Shop Around List (Oldies): 12/10/1995


■"Curtis Mayfield's Chicago Soul" Various (Legacy / Epic)
 カーティス・メイフィールドは60年代、シカゴのオーケー・レーベルの創始者、 カール・デイヴィスのもとで膨大なソングライティング/プロデュースの仕事をし てきたが、そうした一連の作品群を集大成したのが本盤。ウォルター・ジャクソン、 メジャー・ランス、ビリー・バトラー&ジ・エンチャンターズ、ジーン・チャンド ラー、アーティスティックスらの名曲が詰まっている。カーティス・ファンにはた まらないコンピレーションだ。

■"Dead Presidents" Soundtrack (Capitol)
 新作映画のサントラなので、本来ならコンテンポラリーのほうにアップしようか と思ったのだけど。内容は70年代のソウル・クラシック集。スライ&ザ・ファミリ ー・ストーンの「イフ・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ステイ」で始まり、アイザ ック・ヘイズ、スピナーズ、バリー・ホワイト、ハロルド・メルヴィン&ザ・ブル ーノーツ、ドラマティックス、カーティス・メイフィールド、アレサ・フランクリ ン、アル・グリーン、オージェイズなどなど。チマタでは“フリー・ソウル”とか 称して、70年代の少々過小評価ぎみのソウル・ミュージックを再発見するのがブー ムになってるようだけど、そういう重箱のスミ的なものにいきなり突入するんじゃ なく、まずは本盤にコンパイルされているような、70年代ソウルの王道をきわめて、 それから各論へと進んでもらいたいよね。若いリスナーにとっての入門編としてお すすめできそうな一枚。

■"The Best Of LOMA Records / The Rise And Fall Of A 1960's Soul Label" Various (Warner Bros.)
 好調“ワーナー・アーカイヴ”シリーズからの新コンピレーション。64年、モー タウンの隆盛の影響下に誕生したロマ・レコードの作品集だ。アイク&ティナ・タ ーナー、ジ・エンチャンターズ、ジ・オリンピックス、ウォルター・フォスター、 ボビー・ベネット&ザ・ダイナミックス、J・J・ジャクソン、リンダ・ジョーン ズなどのシングル曲を満載した2枚組。ゴスペルっぽさ、ブルースっぽさを巧みに シュガーコーティングしたサウンドで一世を風靡したモータウンに比べると、その 影響下にあるとはいえ、ロマ・レコードのほうは明らかに“むきだし”。おかげで 全米的な成功を収めることなく終わってしまったわけだが、その泥臭さ、不器用さ がむしろ今の耳には心地好い。


(c)1995 Kenta Hagiwara
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