今日の上映は、1969年に放映された「レーサー」(洋題 WINNING)です。主演は、本物のレーサーとしても有名なポール・ニューマン、その他“マリオ・アンドレッティ”、“ダン・カーニー”など本物のレーシング・ドライバーも多数出演している本格的なレース映画であります。 |
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“監督/キャスト”
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“スター・プロフィール”
(これについては、プログラムに記載されていましたので引用させていただきました。)
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“解説”
(当時のプログラムを引用させていただきました。) 世界最大の自動車レースといわれるアメリカのインディアナポリス500マイルレース(インディ500)の激突をクライマックスに、スピードに命をかけ、死の壁に挑むレーサーたちの斗魂を空前の迫力で描いたダイナミック巨編でありました。 最近わが国でもレース・ドライバーに対する関心が高まりつつありますが、この作品は、最新型のフォーミュラやストックカーによるスピード・レースを描くのみでなく、現代の英雄といわれる彼等レーサーの華やかな栄光の陰に隠された私生活の面にも鋭いカメラを向けています。 愛に苦悩し、孤独なマシンとの闘いに打ち勝って宿願のインディ500に優勝する主人公のフランク・キャブアには「暴力脱獄」のポール・ニューマンが扮していますが、彼はこの映画の製作者でもあります。 ニューマンはアメリカではスティーブ・マックイーン以上のスピード狂として知られ、4年前にレース・カーに乗り出した当時からこの映画の企画を練っていたといわれます。 共演者はニューマン夫人で「レーチェル・レーチェル」のジョアンヌ・ウッドワード、TV「プロ・スパイ」のロバート・ワグナー、「おかしな二人」のデビッド・シャイナー、「殺人者たち」のクルー・ギャラガー、それにブロードウェイ出身の名子役リチャード・トーマスなどの他、昨年度の優勝者マリオ・アンドレッティや2位のダン・ガーニーなど30数名の一流レーサーが特別出演しています。 監督のジェームス・ゴールドストーン(ルート66)、撮影のリチャード・ムーア、原作のハワード・ロッドマンはTV出身の俊英トリオでありました。 1969年度作品、スーパー・シネラマ方式。テクニカラー。 主題歌(サウンドトラック盤)コロムビア・レコード |
“ストーリー”
“プロローグ” “ストーリー” についても、プログラムに詳しく書かれていましたので、それを引用させていただきま “出会い” 彼は車を借りようと思って、あるレンタカーの事務所に入っていきました。そこでレッドバーンの町でも一番の美人といわれるエローラ(ジョアン・ウッドワード)に会うことになります。彼女は頼まれるままに彼を乗せてドライブに出かけるのでした。話し合ううちに、彼女は離婚して、今は16才の息子チャーリー(リチャード・トーマス)と、彼女の母親と3人きりで暮らしていることが分かり、孤独な2人は互いに好意を感じ合い、フランクが住んでいるカリフォルニアへ行って結婚することになるのでした。 次ぎのレースはリバーサイドで行われました。これはストック・カー・レースでしたが、フランクの車はスピンして激突してしまうのでした。次ぎのレースはミネアポリス。これもストック・カー・レースでしたが、この時はアーディングに押されてフランクはまたも敗れることになりました。フランクはどこへ行ってもついていませんでした。サンフランシスコのストック・カー・レースでは、エンジンが故障を起こして、リタイヤせざるを得なくなりました。次ぎはトレンドでのストック・カー・レース。この時は、車のリンゲージのナットが破損して、みすみすアーディングに名をなさしめてしまうのでした。 “別離” インディアナポリス500マイルレースが近づいた頃、レース・カーの製作者レオ・クロフォード(デビッド・シャイナー)がフランクとアーディングに、特別に設計したレース・カーで、インディに出場してほしいと申し入れてきました。2人は喜んで引き受けることにしました。長いスランプに落ち込んだフランクは、これまでの汚名をインディでそそぐべく、日夜、昼食を忘れて製作工場に通いつめ、エローラの元に帰らぬような日が何日も続きました。 ある日、レース場内のモーテルに帰ってきたフランクは、ドアを開けたとたん信じられない光景に一瞬目を疑ったのです。ベッドにエローラとアーディングが横たわっていたのです。フランクは一言も云わずに荷物をまとめエローラの元を立ち去るのでした。 アーディングは予選でポール・ポジションを獲得する決意をし、基準をはるかに超えた猛烈なスピードでマシンをとばします。ところが、マシンは1周目に突然火を吹き出しクラッシュしてしまうのです。すぐ消火班が駆けつけて火を消し止め、大事故は免れました。。クロフォードはフランクに向かって、彼の車をアーディングに運転させ、出場資格を取りたいという言い出したのです。最近フランクは負けぐせがついており、アーディングは勝ち運に乗っているからというのがその理由でした。 |
“決戦”
フランクはいろいろ考えた末、アーディングが最初に試乗した車を作り直す気になりました。クロフォードは喜んで、主任メカニックのラリー(クルー・ギャラガー)に手伝わせてくれました。改造作業は意外に早くはかどり、次ぎの土曜日、フランクはその車で16位には入り、出場資格を得ることが出来たのでした。 5月30日、いよいよ大レースの日がやって来ました。自分のあやまちを悔い、離婚を決意したエローラは、立ちきれぬフランクへの恩慕からチャーリーと共にレース場にかけつけたのでした。 インディを埋め尽くした大観衆の面前で、33台のフォーミュラがものすごい排気音をたてながら一斉にスタートしました。ところがスタート直後に17台の車が連続衝突するという大事故が起こるのです。幸い死者は出なかったが、多数の車が戦列を離れてしまいました。数十分後、ペース・カーが先導し、再びレースが始まりました。 アーディングははじめから快調に飛ばし優勝するかに思われましたが、残すところ25周余りになった時、突然エンジンがストップして無念にもリタイヤとなってしまいました。 フランクは走りに走りました。そしてついに彼に先行する車は、旧友のボティーノ1人になりました。2人は車輪と車輪が触れ合うばかりにくっついてものすごいデッド・ヒートを演じるのでした。 |
“エピローグ”
翌日、フランクがモーテルを引き払おうとした時にアーディングが尋ねてきたのです。彼はエローラとトラブルを起こしたことをフランクに詫びるのでした。フランクは黙って聞いていたが、やがて今までの怒りを爆発させて、アーディングを殴り倒しました。 今やフランクの住む世界は荒涼たるものとなってしまいました。勝利の栄光さえ空虚に思えるのです。山と積まれた賞品の中でいい知れない孤独感が彼の心を締めつけるのです。 意を決したフランクは、すでにレッドバーンに帰ったエローラの後を追うことにしました。彼はエローラに、今までのことは水に流してもう一度出直そうと説得するのです。寂漠とした彼の心を癒してくれるのがエローラの愛しかないのです。 フランクの真情を知ったエローラは、改めて夫の胸に抱かれるのでした。(完) この映画を見たとき、私は中学生であり、多分母親と見に行ったのではと思います。私の母親はポール・ニューマンのファンであり、何度となくポール・ニューマンは性格俳優であると言っていたことが思い出されます。この映画は、レース映画でありながら“男と女”の“愛”を描いたものであり、当時はベッド・シーンやキス・シーンではとにかく照れてしまった記憶がありました。
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