Mar. 2001


ver. 01.3.19

 すっかり、えーと、もう2カ月くらい更新をお休みしておりました。“気長に更新待ってます”という、さりげなくもうれしいメールをたくさんいただきまして。ありがとう。たぶん、そろそろペースを戻せると思います。今後ともよろしく。

 今年に入ってからはいいライヴが目白押しで。ダン・ヒックス、ブライアン・セッツァー、ウォールフラワーズ、そしてボブ・ディラン。そうそう。特にディランね。2月から3月にかけては徹頭徹尾ディラン月間だった。今回のディランはこれまでにも増してパワーを感じさせてくれた。今回の来日公演についてのあれこれはレギュラーでやってるFM番組のほうでたっぷり話をしたので、こっちでは繰り返しませんが。

 ひとつだけ繰り返しておくと(笑)。今回のディランが特に雄弁に思い知らせてくれたことのひとつは、要するに“ディランを聞いてるだけじゃディランはわかんねーぞ”と。そんなことだった気がする。アメリカ音楽のとつてもない深さっつーか。

 いや、まあ、アメリカ音楽だけが深い歴史を持っているわけじゃなくて、どこの国の音楽だってそれぞれに深さはあるのだけれど。ディランはアメリカの人だし。だから彼が体現していたのはアメリカ音楽のそれであって。加えて、聞いているぼくも、こてこての日本人とはいえ、ガキのころにアメリカン・ロックンロールの魅力にやられて、どんどん深みにハマりつつ人生のほぼすべてをそいつめがけて注ぎ込んできた身。なので、どうしてもそこんとこが気になってしまう。でもって、うひゃあ、アメリカ音楽は深いぞ、と。かっこいいとは思っていたけど、もっともっと深いところにさらなるかっこよさがあるみたいだぞ、と。最新のディランを生で体験したぼくは、またもや思い知ったわけだ。

 ディランは現役だなと再確認した。ということは、つまりアメリカのルーツ音楽は現役だな、と。ぼくの中で両者は同義だ。フォークも、ブルースも、カントリーも、ロックンロールも、ジャズも、伝統的なアメリカ音楽たちは、世紀をまたいだ今なお、そのままの形で現役。これはやっぱりすごいことだと思う。

 と、そんなことを思い知りつつ、同時に近頃のワタシは、私製ジュークボックスの整備にかかりっきりの毎日です。ジュークボックスつっても、要するにパソコンですが(笑)。ニュー・マシンを入手したため最近ほとんど出番がなかった旧愛機、ThinkPad 600Eを音楽専用機として甦らせる作業に没頭しておりました。

 まず内蔵ハードディスクを30Gに換装して、手持ちのMP3ファイルをどかっと詰め込んでみたら、これが楽しい楽しい。あまりにも楽しいので、セカンダリ・ハードディスクとして32Gをぶちこんで。現在内蔵62G(笑)。OSとしてWindows2000が入っていて、MP3プレーヤー・ソフトが入っていて、数種のプラグインが入っていて、オプティカル出力をするためのカノープスのドライバが入っていて…。でも、そのほかはほぼすべてがMP3音源ファイル。拡張子.mp3のファイルを検索してみたら6000曲くらいあった。いつの間にやら…。ヒットチャート・ファンなので、50年代、60年代、70年代の全米チャート・ランクイン・シングル曲を中心に、手持ちのCD、アナログからがんがんMP3にエンコードしている。まだハードディスクの残り容量はそこそこあるし。日々、がんがんMP3ファイルを増殖させてます。なんなら外付けも動員するぜっ。

 エンコードするのは現在のメイン機、これもThinkPadなんだけど。i1800。そっちのほうで。なぜかというと、600Eのほうにリッパーとかエンコーダとか音源編集ソフトとか入れるとMP3ファイルがそのぶん入らなくなるから(笑)。セカンダリ・ハードディスクを取り付けるためにDVD/CD-ROMドライブはずしちゃったし。昔はMP3エンコードの際、他の作業をすると音質に影響が出たりしたものだけれど、最近のマシンはパワーが半端じゃないし。なので、原稿を書きながら、裏でエンコードとかしていてもほぼ問題なし。というわけで、メイン機で原稿書いているときは常に裏でせっせとMP3ファイル作り。BGMはもちろん、オーディオシステムにオプティカル接続された600Eに詰め込まれた音源たちだ。

 1日は24時間で。つまり1440分。1曲3分として、480曲分だ。MP3プレーヤーに現状ぼくんちの600Eに詰め込まれた約6000曲をぶちこめば、寝てる間もずっとかけっぱなしで2週間近くいける計算になる。MP3プレーヤーにクロスフェイド系のプラグインを入れてシャッフル再生でもした日にゃ、もうたまらんです。ラジオいらずです。で、そうこうしているうちに、またエンコード完了のMP3ファイル群が誕生するから、それをLAN経由で600Eに送り込んで…。ああ、なんて素敵な無限地獄。

 で、改めて思ったのだけれど。持っているCDとかアナログ盤とか、思った以上に聞いてないやつがあるなぁ。特にコンピレーションものに入っている曲とか。げ、俺、こんな曲持ってたんだ…とびっくりすることも少なくない。まあ、知らない曲があるだけでなく、よく知っているはずの曲でもこうやって改めて聞き直してみるとこれまで気づかなかった魅力に出くわすことも多くて。MP3のおかげで、近頃さらに音楽を聞く楽しさにハマりまくってます。

 今どきこの程度のことやってるMP3マニアはたくさんいるのだろうけど。もしまだそこまではハマってないって人がいるなら、ちょっとだまされたと思って、まずは、そうだな、米ライノの70年代ポップ・ヒット・コンピ全24枚とか、ドゥーワップ・ボックス3箱とか、英エースのゴールデン・エイジ・オヴ・アメリカン・ロックンロール全9枚とか、なんでもいいけど、その種のシリーズものコンピをだーっとエンコードしてみるといい。ビーチ・ボーイズ全曲とか、ボブ・ディラン全曲とか、そういうのでも迫力あるけど。できるだけ雑多な歌声が聞けるほうが面白い。300曲くらいがハードディスクに収まったころから、このリスニング環境がとてつもない可能性を持っていることに気づくはず。そのうちに音源圧縮技術ももっと進歩するだろうし、ハードディスクの容量もさらに飛躍的増大を果たすことだろうし。今からこういう環境に慣れとくのも悪くない。

 そういえば、昔、カセット10本ぶっこんで、テープを飛び越えてランダムに選曲ができるってソニーのデッキ買ったことがあったなぁ。昔からそういう環境に憧れていたんだな、俺(笑)。あのときも50年代、60年代のチャート・ヒットをカセットに詰め込んで聞いてたけど。やってることは一緒だ。ただ、実際に使ってみると、実用になるのはカセットを連続再生すること程度。あれをそれなりに便利に使ってたのって、有線の入ってないお店ぐらいだったかも。それに比べて、パソコン・ジュークボックスの強力なインターフェイスときたら。プレーヤーから何から、すべて自分好みにできるしさ。夢のようです。

 そんなこんなで、このシステムをきっちり作り上げるまで、新譜を聞く時間が実は半減しとりました。相変わらず買いまくってはいたんだけど。あんまり聞き込めなくて。それもまたホームページ更新の勢いをにぶらせた大きな要因のひとつだったりしました。すんません。でも、もうだいたいのシステムはできあがったから。こうやって戻ってまいった次第です。なんだ、ずいぶん長い雑文だったけど、要するに全部ホームページ更新が滞っていたことの言い訳か(笑)。自分でもびっくり。キムタク妻ふうに言えば、びつくりしました…っす。情けない。

 で、とりあえず再開ってことで。ピック・オヴ・ザ・ウィークを更新しました。レビューのほうは近日。未更新期が長かったので、ちょっと古いのも含めて、とんでもなくたくさんのお気に入り盤ができちゃって。選盤に悩んでます。もう少々お待ちください。あと、恒例の(笑)ダディ&ザ・サーフビーツ情報ですが。次回ライヴは4月12日。いつもの高田馬場フィドラーです。目前に迫った3月21日にはCRT/レココレの月例レコード・コンサート・イベントもありますが、こっちのほうは前売りが即日完売になっちゃいました。次は4月19日になります。内容は追ってお知らせします。




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