○足立信也君
 最後に、三点目なんですが、あんまマッサージ指圧、はり、きゅう師、
いわゆるあはき業、これが、私も厚生労働委員会で何度か取り上げましたが、
要は、無資格の方がやられているというこの事態なんですね。
 これ、なぜ何回も取り上げているかといいますと、一昨年の九月に、取締り
を徹底するために基準を定めてほしいという請願が四十六の都道府県議会で
採択されているんですね。そして、衆参の議長と内閣総理大臣に意見書が
出されているんです。ですから、これはきちっとしなきゃいけないと。実際、
私の地元の大分なんか観光地では、もしそういう無資格の方が観光地の中で
やられておったら、これは非常に困るんですね。ですから何度か取り上げて
いる。
 昨年の十二月は、要はこれ、ちょっと説明しますと、実際に警察官が自分の
お金で、そのマッサージ、疑わしいと言われているマッサージ、あるいは
無資格であると疑われているところへ行って実際にその行為を受けて、そして
この点を厚生労働省に、私が受けたこのような行為はマッサージでしょうかと
問い合わせをして、その答えを待って、マッサージであると断定された場合は、
じゃ無資格の人は逮捕しようという事態なんですね。去年取り上げたのは、
これが厚生労働省の返答まで三か月掛かっていると、とんでもないと、よく
逃げなかったなということを私言ったんですが、警察の方に聞いたら、
三か月で返るなんか夢のようですということもあります。
 ですから、基準がないというこれに対して、昨年十二月に、警察庁及び
厚労省の担当者と会議の場を設けました。そして、取締りを速やかに進める
体制づくりが必要だと、これは共通認識ですよ。そのためには、やっぱり
マッサージという行為の定義がきちっとされなければいけないということで、
事例集を作ろうじゃないかということもありました。
 その点について、その後の進捗状況を教えていただきたい。

○政府参考人(松谷有希雄君)
 お尋ねのとおり、昨年十二月に行われました関係の団体と担当者との間の
意見交換の場におきまして、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に
関する法律違反にかかわる事例集を作成すべきではないかといったような
御提案をいただいたところでございます。
 この御提案につきましては、改めて検討させていただいておりますが、
個別の行為があん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律の
違反に該当するかどうかについて、個々の事例に即して判断する必要がある
ために、事例集を作成して違法性の有無の判断に活用するということは
なかなか難しいのではないかというふうに考えているところでございます。
 もちろん、個別の行為について疑義照会があった場合には、今、時間が
掛かるという御指摘もございましたけれども、これまでと同様、可能な限り
速やかにこれは対応していきたいというふうに考えております。

○足立信也君
 事例集の作成は難しいんではないかということだけは伝わってまいりました。
個別に事例を検討するしかないんだということですね。
 そこで、もう私、提案なんですけれども、今は、警察の方がそこへ行って、
こうこうこういう行為をされたと、これはマッサージでしょうかとお伺いを
立てる、先ほど、私、説明しましたけれども。これはどう考えたって二度手間で、
しかも回答も遅いと、努力するとおっしゃいましたが。ひとつ、保健所は
マッサージのその施術所に対して衛生面とか構造面で行政指導、立入調査を
やるわけですよね。そこでその行為を見たら、調べたら、一発で回答が
出るんじゃないですか。警察に見てもらって、そして厚生労働省にお伺いを
立ててという段階が省かれるんじゃないですかね。いかがでしょう。

○政府参考人(松谷有希雄君)
 あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律で禁止されて
います行為が行われている場合には、各都道府県に衛生規制の観点から指導が
行われ、また警察による捜査、取締りの対象ともなっているわけでございます。
 厚生労働省としても、各都道府県に対しまして、こういった医業類似行為に
関する取扱い等の通知の発出や全国医政関係主管課長会議を通じまして
無資格者の取締り等について周知徹底を図っているところでございまして、
引き続き適切に対処してまいりたいと思いますが、今御指摘の、保健所が
速やかに入るべきではないかということでございますけれども、保健所は
もちろん衛生規制の観点から、そこの施術所が清潔に行われているかあるいは
安全に行われているかといったような観点で立入りをするということで
ございますので、その権限の範囲内で指導を行うということになろうかと
思っております。
 そこの行われている、立入りする場所はもちろん正規の施術所ですので、
そこではきちんとした体制が通常は行われているわけですけれども、そ
こでの対応がきちんと行われているかどうか、法律に基づいてそこで判断を
して指導していると、こういう状況でございます。

○足立信也君
 僕の認識では、多いのは、施術所の開設者は資格を持っている方で、
どういう人を雇っているかということなんですよ。だから行けるんですよ、
保健所は。是非利用していただきたい。ちょっと思い付きのような提案で
申し訳ないですけど、それしかないんじゃないかとある意味思っていますので、
検討してください。
 次に、タイとのEPA交渉で、タイ式マッサージの受入れの件、これは
去年の時点、三月の時点では、あはき法においてあんまマッサージ指圧は
有資格者のみが行われることとなっているので、外国人に対しても同様に
対処するという回答を私は得ております。
 その後、交渉が恐らく進んでいるんだろうと思いますが、その後の状況の
変化あるいは決まったことがあれば教えてください。

○政府参考人(松谷有希雄君)
 委員今御指摘の日タイ経済連携協定交渉、EPAでございますが、これに
つきましては昨年の九月に大筋合意に至ったところでございます。
 この大筋合意におきましては、タイ側が要望しておりましたスパ・
セラピストの取扱いにつきまして、協定発効後二年以内に結論を出すよう
協議するとされたところでございます。いつ協定が発効するかということに
ついてはまだ未定というふうに伺っております。
 現時点では、タイ側よりスパ・セラピストの具体的内容は必ずしも明らかに
されておりませんけれども、仮にあんまマッサージ指圧の業務が含まれると
いうことであれば、昨年三月に大臣から御答弁申し上げたとおり、我が国の
免許を取得していただく必要があるというふうに考えております。

○足立信也君
 ありがとうございます。
 じゃ、最後になりますが、視覚障害のあるあんまマッサージ指圧師が資格を
取った後に研修する場として盲人ホームというのが全国二十七か所今ござい
ますね。私が聞いたところでは、その利用のされ方が本来の研修というものに
なってないような事態のところがかなりあるということも聞いておりますし、
自分の事業所のような使われ方もしているようなところもあるという、
人から聞いた話ですから正確なところは分かりませんけれども、この調査を
厚生労働省でされたと思います。その結果の分析と、それから本来の目的と
して使われてないんでしたら、その後の改善計画を教えてください。

○政府参考人(中谷比呂樹君)
 まず、調査結果について御答弁申し上げます。
 御指摘のとおり、施設数が二十七か所、定員数五百十三人、利用者数
百八十五人ということで、充足率が三六・一%と、このような利用状況に
なってございます。
 この充足率が低い原因につきましては、種々原因があろうかと思います
けれども、若年の視覚障害者の方が減りまして、事実、盲学校の在学者の方の
数も減っておりますので、いわゆる典型的な利用パターンでございます盲学校
など出られましてそしてこの盲人ホームで既にあんまマッサージ指圧師などの
資格を取った方がすぐには就労できないので様々な訓練、指導を受けると、
こういうようなことがなかなかうまくいっていないというような現状かと
思います。
 そこで、障害者自立支援法におきましては、障害者の方々が地域で自立した
生活ができるように就労支援という事業を行うこととしております。例えば、
本格的な就労に向けました就労移行支援事業ですとか、あるいは雇用が困難で
ある場合にはやはり福祉的な就労を継続するという意味で就労継続支援事業、
こういうことを行う、制度的にはできております。
 したがって、ここの盲人ホームにつきましても、やはり事業者の方々、
それから私たち知恵を出し合いまして、やはり新たな時代にそぐったような
サービスが提供できるように、私たちも知恵を絞ってまいりますし、本年の
十月から五年の移行期間がございます、その期間に十分な関係者の皆様との
御相談をしていきたいというふうに思っております。

○足立信也君
 終わります。
 視覚障害者が自立を目的とした本来のその盲人ホームの在り方というものを
是非運営していってほしいなと、そのように思います。どうかよろしくお願い
します。
 ありがとうございました。