アトランタ出身の4人組。ごっきげんなルーツ・ロック/カントリー・ロックを聞かせてくれるデビュー・アルバムだ。プロデューサーはダニー・コーチマー。
なんでも、スティーヴ・アール、ウィリー・ネルソン、クラッカー、BR5−49あたりのオープニング・アクトとして名を馳せたのち、晴れてデビューとあいなったそうで。ベンモント・テンチ、マイク・キャンベル、ゲイリー・ルーリス、ケニー・アロノフなどもゲスト参加。中心メンバーであるゲイリー・スタイアーの作る見事なサザン・アクセンツ・ロックをより一層もり立てている。
オルタナティヴ・カントリーの新星として取り上げられることが多いようだけれど、これ、もはやオルタナティヴとか何とか、そういうことじゃなく、真っ向からの正真正銘カントリー・ロックでしょう。時代を超えたカントリー・ロックの名盤がまたひとつ誕生したって感じ。
スタイアーが作る曲は本当に魅力的だ。メロディ的には往年のカントリー・ロックにちょっぴりパワー・ポップの感触が入っていて。この辺にはオルタナ・カントリー的なニュアンスも感じられないではないかな。歌詞もいい。歌声はまだ青さを漂わせているものの、にもかかわらず初期のブルース・スプリングスティーン的に気張る局面も多かったりして、なかなかかわいい(笑)。
この種のバンドはアメリカでも評論家スジの評価ばかりが先走って一般的な人気に結びつかないまま終わってしまうことが多いのだけれど。こいつらは売れてほしいなぁ。それなりのスケール感もあるし、キャッチーなメロディ感覚もあるんだから。がんばれ。
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