直前期Q&A 受験校について

 

Q 科目数が多くて負担が多すぎる。苦手な科目もあるし、前期は捨てて、東大理系後期(など)だけを受けようと思うのだが・・

 

A この時期になると、勉強が順調にいかない焦りからか科目数を減らすことを考える人が少なくありません。しかし、結論からいうと、こういう受験選択は絶対に止めるべきです。

 

後期単願(や、科目数を減らすための志望校限定)のメリットは、

「少ない科目数で、集中して実力をあげられる」ことにつきると思います。

しかし、もし本当にそう思うなら、後期対策だけをしておいて、試験は前期も受ければよいではないですか。確かに充分な対策をしていないのだから、この方法で前期に合格できる確率は多少低くなるかも知れませんが、受けなければ確率はゼロなのです。それよりはずっといいと思いませんか?

それに、科目数を減らすといっても、前期と後期でやるべき勉強は、数学と国語が減ること以外(東大理1後期では数学すら減らない)なにも変わらないではないですか。元々、どれだけの時間をこれから数学と国語の対策に充てるつもりだったのですか?「夏までに英語・数学を」と云ってきましたが、裏返せば今から数学に力を置いたからといってそう劇的な変化は期待できないでしょう。国語に至っては、東大前期のように2次に国語がある大学でも、理系では過去問を解く以外の対策をしていない人の方が多いぐらいです。前期を本命とする場合でも、これからの勉強の中心は確実に理科です。つまり、後期専願の場合とあまり変わりません。これでは、前期をキャンセルするメリットがあまりないではありませんか!

 

前期併願のメリットは、「合計の合格確率は確実に後期単独より上がる」ことにつきます。

 前期と後期では合格定員が違います。後期はきわめて定数が少なく、前期がたまたま不調だった実力者が全部受けるので、きわめて厳しい競争になります。第一、足切りされたらおしまいです。

一方、前期は後期の10倍ぐらい合格するのです。ちょっとぐらい苦手科目があっても、チャレンジする価値は充分にあると思います。ちなみに、吉久の場合、現役当時の東大模試では、英語と物理で足して(180点満点中)30点行ったことがありません。典型的な科目数を減らしたいタイプでした。でも、僕も前期型試験で合格しています。後期に受かるほどの理科の実力があれば、それは前期でも大きなアドバンテージになりますよ。

また、「前期の試験で、本番の緊張感を味わえる」のもいいですね。

 → 後期の受験者の8割以上は前期も受けている人です。彼らとくらべて、「本番馴れ」していないことは、ただでさえ試験経験の少ない現役生にとっては随分不利なことです。

 

もし、前期で受かることには価値がないと思っているのなら、こういう選択を止めはしません。しかし、そういう人は稀で、前期だろうが後期だろうが合格して、やりたい学問をやろう!という人が多いと思います。だったら、どんなに確率が低くても、前期の試験を放棄する法はありません。両方受けるべきです。たとえ、前期対策はまったくしなくてもです。

前期は他を受けるというなら、それは勿論OK。でも、前期はどこも受けず後期単願というのは、単に問題を先延ばししているだけではないでしょうか。対策そのものを後期中心にすることは悪いとはいいませんが、試合前から前期を不戦敗にすることはないと思います。

To be continued