T.A.P.O.A.F.O.M.
George Clinton & The P-Funk Allstars (550 Music/Epic)
同じクリントンでも、こちらはファンク大統領のクリントンさん。エピックに移籍して放った新作は、なんと、パーラメントの面々を引き連れてのPファンク・オールスターズ盤。ブーツィはもちろん、バーニー・ウォレルも参加。さらにジョージ・クリントンおよび彼のPファンクをこよなく愛する若手世代から、MCブリードとエリック・サーモンも参加。ごきげんな新旧ファンク共演を聞かせてくれる。まいったまいった。
でも、このアルバムのポイントは、“何はなくともパワーでぶちかます音楽”みたいに思われがちなファンクってやつが、実はそうとうにクールなものであるってことを存分に思い知らせてくれるところ。もちろん、ファンクとともに歩んできた御大だからこその深い深いクールさではあるんだけどさ。ぐっと熱を内に秘めたクールさ。これこそが真のファンキーってやつなんだなぁ。
ちなみに、タイトルは“The Awesome Power Of A Fully-Operational Mothership”の頭文字だとか。いいねー。相変わらず、チープさと雄大さをあわせもつPファンクならではのコンセプトじゃんっ。
Imperial Drag
Imperial Drag(Work)
あのね、ジェリーフィッシュのファースト・アルバムが最初に日本で出たときね、ライナー書いたの、俺なのさ。サウンド最高だったし。つい引き受けちゃったんだけど、いざ書こうと思ったら、どこの誰だか、当時、レコード会社にも資料が何もなくて、まじ、困っちゃったことを覚えてるけど。まあ、それはいいとして。
そんなジェリーフィッシュの中心メンバーだったロジャー・マニングとエリック・ドーヴァーが結成したニュー・バンドがこいつら。きっと底辺に流れる独特のひねくれたポップ感覚はジェリーフィッシュ時代と変わっちゃいないのだろうけど、
それを取り巻くサウンドがよりハードに、よりストレートに。かなりいいっすよ、これは。ものによっては、70年代のハードなグラム・ロックっぽい手触りもあったりして。かっちょえー。
また日本で先行して売れそうな気もしないではないね。ジェリーフィッシュって、そうとうすごいバンドだったのに、結局、アルバム2枚で解散。妙なフラストレーションがぼくたち聞く側には残ってるんだけど。たぶんそれ以上のフラストレーションがやってたほうにもあるはずだし。うまいこと、その辺を爆発させてくれるとうれしいんだけどね。応援しようぜっ。