What's New (June, 1997)



■1997年6月29日

 面白いホームページのお知らせ。ぼくの大学時代からの友人で、レコード・コレクターズ誌とかにもミュージカル系のレビューなんかを執筆している水口“ミソッパ”正裕が、わりかし最近、自分のホームページを立ち上げてます。“ミソッパズ・バンドワゴン”ってページ。こいつ、すぐ仕事休んでニューヨークに行ってはブロードウェイに入り浸るという、なんとも大らかな日々を送っているんだけど。そんな体験を活かしたホームページ。ミュージカルものに興味のある人はぜひお立ち寄りくださいませ。

 そいから、アメリカのネオ・ルーツ系ロックに詳しいファンジン“jem”のホームページも実に充実していてびっくりです。インターネットは楽しいなぁ(笑)。



■1997年6月19日

 休暇から帰ってきました。

 毎年、それまで稼いだ金全部使ってハワイのマウイ島に行っちゃうのを恒例にしてるんだけど。帰り際、ちょこっとだけホノルルにも寄って。そこであれこれ買い物もしてくるわけです。

 で、昔はね、ハワイ行ってもタワー・レコード行ったり、アラモアナの中にある大きなレコード屋さんに行ったり。スーツケースをCDやらアナログ盤やらでぱんぱんにして帰ってきたものですが。近ごろはすっかり買わなくなったなぁ。東京の大型輸入盤屋さんとかが充実してきたせいもあるし、インターネット上で直接海外のCDショップに注文することができるようになったせいもあるし。むしろインディーズ系の盤とかはネットから注文したほうが確実に入手できたりする昨今。わざわざスーツケースを岩のように重くして帰ってくる必要がなくなっちゃった。ありがたいことです。

 以前、特にアナログ時代はけっこう大変だった。仕事でニューヨークあたりに行くたび、主にオールディーズの一発ヒット屋関係のシングル盤を中心に、スーツケースひとつぶんくらい買い込んできたものです。最初のうちはコレクターズ・ショップみたいなところに行って、けっこう高値でオリジナル盤を買ったりしていたんだけど。

 でも、あるときふと気づいたのだ。アメリカにだって、日本で言うところの“ベスト・カップリング・シリーズ”みたいな再発シングルが絶対にあるはずだ、と。そこで、それまでは“ハウス・オブ・オールディーズ”とか“ブリーカー・ボブズ・ゴールデン・オールディーズ”みたいな店に向かっていた足を“タワー・レコード”みたいなところに向けるようになって。7インチ・シングル・コーナーをチェックしてみたら、あるわあるわ、山のようにオールディーズの一発屋系の再発シングルがうなっていた。

 ぼくはオリジナル盤主義ではなく、音源主義。とりあえず音源さえオリジナルだったら問題なし。そういうタイプのリスナーなもんで。こういうシングルでまったくOKなのですよ。それからは毎日、仕事の合間にタワー・レコードに出かけてAからZまで、エサ箱全部あさりまくり。ある日なんか、買いたいのを次々抜き出していったら、Zにたどりつくころには手元に100枚余りのシングル盤が……! それをどっちゃりレジに持ってったら、レジのにーちゃん、あきれ顔で「OK。レッツ・カウント・ゼム・トゥゲザー」だってやんの。

 でも、そういうシングルって高価なオリジナル盤と違って1枚1ドル弱くらいのものだったから。100枚買っても100ドル。たいしたことないよね。それだけでアルバムとかでは入手困難な一発ヒット系のものが一気にAB面合わせて200曲手に入っちゃうんだから。おかげで、当時はニューヨークだろうが、シカゴだろうが、ロサンゼルスだろうが、ロンドンだろうが、海外に仕事で行くたびに各地のタワー・レコードへ足を運んで再発7インチ・シングルを買いまくり、各地のレジのにーちゃんとカウント・トゥゲザーしたものです。懐かしいなぁ。

 重いスーツケースを持つ必要はなくなったけど、あの帰国時の重さも、今となっては懐かしい思い出でございますよ。

 あと、ニューヨークではおなじみタイムズ・スクエアにある“コロニー”も、新譜とともにもろもろのジャンルの中古オリジナル盤を置いてある店で。といっても、そんなにたいした品揃えってわけでもないし、値段も高いし。でも、風情がね、嫌いじゃなかった。

 なんたって、あの伝説のブリル・ビルディングのとこに店があるんだよね。そんな由緒正しき土地柄のせいか、値段も気位もちょっとお高い。アメリカン・ミュージック・ビジネスの中心地にある老舗だから。例の真っ黄っきのタワーの袋なんか持って店内をうろつこうもんなら、店のおっさんに指さされて「チープ!」と文句を言われる。どうせオイラは安物買いさッ。そうとう古くからある店だけに、楽譜売り場がドーンと充実。ティン・パン・アレーの伝統でもあるシート・ミュージックの昔をしのばせる店構えが風情ものだった。ここ数年、もうニューヨークには行っていないので、今どうなってるのかわからないけど、観光気分でまた行ってみたい店です。

タイムズ・スクエアといえば地下鉄駅構内にちんまり店を出している“レコード・マート”も好きだった。サルサをはじめとするラテンものに関してはごきげんな品揃えで。この店に行くためにトークンを買ったりしてたものです。ここもどうなってるのかなぁ。ニューヨークに詳しい方、現状をぜひ教えてください。