と自衛隊基地の島にされています。老朽化した普天間基地を返還し、辺野古に最新鋭の米軍基地を新設するためのボーリングを強行しようとしています。与那国島には陸上自衛隊の基地を配置し、日米共同で島嶼奪還演習を強化しています。米海兵隊と日本の自衛隊基地を強化し、恒常的に共同訓練を繰り返すのは、「国家安全保障会議」(わずか4人)の決定に基づいて、いつでも武力使用できる体勢を整えるためです。

安倍首相の命令一下、東シナ海どころか、邦人救出のためには自衛隊をナイジェリアに派兵し(石破)、シーレーン防衛のためはアデン湾、ソマリア沖へ、さらにはインド洋にまで展開しようとしているではありませんか。そしてその拠点基地としてジブチ自衛隊基地の拡充強化をも叫んでいます(小野寺防衛大臣)。迷彩服を着込んで戦車におさまった安倍首相のあの姿こそ、安倍首相が夢見ている軍事大国日本の姿だというべきではないでしょうか。そして、安倍政権はすでに防衛装備移転3原則で世界の武器市場参入を果たしました。軍需生産こそアベノミクス、第3の矢なのです。

シーレーン防衛? そこで漁業を営んでいる漁民たちを軍艦で追い散らせば漁民が抵抗闘争をおこすのは当然です。先進諸国が中東・アフリカ諸国の資源を強奪すれば、住民が反乱を起こすのは当然でしょう。中国習近平政権が農民・労働者・少数民族を弾圧すれば反乱が起こるのは当然でしょう。テロを生み出しているのは各国権力者たちです。国民の不満の矛先を、ナショナリズム・排外主義を煽り立てて戦争を煽るのが権力者の常套手段です。その先頭を切る安倍首相を退場させるために、すべての市民は共同し連帯しましょう。
 


「第9条の会・オーバー東京」