2010年11月3日の憲法公布日のメッセージに チャック・オーバービー(第9条の会/USA) 私が最近見た、前を走る車の後部バンパーに張ってあったステッカーの名言(注)を紹介しましょう。 「狂った文化を物さしにして健康かどうか判断できないよ」 私は地球の最も重要な宝のひとつである憲法9条を守っておられる皆さんに、ぜひ国際関係のなかで、みなさんの国が新しい道をさし示すよう、みなさんに努力していただきたいと心から願っています。その新しい道とは、病んだ文化から、より健康な文化を、私たち人類が育てることに役立つものなのです。私はこれを、皆さんが行なっている、第9条を守り、他のすべての国のモデルとするよう努力する活動に、さらに加えていただきたいと思います。説明しましょう。 私が申し上げる新しい道とは、第9条という名誉のバッジをつけた日本が、石油やその他の資源のための戦争を、母なる地球を破壊する人類の戦争を、非暴力的に押さえるために、役立てられるかもしれないと思うものです。その戦争は、私たちが資源を乱費して地球温暖化を引き起こし、火星のような無生物状態へと地球を必然的に向わせてしまうのです。 上記のことは、私のウェブサイトの論文(英文のみ)や『地球憲法第九条』(和文英文併記)のp.103〜203をご覧下さい。 以下のような道を見つけなければ、人類として地球に長く存在してはいないだろうと確信しています。 上記4つの、地球が必要としているものを、実現していくためには、アメリカで支配的に示されているような、無制限の市場経済によるあくなき資源消費の文化を変えるための新しいモデルが必要であります。アメリカの文化は、地球を取り巻く800もの軍事基地からなり、アメリカの税収の半分は殺人技術や、組織に投じられているのです。一方でGTBDの考え方や必要なものについては、何の予算も投じられていないのです。実現するに当たって、アメリカの軍事的支出は、地球上のすべてのほかの国の軍事費の約半分にあたるのです。 たとえ日本もまた、経済成長という精神に侵されているとしても、私は、日本が道をリードし、地球上のすべての国々にとってのモデル-−−絶え間なく、無思慮に浪費をもたらす経済成長ではなく、新しい人間らしい文化の存在−−になれると思っています。物質的なものでない消費の中で、成長しましょう。 日本は長い間、極めて高い質と、信頼の置ける技術をもった秩序あるものを設計し、製造する能力を見せてきました。たとえば、皆さんの国の文化は1970年代と80年代にこの種の高品質と信頼しうる技術をもって、アメリカの自動車産業を駆逐してしまいました。私が1981年に交換教授として日本に来たときに学んだように、高品質で高信頼度の製品を作るために、設計基準についての工学的な設計過程のはじめの部分について日本がとても大きな関心を払っていた事から、こうした実践が意義深い方法で実現されたのです。 私の未来図は、発達した国々と発展途上国が競い合うたくさんのGTBDシステムで、日本が新しいモデルによるリーダーシップを示してくれる事が一つです。これらは、非暴力的に、過去それぞれにあったような(1)今までずっと存在し続けてきた資源戦争と、(2)地球温暖化と呼ばれる母なる地球の消費戦争を非暴力的に減らす技術のシステムであります。 そうであるからこそ、日本の第9条を愛する皆さん、私は皆さんに、自分の国家に対して、GTBDに向かう地球の、世界のリーダーになるような方法を是非見いだし、そうする事で、全人類に向かって、私たちの国の戦争放棄の憲法が約束した事を実現するのだと、声たからかに叫ぶ事ができるような国にすることを強く願っています。
(注)アメリカでよく見られる車の後部バンパーに張られた自分の政治的な意思や思想などを主張するステッカーのこと。 |