How Blue Can You Get? Classic Live Performances 1964 to 1994
B. B. King (MCA)
私ですね、自慢しちゃいますけど。B・B・キングのプロデュースしたことあるんですよ。まじ。すごいでしょ。
何年か前、B・Bと、彼の甥(だっけ?)でバンド・リーダーもつとめているウォルター・キングだけが来日して、そのバッキングを日本のミュージシャンがつとめるってライヴをやったんだけど、そのときのプロデュース/コーディネイトをぼくがつとめたんですねー。でもって、ドラムを岡地さん、キーボードをキョンさん、ベースを吉田建さん、ホーン・セクションをビッグ・ホーンズ・ビー、そしてギター&バンマスを吾妻さん……ってラインアップにして、そこにB・Bとウォルターが加入。さらに桑田佳祐だのカシオペアの野呂さんだの山岸さんだの上田正樹だのがゲスト参加するという。ライヴ盤も出たんだけど。
あのときはごきげんな経験だったなぁ。リハーサルをやったあとで、B・B御大のありがたいお言葉とかもいただけたし。自慢ですよ自慢。
で、そんなこととはほとんど関係なく、B・Bの64年から94年までの名ライヴ・パフォーマンスを選りすぐったコンピレーションの登場。もちろん64年の『ライヴ・アット・ザ・リーガル』の音源でスタートして、間にアメリカでは未リリースだった71年の来日公演での録音なども挟みつつ、81年のクルセイダーズとの共演音源とか、93年のブルース・サミットのライヴ・ヴィデオからの音源とかを経て、94年の未発表ライヴへと至る2枚組だ。
チョーキング一発の説得力で腰が抜けちゃう。歌と一体となった愛機ルシールの“泣き”が素晴らしい。過去に膨大なアルバム群を残しているB・Bだけに、若いリスナーが入門したいと思ってもどこから手をつけていいかわからないみたいだけど、そういう意味じゃ絶好の一枚かな。もちろん、ずっとB・Bを好きだったって人にも、もう一度彼のとてつもなく雄大な魅力を駆け足で再確認するためのいいチャンスになりそう。
スリルはいつまでも去らないんだよなぁ、この人からは。