1999.2.13

Soul
Disguise

Cesar Rosas
(Rykodisc)


 ロス・ロボスの中心メンバーのひとりがソロをリリース。

 しかし、この人の名前って、ホントはどう読むんだろう。昔、インタビューで会ったとき、本人はシーザー・ロサスと発音してたような覚えがあるんだけど。ずいぶん昔のことなんで正確なところは忘れちゃった。日本ではセサル・ロサスって書かれることが多い。もう一人の中心メンバー、デイヴィッド・ヒダルゴにしても、本人は確かに“ヒダルゴ”って発音してたけど、日本ではデイヴィッド・イダルゴって表記されることがほとんど。

 どっちがホントなんだ?

 本人たちがサービスで“シーザー”とか“ヒダルゴ”とか英語ふうの発音をしてくれたのか、それとももともとそっちが正しい発音なのか。わかりません。まあ、ラテンの世界で、本人は“ルーベン・ブレイズ”って名乗っているにも関わらず“ルベーン・ブラデス”って書かないとえらい先生方に怒られたりしたこともあったし。クラシックの世界でも、本人が“ハロー・アイム・ジョージ・ソルティ”って挨拶してるのに、あくまでも“ゲオルグ・ショルティ”って表記し続けたり。そういう例は多々あるので、気にしないことにしましょう(笑)。

 で、ロサスさんの初ソロ。これは最高。まあ、日本ではラテン・プレイボーイズとかで披露されたヒダルゴさんの、なんというか、こう、風貌と裏腹にハイパーな感覚のほうが高く評価されているようだけれど。ロサスさんの持ち味ももっともっと評価されてほしい。こちらはハイパーな感触はほとんどなし。ロックンロール、カントリー・ロック、スワンプ・ロック、ブルース、ソウル、ニューオリンズR&B、テックス・メックス……真っ向から様々なルーツ・ミュージックめがけて、愛情と敬意たっぷりの勝負をどっかーんと挑んでいる感じ。

 びっくりしたのは、ロサスさんが4曲をアスリープ・アット・ザ・ホイールのオリジナル・メンバーのひとり、ルロイ・プレストンと共作していること。ロボスとアスリープとの合体ってのは、どっちも大好きなぼくにとって超うれしい事件だ。残る曲もほとんどがロサスさんのオリジナル。カヴァーは、アイク・ターナー作のファンキーなブルース「ユーヴ・ガット・トゥ・ルーズ」およびメキシカンな哀感たっぷりの「アディオス・ミ・ビーダ」の2曲。

 キャニバル&ザ・ヘッドハンターズとかジー・ミッドナイターズとかプレミアーズとか、そういうイーストLAロックンロール/R&Bの系譜を存分に感じさせてくれる1枚。初期ロス・ロボスの手触りかな。バック・メンバーの中ではベテラン、ラリー・テイラーがベースを担当しているのが特に目をひいた。ロス・ロボスとも深い付き合いのヴィクター・ビゼッティ、エディ・ベイトスらもいいプレイを聞かせる。フラコ・ヒメネスも客演してます。

 ところで、ロサスさんはロス・ロボスやめちゃったのか?


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