別府市鍼灸師会 無免許マッサージやめて

 別府市内のホテルや旅館などで、無免許でマッサージや指圧などをする行為
が多発、問題になっている。今年八月には、無免許の業者らが別府署に摘発さ
れるという事件も起こった。有資格者でつくる市鍼灸(しんきゅう)マッサー
ジ師会(西田幸生会長)は、取り締まりの強化を求める一方、宿泊施設などが
会員を利用しやすい環境づくりに努めるなど、対策に取り組んでいる。 マッ
サージや指圧、はりやきゅうを営業するには、それぞれ免許が必要で、無免許
の場合は、五十万円以下の罰金が科せられる。別府署は八月、「あん摩マッサ
ージ師、はり師、きゅう師等に関する法律」違反の容疑で、無免許の三業者ら
(十人)を書類送検。市議会も国に対し、無免許マッサージ師の取り締まり強
化を求める意見書を九月定例会で可決した。 同マッサージ師会の会員は約百
六十人で、大半は視覚障害者。宿泊施設などで仕事をしているが「市内には六
十人前後の無免許者がいると思われる」と西田会長。県鍼灸マッサージ師会の
池田京二会長は「ホテルや旅館に派遣されるマッサージ師の九割以上が無免許
者という地域も別府市内にはあるのではないか」と指摘、「徹底した取り締ま
りが必要」と憤る。 宿泊施設側も対応に苦慮する。市旅館ホテル組合連合会
は「免許を持たない経営者やマッサージ師が営業に来ても、無免許とは分かり
にくい」と説明しながらも、「宿泊施設とマッサージは切っても切れない縁が
ある。できることは協力したい」と話す。 市鍼灸マッサージ師会は旅館やホ
テルに免許を持った会員の名簿を配布。特に需要が多い鉄輪地区では、会員の
派遣をあっせんする組織、「かんなわマッサージ」をつくるなど、旅館やホテ
ルが会員を利用しやすい態勢を整える。 西田会長は「宿泊施設などからの派
遣要請を受けやすくする組織づくりを市内各地で急いでいる。無免許者の横行
をなくすためにも、宿泊施設との連携を図りたい」と話している。

大分合同新聞 05,10/01朝刊