鍼灸マッサージ「資格」PR…無免許営業、乱立に対抗

 あん摩マッサージ指圧師やはり師など、国家資格を持つ人たちで組織する「全日本鍼灸(しんきゅう)マッサージ師会」が、PR用マークを作った。

 無免許者が施術する“マッサージ店”が乱立する中、国の認定を受けた技術や知識を利用者にアピールすることが目的だ。

 同会は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格を持つ約1万2000人が加盟する団体だ。マークは、マッサージ、はり、きゅうをイメージした三つの円を、両手で優しく包み込むデザイン。「厚生労働大臣 免許」という文言を入れ、国認定であることを強調している。

 厚生労働省医事課が今年7月に文言の使用を認めたことから、会員や関連団体らに対し、本格的にマークの使用を推進し始めた。「店頭にステッカーをはったり名刺に印刷したりして、店をアピールするために使用してほしい」と同会事務長の池田展夫さん。

 一定レベルの技術や知識を保証する「免許」にこだわった背景には、無免許者が施術する“マッサージ店”の乱立がある。こうした店は、疲労回復やO脚の矯正に効果があることをうたう看板を出すなど、派手な宣伝を行う所もある。

 ところが、国家資格を持つ人たちは、法律で広告方法が制限され、施術所の住所や営業時間など、基本情報しか看板やチラシに記載できない。また、この法律では、マッサージをする人には免許が必要としており、厚労省も「無免許者によるマッサージ業は認めていない」という。しかし、マッサージの定義が明確でないため、健康被害が出ない限り、無免許の“マッサージ店”の取り締まりは難しいのが実情だ。「高い施術力と知識を持っていることを利用者に知ってもらう手段として、このマークを積極的に活用していきたい」と池田さんは話している。

2008年8月18日  読売新聞)