1998.9.20

The Country-Rockin' Trust
Presents:
Take It Easy

Various Artists
(WEA Japan)


以前から騒ぎまくっていたカントリー・ロック・コンピレーションのリリースが徐々に始まりましたよ。上にジャケットを少しでかめに載せたワーナー盤がまず9月15日に出て、ソニー盤が19日に続いて、ユニバーサル、東芝が23日に出る、と。さらに10月になるとポリドール盤、マーキュリー盤が出ます。

9月25日に東京・渋谷クラブクワトロで行なわれるカントリー・ロック・トリビュート・イベントのほうも準備ちゃくちゃく。こちらはプロデューサーの能地祐子が奔走ちゅう。参加者それぞれがカヴァーする曲のリストとか見せてもらったんだけど、やー、それぞれいろんなこと考えて、その人らしい選曲なり意外な選曲なりをしていて。当日がむちゃくちゃ楽しみ。

で、ぜひそのイベントに向けて、このコンピレーション、楽しんでくださいませ。10月10日には、このコンピレーションを盛り上げるため、池袋HMVでインストア・イベントもやります。徳武弘文、KYON、佐橋佳幸、そしてぼくが出ます。ミニ・ライブもありまっせ。たしか17時からかな。プレゼントもあるみたい。そのほかにも、あと2回くらいインストアの計画があるので、詳細が決まったところでまたインフォメーションします。

ちなみに、忙しい方々ばかりなので、スケジュール合わせるのが至難のワザ。なもんで、東京でしかイベントができないんだけど。その辺はご理解ください。てことで、このコンピ、とりあえず9月分の4枚についてミュージック・マガジンに寄稿した文章をまたまたここに載せさせてもらいます。


for Music Magazine, Oct. 1998


Hickory Wind
(Sony)

 少し謙虚にいこうかとも思ったのだけれど。やっぱり落ち着かないので、最初に紹介させてもらいます。『カントリー・ロックの逆襲98』。ワーナー、ソニー、ユニヴァーサル、東芝EMI、ポリドール、マーキュリーの各社からリリースされる新旧カントリー・ロック・コンピレーションだ。ポリドール、マーキュリーのほうはまだ楽曲の権利クリア作業が追いつかず少し遅れてのリリースになるので、とりあえず4社分が勢揃い。

 ぼくを含む“カントリー・ロッキン・トラスト(CRT)”なるカントリー・ロック振興団体の監修・選曲による名曲集だ。まあ、日本では相変わらず“カントリー”と聞くだけで根拠のない拒絶反応を示す、とてもロック・ファンとは思えないロック・ファンも多いので、もうちょっと別の、たとえばCRTのリーダーである能地祐子がふざけて考え出した“グルーヴィ・ルーツィ・ロック”とか(笑)、そういう呼称を用意したほうが広がるんじゃないかという説もあるにはあった。でも、それじゃ意味がない。おしゃれな呼称を新設し、実際の歴史を含めた音楽地図を聞き手の都合で気軽に再編成しちゃうような不遜な真似はできないなということで。やはりカントリー・ロックはカントリー・ロック。どかんと行かせてもらいました。


Rave On
(Universal Victor)

 ざっと4枚を紹介しておくと。70年代カントリー・ロック究極の1曲というべき表題曲の作者ジャクソン・ブラウンの自演ヴァージョンに始まり、バッファロー・スプリングフィールド、グレートフル・デッド、ポコ、マナサス、クリス・ヒルマン、エミルー・ハリス、スティーヴ・アールなど定番から、未CD化のコマンダー・コディ(ウィズ・タワー・オヴ・パワー・ホーン・セクション!)、そしてウィルコ、サン・ヴォルトら新鋭まで名演ざくざくの『カントリー・ロックの逆襲98〜テイク・イット・イージー』(ワーナー WPCR2108)。

 バーズ、ポコ、ニュー・ライダーズ・オヴ・ザ・パープル・セイジ、チャーリー・ダニエルズ・バンド、アル・クーパーらに加え、ロギンス&メッシーナやカントリー界のフランク・ザッパと呼ばれるキンキー・フリードマンおよび幻のバンド、デニムの貴重な未CD化曲、そしてG・ラヴ、ベルベット・クラッシュ、イーダ、ロッキンバーズら90年代の連中まで収めた『同〜ヒッコリー・ウィンド』(ソニー SRCS8741)。


Don't Ever Change
(Toshiba EMI)

 70年代からロスト・ゴンゾ・バンド、ドビー・グレイ、デルバート・マクリントン、80年代からスティーヴ・アール、ニール・ヤング、トム・ペティ、ローン・ジャスティス、90年代からトッド・スナイダー、ウィスキータウン、ロン・セクスミス、そしてダグ・サーム、フレディ・フェンダー、バディ・ホリーら新旧テックス・メックス系音源などを含む『同〜レイヴ・オン』(ユニヴァーサル MVCE24117)。

 ニッティ・グリッティ・ダート・バンド、ザ・バンド、レオン・ラッセル、ハーツ&フラワーズ、ブリンズリー・シュウォーツ、ベンチャーズ、ビーチ・ボーイズ、そして間もなくオリジナル・アルバムの初CD化も実現するジョー・サウス、ベアフット・ジェリー系の連中をバックに従えたアレックス・ハーヴェイ(センセーショナル…の人じゃないです)による「デルタ・ドーン」の自演ヴァージョン初CD化、新鋭のランチ、ジェブ・ロイ・ニコルスなどを含む『同〜ドント・エバー・チェンジ』(東芝EMI TOCP50670)。そんなです。


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