Jul. 1999


ver. 99.7.19

 ブライアン祭りも終わりましたねー。

 ほんと、幸せな毎日でした。ブライアン・ウィルソンの来日公演について、ぼくのレビューをぜひ…という、ほんとありがたい仕事の依頼とか、あたたかい期待に満ちたEメールとか、たくさんいただいたんですが。勝手な話ながら、なんだか今のところ改まって書く気にならないというか。来日までは、まあ、プロモーション絡みの仕事にも関わっていたせいか、そういう客観的な視線を自分なりにキープしてはいたつもりだったけど。実際にブライアンが来日してからはもうダメ。すっかり一ファンになりきってコンサートを満喫してしまった。ただの“駄目な僕”状態。冷静なレビューなど書けるはずもなく(笑)。

 なので、書きたい気持ちもなくはなかったものの、あまりにうかれっぱなしの文章になっちゃうような気がしたので、レビューの仕事は全部断わらせてもらいました。このホームページでも、今んとこ詳しく冷静なレポートをする予定はないです。身勝手なファンとしての感想文は気が向けば書くかも。でも、しばらくは自分の胸の中であの夜の感動を反芻するだけにしておきます。

 でも、ブライアンのコンサートって、あの場にいなかった人とか、あるいはビーチ・ボーイズを深く聞き続けてきたわけじゃない人とか、そういう人たちにその素晴らしさを客観的に伝えるの、むずかしいと思いません? 反対に、あの場を共有していた人となら、ほとんど言葉を交わすことなく、一瞬にして感動を分かち合えるというか。それをやってのけるのが音楽評論家の仕事? そうだよねぇ。でも、ぼくはブライアンの来日期間中ずっとファンになりきってたから。職を放棄していたと言いますか…。

 にもかかわらず、能地はその辺を見事にやってのけてるような気がして。身内のことほめるのはナンですが(笑)。あいつがナウアデイズのページで書いていたブライアン観戦レポートはなかなかに躍動的でした。見直しました。

 とはいえ、本ホームページで予告しておいたデータに関する訂正くらいはざっとしておかないとね。セットリストはニューヨークのときと、大阪・東京全日、まったく同じ。ただし、バック・メンバーが少々マイナー・チェンジ。ご存じの通り、ジョー・トーマスが来ず、何やってるんだか意味不明だったDJのスティーヴ・ダールも来ず。でも、能地も書いていたように、これが結果オーライというか。ジョー・トーマスの代わりに、ジェフリー・フォスケットとともに見事フロントをつとめあげたワンダーミンツのダリアンのがんばりも含め、実にロックンロール的な味わいを増してくれたというか。

 ジョー・トーマスのプロデュース/アレンジのセンスにかねてから疑問を抱いてきたぼくにとっては、このラインアップのまま、さらなるツアーおよびレコーディングに突入してくれたらうれしいんだけど。どうなんでしょうね。そうはいかないんでしょうかね。

 ちなみに、ジョー・トーマスが来日しなかった理由については、やっぱり気になったので、ダリアンを含め関係各方面に聞いてみた。ワンダーミンツと仲のいい某ミュージシャン氏からも有力な情報を得た。だいたいの真相はつかめたんだけど、どこまで公式に明らかにしていいのかどうかわからないので、とりあえず書きません(笑)。これも胸にしまっときます。時が来たら…ね。

 それから、ワンダーミンツの単独公演! こっちもすごかったです。オリジナル曲はもちろんいいんだけど、それ以上にとんでもないカヴァー曲が次々飛び出して。めくるめく思い。むちゃくちゃかっこよかった。と同時に、彼らがアメリカで今いち売れない理由もよーくわかった(笑)。がんばってほしいです。即、再来日希望。ブライアンのステージで "Not for us now!" とごきげんなシャウトを聞かせてくれていたマイクのドラムも最高だった。ブライアンのライヴでもマイクがドラムやればいいのにね。

 と、そんなわけで、ニューヨーク公演と変わらぬブライアンの東京公演セットリスト(付録: メンバー・リスト)、そしてワンダーミンツ単独公演のセットリストを載せておきましょう。




ver. 99.7.3

 最近はすっかり月イチ更新みたいになっちゃって。忙しいですわ。

 というか、ブライアンのソロ・ツアー騒ぎが終わるまではこんな感じなんだろうなぁ。ぼくの場合、一生をかけたお祭りみたいなもんだし。お祭りに向けて盛り上がってます。

 そうそう。ブライアンっていえば、ヴァン・ダイク・パークスの東京公演、最終日を見に行ったんだけど。スウィート・ベイジルもこの夜ばかりは満席で。ライヴ盤の『ムーンライティング』とほぼ同じ選曲を、自らのピアノと、ギター、ベースというトリオ編成で聞かせてくれました。よかったなぁ、これも。ご存じの通りブライアンと共作した「英雄と悪漢」も飛び出したし。19世紀のゴットショークの曲も、「英雄と悪漢」も、リトル・フィートの「セイリング・シューズ」も、すべてが彼の中で同一線上に並んでいて。それを聞きながら、アメリカ音楽の奥深さをまたまたぼくは思い知らされてしまったわけでした。

 ぼくの頭はすっかり『スマイル』仕様となって盛り上がってます。シー・オヴ・チューンズからの『スマイル』ブート・ボックスも間もなく来襲しそう。と、そんな盛り上がりのさなか、ぼくのロックンロール観を構築するうえで、ブライアン・ウィルソン/ビーチ・ボーイズとともに大きな影響を与えてくれたグレート・バンド、ベンチャーズのドンさんとボブさんにもお会いできましたよ。FMの特番のためだったんだけど。徳武さんとともに彼らに会って、いろいろ談笑して、収録スタジオに愛用のギターとアンプを持ち込んでもらったドンさんにはテケテケの極意をじかに教えてもらいました。ピックもいっぱいもらっちゃったよー。

 そのときの模様は、JFN系で7月から9月にかけてオンエアされる予定。地方によってオンエア日時が違うようなので、各自チェックよろしく。タイトルは『アーティスト・ファイル/プレイ・ギター・ウィズ・ザ・ベンチャーズ2000』です(笑)。

 あと、8月にリリースされる甲斐よしひろのCD5枚組ボックス『ハイウェイ25』のブックレットってのも書きました。甲斐バンド時代から現在までの曲目解説なんだけど、400字詰めの原稿用紙で200枚超えちゃいましたよ。力作ですよ。

 なんか、いろいろと昔お世話になったアーティストたちとの仕事が多くて。なんだろうかなぁ、一区切りの季節がやってきたのかなぁ…と、そんな気分ではありますが。こんな感じで夏を乗り切って、暮れに向けては再びカントリー・ロックの逆襲が始まりますよー。能地もいろいろライヴ部門で企んでいるみたい。ぼくのほうも再発部門でいろいろ企んでおります。こちらもお楽しみに。




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