結成30周年記念リイシュー。
サンタナの初期3枚のオリジナル・アルバムが24ビット・リマスタリングをほどこされ、ボーナス・トラックもたっぷり追加されて再発された。うれしい。バーズとかの再発盤と同じ、レガシーのていねいな仕事が楽しめる。
この日本で、サンタナの名と“ラテン・ロック”というきわどいジャンルを一気に洋楽ファンに知らしめたのは、シングル「ブラック・マジック・ウーマン」と、そいつを含む70年のセカンド・アルバム『天の守護神〜アブラクサス』ってやつだ。世界的に見てもサンタナの諸作中もっとも売れたアルバムだしね。アメリカでは6週間にわたって全米アルバムズ・チャートの1位を獲得。400万枚を売り上げた。当時、中学生だったぼくも、もちろんこのアルバムでサンタナ・サウンドを初体験。大いに衝撃を受けたものだ。
で、その後、ラテン・ロックの魅力にぐっぽしハマって、サンタナをあれこれ聞き続け、『キャラバンサライ』とか『魂の兄弟たち』とか、ああいうアルバムをどう受け止めりゃいいのか途惑い、「哀愁のヨーロッパ」の有線ヒットにあんぐりし、マロやエル・チカーノやアズテカとかにも触手をのばし……。で、たどりついた結論が、ラテン・ロックはやっぱりサンタナ。それも初期3枚。これに限る、と。そういうこと。
特に、ぼくはこの71年のサード・アルバムが好きでねぇ。この盤からニール・ショーンとコーク・エスコベードがメンバーに加わっている。シングルで出た「No One To Depend On」の“あいえんがっのーばでっ”ってヴォーカルの直後にくる“デッデッデデンッ”ってティンバレスのブレイクにノックアウト食らったり。「Everybody's Everything」では、タワー・オヴ・パワー本体を知る前にタワー・オヴ・パワー・ホーン・セクションの強力なプレイに圧倒されたり。
つーわけで、うれしいうれしい再発です。1枚目、2枚目、3枚目とも、それぞれのリリース年に行なわれたライヴからの未発表音源が追加されている。ファーストには69年のウッドストックでのライヴから3曲。伝説の「ソウル・サクリフィス」以外は未発表ものだ。セカンドには70年4月のロイヤル・アルバート・ホールでのライヴ3曲。そして本サードには71年7月のフィルモア・ウェストでのライヴ3曲。
ラテン・ロックは盛り上がるなぁ。3枚、まとめ買いでどうぞ。ひとつ。ぜひ。
Santana
1969
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Abraxas
1970
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