Jun. 1999


ver. 99.6.18

 ブライアンのニューヨーク公演、見てきました。6月18日、ビーコン・シアター。

 まず、DJであり、今回のステージでもコーラス&ギター&テルミン(どのくらい貢献しているのかはわからないけどさ)スティーヴ・ダールが登場して、客いじりしながら軽く前アオリ。続いて、ご存じの通り、15分か20分くらいのブライアン・バイオグラフィ映画が上映されるわけですが。この映画、基本的には『エンドレス・ハーモニー』とか『アイ・ジャスト・ワズント・メンド・フォー・ジーズ・タイムズ』とか『ナッシュヴィル・サウンズ』とか、既存のドキュメンタリー作品からの再構成ものなのだけれど、音も含めてけっこうアウトテイクも多く、見逃せないです。ライヴ行く人は一所懸命見たほうがいいです。字幕付くといいね。

 ブライアンのピアノ弾き語りによる「ザ・ナイト・ワズ・ソー・ヤング」があったり、キャロル・ケイが「グッド・ヴァイブレーションズ」のライン弾いていたり、「アド・サム・ミュージック・トゥ・ユア・デイ」や「レイ・ダウン・バーデン」や「プリーズ・レット・ミー・ワンダー」のヴォーカル/コーラス・オンリー・トラックがバックに流れたり、あと、これは未発表じゃないけど、テレビ・スペシャルでビーチ・ボーイズのメンバー全員がたき火を囲んで、マイクとブライアンを中心に「サーファー・ガール」誕生の裏話をするシーンとかも(ブライアンの「わたくし、ウソをついておりました」発言がかわいいやつ)流れたり。

 で、コンサート自体の内容は、もうね、これは、ぼくにとって“彼がここにいてくれることを神に感謝します”的な体験で。たかがポップ・ミュージックでなに宗教的なこと言ってんだか…と批判をなさる方もいるとは思いますが、仕方ないです。そういうものなのかもしれないから。少なくともぼくにとっては。わかんないけど。

 今回は別に取材とかじゃなく、自腹での趣味旅行だから。思い切りファンになりきって、商売抜きでバカ盛り上がりしてきちゃったので、あんまり詳細なレポートをする気ないんですけど。アタマの5曲くらい、ブライアンのヴォーカルがちょっと不安定でドキドキさせられたものの、その後はそんなこともなく、しっかり歌っていたし。しかも、ジェフリー・フォスケットがいちいちユニゾンしていると聞いていたリード・パートも、ブライアンがほとんどひとりでがんばっていたし。

 セット・リストに関しては、先月、ブライアン本人が変えないと断言していたにもかかわらず、変わってました(笑)。すでにメーリング・リストなどでは流れているみたいだけど、細かい曲目は来日まで知りたくないという方もいると思うので、曲目リストだけ別ページにしときます。能地がすでに書いていたように、これまで伝えられていたものと比べると1曲マイナス、3曲プラス。日本に来るまでにまた変わる可能性もあるってことかも。個人的には、ほぼ30年近く前、ビーチ・ボーイズの魅力にとりつかれた当時に買った新作アルバムに入っていたあの名曲を、ついにブライアンのヴォーカルで、生で聞くことができたことが本当にうれしくて。毎日毎日、繰り返し繰り返し何度も聞きまくっていたあのころを思い出して、まじ、胸が熱くなりました。神に感謝、です。マイナスされた1曲も聞きたかったってのが本音だけど…。ファンは強欲だね(笑)。

 初日からセットリストに入っていた「レイ・ダウン・バーデン」と、アンコールの最後に追加された曲とは、ピアノとベースとドラムのちょっとしたおかずだけをバックにブライアンが歌って、残るメンバー全員がコーラスでバックアップするというアレンジ。これも感動的でした。

 バック・バンドは、とにかくワンダーミンツが完璧。ジェフリー・フォスケットもよい。ドラムが今いちだったけど、日本公演では別の人が来るそうで。より良くなるのか、さらに悪くなるのか…。その他、日本公演ではコーラスのおねーさんが一人減って、全員が男になる予定。そのほうがいいです。一緒にニューヨーク公演を見た友人の翻訳家、奥田祐士が「ブライアンとかビーチ・ボーイズの曲は、男のファルセットが重要だから女はいらん」と言っていた。ぼくも同意見。あと、東京公演にだけスティーヴ・ダールが参加するそうです。必要なのか? 「グッド・ヴァイブレーションズ」でテルミン弾いてるみたいなかっこしてたけど、実際の音はワンダーミンツのメンバーがリボン・コントローラーで演奏していたみたいだし。まあ、いいけど。

 いずれにしても来月は日本公演。ブライアン漬けの日々はまだ続く。あー、幸せだ。




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