療養費7億円不正請求か
 詐欺容疑 整骨院グループ4人逮捕

 無資格で「はり」「きゅう」「マッサージ」を行ったとして
警視庁生活環境課に摘発された東京の整骨院グループが、
実際は肩こりなどで来院した患者について、実際はねんざや
打撲だったとなどと偽り、医師の診療報酬にあたる「療養費」を
不正請求していたことがわかり、同課は27日、同グループ
経営者等4人を詐欺容疑で逮捕・再逮捕した。
 直接の逮捕容疑は約270万円の不正請求だが、同グループは
昨年一年間に、述べ35万人以上の療養費として、総額約7億円を
不正請求していたとみられ、同課で余罪を追及する。
 逮捕されたのは、都内で19の整骨院を経営する「早稲田東洋医学
研究所」(東京都新宿区)の代表取締役、森侃二被告(56)
(あんまマッサージ指圧師法違反などの罪で起訴、公判中)ら4人。
 調べによると、森被告らは昨年2月から12月にかけて、グループ
傘下の「早稲田鍼灸整骨院(新宿区)など3院で、14人の患者に
「ねんざに対する施術をした」とする虚偽の療養費支給申請
(レセプト)を作成し、国民健康保険から、計約270万円の療養費を
だまし取った疑い。」
 14人の中には、実際は店舗に訪れていない患者がいたほか、
残りの患者も肩こりなどを訴えて来院しただけだった。
 生活環境課によると、同グループでは、患者の健康保険証のコピーを
無断で使って、架空の療養費を請求する「カラ請求」や通院日数を
過大に請求する「水増し請求」などが恒常的に行われていたという。
国民健康保険のほか、政府管掌国民健康保険などにも療養費を不正請求
しており、グループ全体で、昨年1年間だけで総額7億円をだまし取って
いた疑いが持たれている。

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尚、これは、去る3月3日、読売新聞で報じられた以下の記事に
よるものです。

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整骨院経営グループが無免許で鍼灸、二十数人逮捕

 東京都内で整骨院を経営しているグループが、国家資格が必要と
される「はり」「きゅう」「マッサージ」を無免許で行っていたと
して、警視庁生活環境課は、あんま・マッサージ・指圧師法違反
(無免許)の疑いで、グループ経営者と従業員ら二十数人を逮捕した。
 同グループは、無免許で行ったマッサージ行為などの診療報酬を
不正に請求していた疑いがあり、同課は詐欺容疑での立件も視野に
捜査している。「癒やし」ブームなどで業者が急増する中、
無免許業者の摘発としては過去最大規模。
 摘発されたのは、森侃二(かんじ)容疑者(56)が経営する新宿区
中落合1、「早稲田鍼灸(しんきゅう)整骨院」などグループ
23店舗のうち22店舗。調べによると、森容疑者と従業員らは
「はり」「きゅう」「マッサージ」の免許もないのにマッサージなどを
行っていた疑いで、先月29日に逮捕された。
 森容疑者は、7年ほど前に整骨院を開業して以降、徐々に店舗を
拡大。現在、都内に計23店舗、約150人の従業員を抱えている。
各店舗は、保健所に開業に必要な届け出はしていたものの、従業員の
大半は免許を持っておらず、「かえって腰を痛めた」などの苦情も
寄せられていた。
 また、はり、きゅうなどの場合、神経痛などの「慢性疾患」で、
効果があると医師に判断されたケースには医療保険が適用されることも
ある。しかし、同グループは、訪れたすべての客に保険証の提示を求め、
「病名はこちらで考えさせてもらいます」などと言って、委任状に
署名をさせていた。このため、健康な人の場合でも、治療費は
1回あたり数百円程度ですみ、口コミなどで大勢の近所のお年寄りなどで
にぎわっていた。
 従業員の中には、就学ビザなどで来日していた中国人もおり、
同課ではこれらの店舗が外国人の不法滞在の温床になっている疑いも
あるとみて、さらに実態の解明を急いでいる。
 全日本鍼灸マッサージ師会によると、はり、きゅう、マッサージの
免許を持っている人は、全国に約9万人いるとされる。しかし、店内に
免許を掲げる義務はなく、訪れた客は免許を持っているのかどうかを
知りようがないのが実情で、杉田久雄・同会長も「客には区別が
つかないが、仕組みを勉強せずに体をさわるのは危険」と話している。
 ◆あんま・マッサージ・指圧師法=免許には、あんまマッサージ
指圧師と、はり、きゅうの3種類がある。高卒程度の場合、
文部科学省か厚生労働省が認定した養成施設で、3年以上学んだ上、
国家試験に合格しなければ、免許を取得出来ない。無許可の施術は、
30万円以下の罰金。
 (2004/3/2/14:33 読売新聞)