2000.3.13

The Days
In Between

Blue Rodeo
(WEA Canada)


 カナダのバンド、ブルー・ロデオの9枚目。

 97年にグレッグ・キーラー、98年にジム・カディ…と、2人の中心メンバーがそれぞれソロ・アルバムを出したせいもあって、このところバンドとしてはあまり新鮮な音源を提供してくれていなかったものの。去年出した2枚組ライヴを間にはさんで、97年以来の新作スタジオ・アルバムがようやく登場した。当然、聞き手としては何か新しい展開を期待してしまうわけですが。

 ばっちり。音楽的に斬新な実験がこれみよがしになされているとかいうわけではないけれど、ライヴ盤でブランクを埋めながら、じっくり、焦らず、時間をかけて自分たちならではの音楽性を再度練り上げたって感じの新作だ。メンバーがひとり替わったみたいだけど、その辺のチューンアップもいい方向に出ているような気がする。

 プロデュースはトリーナ・シューメイカー。ダニエル・ラノワの本拠地、ニューオリンズのキングズウェイ・スタジオでの録音だ。ブルー・ロデオにとっては89年のセカンド・アルバム以来かな。で、シューメイカーさんはすごいね。見事。ブルー・ロデオの音をさらにワンステップ魅力的に磨き上げてしまった。

 グレッグとジムのソロ活動もいい刺激を生んだようだ。ここ数作に見られた冗長なジャムとか、スペイシーだったりサイケデリックだったりする曲とかは聞かれなくなって、親しみやすいメロディと、アコースティックな感触と、カントリーっぽいロマンと、センチメンタルな情緒と…つまり、ブルー・ロデオのもともとの魅力をもう一度見直したような仕上がりになっている。ぼくはブルー・ロデオのアルバムすべてをじっくり聞き込んだわけじゃないので断言はできないけれど、この新作、たぶんこの人たちの人気を地元カナダで決定づけた初期の傑作アルバム群と並ぶ名盤なんじゃないかと思う。

 これ、日本盤出ないのかな。しみる、いい曲だらけだし。日本でも当たると思うけど。まじに。


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