北村事務所 所謂,線引き 上へ


 偕楽園方面から県道水戸神栖線(旧6号国道)を南下し,サントル千波の立体交差点で国道50号線を横断して,片側2車線の広い道に入ると両側は自動車のディーラー街で,左手に県庁の高層ビルが見える。県庁の脇を抜けると直ぐ県庁南通りと交差し,大抵はここの赤信号で停車することになる。信号を待ちながら右を見ると茨城ダイハツの本店があり,その左隣にホンダベルノ茨城北の店舗が並んで見える。

 この交差点を過ぎると,道路は中央分離帯が切れ,片側1車線に戻るが,この中央分離帯の切れ目でUターンし,茨城ダイハツとホンダベルノ茨城北の間にある小吹街道に抜ける幅員約5メートルの市道に入ると,北村事務所の看板が見えてくる。

 北村事務所から約150メートル程先に行くと,市道は急に狭くなり,自動車のすれ違いはできなくなる。だから,大多数の人は,前方から車が来るときは,ここで停車して車をやり過ごしてから狭い道路に入って行くのだが,時々,この礼儀を知らない人(奴)がいるから,世の中暮らしにくい。
 
 この道路の幅員が狭くなる付近が市街化区域と調整区域の境界線(いわゆる線引)である。同じ市道何号線であっても,調整区域内の道路は狭く,舗装はしていないよりマシか,という程度のものである。また,2,3年前に,当事務所付近は公共下水道の工事が行われたが,この工事区間は几帳面にも約150メートル先までで,調整区域内では行われていない。

 市街化区域が「……優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」であるのに対して,調整区域が「市街化を抑制すべき区域」という観念的な理解が,この両区域の現実の姿を見ることによって具体的な理解となった。

 すべからく,「一見は百聞にしかず」です。

 先日,足利フラワーパークで巨大な藤棚や白藤のトンネルを散策しての帰途,線引の標識を初めて見た。小川に架かる橋と交差する道路際の支柱に左右の矢印で右側が調整区域,左側が市街化区域と表示してある。親切な市役所もあるものである。