1997.12.8

Merry Texas
Christmas,
Y'all

Asleep At The Wheel
(High Street)


 年末っすからねー。

 今年はこれで行こうっ! ってクリスマス・アルバムを決める時期がやってきたわけですが。エルヴィスのとか、ビーチ・ボーイズのとか、スペクターのとか、そういう定番ものはOKとして。今年出たものの中では、ぼくにはこいつがいちばんしっくりきた。ベテラン・ウェスタン・スウィング・バンド、アスリープ・アット・ザ・ホイールのクリスマス・アルバム。雪なんかに縁がない、テックス・メックスのクリスマス気分を遠い日本から追体験するには絶好の1枚って感じ。

 アスリープ・アット・ザ・ホイールって、好きでねぇ。初期の、もろボブ・ウィリス大好き系ウェスタン・スウィング時代もいいし、キャピトル移籍後のカントリー・ロック色を強めた時期もいいし、MCAに移籍して元ダン・ヒックスんちにいたマリリンさんをコーラスに迎えた時期の小粋な味もいいし、ここ数年の、もう何一つ俺たち変わってないからさぁ的居直りサウンドもごきげんだし。そのまんまの持ち味で出したクリスマス・アルバム。ペダル・スティールやらフィドルやらがひゃらひゃら舞う中、中心メンバーのレイ・ベンソンがお得意のバリトン・ヴォーカルで聖夜をC調に盛り上げてくれる。

 Tish Hinojosaさん(何て読むんだ。ティッシュ・イノホザさん?)を迎えての「フェリス・ナヴィダ」でスタートして、ウィリー・ネルソンがゲスト・ヴォーカルを飾る「プリティ・ペイパー」とかをはさみながら、乾いたテキサス・クリスマスを演出。たまんないっす。イヴの夜、テキサスのバーでカウボーイたちがたむろする光景をレイ・ベンソンが語る曲とかもあって、しみます。ウィリー・ネルソン、ウェイロン・ジェニングス、ジェリー・ジェフ・ウォーカー、ZZトップ、デルバート・マクリントン、ボブ・ウィリス、テックス・リッター、スティーヴィー・レイ・ヴォーン、T・ボーン・ウォーカー、バディ・ホリー、ジャニス・ジョプリンといったテキサス・ロッカーたちの名前も織り込みつつ、無骨な男たちの切ない聖夜を綴ってみせる。

 今年の洋楽クリスマス新譜っていうと、ハンソンのとか、SWVのとかが話題みたいだけど。こっちのほうが楽しいよ。ご陽気にね。


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