1998.1.23

Musings Of
A Creekdipper

Victoria Williams
(Atlantic)


 3年ぶりか、4年ぶりか。とにかく待望の4作目。ダニエル・ラノワの相棒として知られるトリーナ・シューメイカーとヴィクトリア自身との共同プロデュースによる、本当に美しい1枚だ。

 現・旦那のマーク・オルソン(元ジェイホークス)をはじめ、マイク・ラッセル、ウェンディ&リサ、ウィリアムズ・ブラザーズ、キャレクシコなど、多くの友人たちに支えられ、コルネットやバス・クラリネット、ダルシマー、バンジョー、ヴァイブ、チェロ、ヴィオラ、オカリナ、カリンバなどもあしらいながら、期待どおりの深い深いヴィクトリア・ワールドを聞かせてくれる。独特の、奔放な歌声も健在だ。

 アルバム・タイトルは“小川に足を浸す者の瞑想”というような意味だと思う。多発性硬化症という難病と闘いながら音楽活動を続ける彼女ならではの、常に生と死のボーダーを見据えたまなざしが印象的。ヒップホップとトーキング・ブルースとを合体させたような「トレイン・ソング」という曲には“老いた者から職を奪い、幼い子供の心から楽しみを奪う。そんな世の中が理解できない”みたいなフレーズがあって。まるで太陽エネルギーで動く超特急列車のような現代社会を批判していたりもするのだけれど。そんなメッセージを表明するときも、しかし彼女のたたずまいはひたすら内省的で、ナチュラルだ。

 なんでも、マーク・オルソンとマイク・ラッセルとともに“オリジナル・ハーモニー・リッジ・クリーク・ディッパーズ”なるバンドも組んだらしく、ここに簡単なインフォメーションが載っている。なんか、CD出てるみたいなんだよなぁ。12ドル送ると入手できるんだとか。送っちゃおうかなぁ。こっちのアルバムにも収められている「ハミング・バード」って曲は、このバンドのヴァージョンのほうがオリジナルらしいし。日本のフツーのCD屋さんには入荷しないかなぁ。うーむ……。

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