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みゃーの良品

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No.131 2003/03/15 小物
アイリッシュリネン ブルーミング中西のアイリッシュリネン・ハンカチーフ

ハンカチと言えば、ブルーミング中西。
1879年中西儀兵衛により創業されたブルーミング中西は、日本のハンカチの歴史そのものといっても過言ではありません。


現在では、様々なブランドのライセンスものも手がけており、私の持っているハンカチの幾つかもここのもの。

その中で最高級の麻素材であるアイリッシュリネンを使ったハンカチは、創業直後、1880年から続く定番で、今では、プライベートブランド『Irish Linen』と言うシリーズとして扱われています。

亜麻100%のハンカチは、吸撥水性に富むので、心地よい使い勝手が特徴。
また、汚れ落ちが良く、洗濯にも強いので、使うほどに白く柔らかく、良い風合いになります。

一般的に、フォーマルで使えるハンカチはシルクの白(もしくはシルバー)かリネンの白。一枚持っていても損のない一品です。

ブルーミング中西のものは、柄のないシンプルなデザインで、ふちの縫製は、クラシックな片ヘムで仕上られています。

糸が細くなる程しなやかなで高級。従って、番手が大きいほど値段も高くなります。
番手(糸の細さ) サイズ
80番手 x 80番手 41cm
80番手 x 100番手 43cm
110番手 x 80番手 46cm
110番手 x 110番手 46cm
110番手 x 150番手 48cm

No.132 2003/04/05 生活
EBISU エビスの豚毛歯ブラシ

固めの歯ブラシでゴシゴシ磨くのが好きたっだのですが、そのせいか久しぶりの歯医者さんで、WSD(Wedge Shaped Defectの略でくさび状欠損のこと)との診断。

あまりに強く磨く事で、歯の生え際がくさびを打ち込んだ形に削れてしまう症状で、冷たい水などがしみるようになってしまいました。

一方、歯ブラシ(ナイロン毛)はと言えば、横に広がりはしますが、毛先が磨耗するといったダメージはありません。

これが理由で使い始めたわけでは無いのですが、天然毛の歯ブラシは、自ら磨耗する事によって歯を傷つけることなく、横にも広がりにくいと言う特徴があります。

天然毛の歯ブラシを紹介してから約2年。日本のブラシ職人のもの、イタリアやイギリスの老舗のものなど様々な天然毛歯ブラシを使ってみて、やっとお気に入りの一本にたどり着きました。

1963年、4つの歯ブラシメーカーが合併することで設立されたエビス。
歴史を遡るとその起源は1896年。翌年の1897年には豚毛の歯ブラシを世に送りだしています。

そういう意味では、『たどり着くべくして、たどり着いた天然毛の歯ブラシ』と言うことになります。

ブラシ部分には中国重慶産の良質の豚毛を使用。適度な硬さで、歯を傷つけることなく、歯ぐきにはマッサージの効果もあります。

今まで試した歯ブラシも材質的には良かったのかも知れませんが、ブラシ部分や握り部分の使用感がいまいち。

一方、エビスのブラシ部分は、写真の通り独自のカッティング。歯の間隔で植毛し、毛先を山型にカットしているので、磨き残しがありません。
握り部分には、ガイドがついているため、滑りにくく、ヘッドが正しく歯に当たるよう考慮されています。


●青いパッケージの高級豚毛350●赤いパッケージの高級豚毛500の2種類があり、一見違いは分かりませんが高級豚毛500の方が植毛の数が多いのか、より硬めで値段も高めです。

使った感じでは、私には高級豚毛350の方がGOODでした。
(使っているうちに柔らかくなってくるのも天然毛歯ブラシの特徴。高級豚毛500は使い始めはかなり硬めですが、逆に長持ちはすると思います。)

難を挙げるとすれば、握り部分に書かれたロゴ。
『エビス高級豚毛』...、何とかなりませんか?

No.133 2003/04/20 靴
MSH-2317 a.testoniのLEGNO

「最近流行っているし、ジーンズにもチノにも合いそうなので、そのうち靴メーカーが作っているレザー・スニーカーも欲しいな。」なんて思っていました。

ただ、リソールできなさそうだし、長くは履けそうもないと言う理由からちょっと迷っていた矢先、たまたまセールで入ってみたテストーニのブティック(靴中心に販売しているお店ではありません。)でこのLEGNOを見つけたのです。
(実のところ、テストーニの靴はエレガントすぎて私には縁がないと思っていたので、本当に偶然です。)

レザー・スニーカーではないのですが、幅広く履けそうなデザインで、リソールも問題無さそう。

気に入ったのはデザインとその色。

2アイレットのチロリアン・シューズの様でいてプレーン・トゥ、製法はノルベジェーゼの様に見えます。
(手にとって見ると上側のステッチは単なるデザインの様にも見えますが、ブティックの店員さんが詳しく無さそうだったので聞きませんでした。)

厚いソールとヒールにはラバーの滑り止めが貼り付けられています。

しなやかなチベットカーフ(TIBCALF)は、BELUSと言うタンをアンティーク調にしたような色で仕上げられており、正面からは分かり難いのですが、切替し部分はダーク・ブラウンの革でパイピングが施されています。

また、履き口部分には、ブローギングが施されており、更にライニングとの間は、切替し部分と同じダーク・ブラウンの革で細いパイピングが施されています。

ただ、値段がちょっと気になるところ。50%オフにはなっていましたが、元が高いのでちょっと躊躇する値段でした。
(革の質と作りから考えると仕方ないとは思いますが...。)

現品しかないとのことで、とりあえずサイズを聞いてみたところ、ハーフ小さめ。
諦める口実になるかと思いましたが、試しに履いてみるとこれがピッタリ。

私の中では今年は「靴の年」。ちょっと高めの靴を購入すべく貯金の最中だったのですが、思わず衝動買いしてしまいました。

1929年、アメディオ・テストーニ(Amedeo Testoni)とその妻が、4人の職人と共に、皮革製品で有名なイタリアのボローニャ地方に小さな工場を設立した事により、ア・テストーニ社の歴史はスタートします。

靴による足の健康を目指し、最高の素材を用い、大部分の靴をハンドメイドで製作しています。

また同社は、ステファノ・ビの創設者で、現在はブランキーニ・カルツォレリア社で靴製作に携わるステファノ・ブランキーニ(Stefano Branchini)を輩出したことでも知られています。

テストーニの靴で特に有名なのが、伝統的なボロネーゼ製法に基づき177工程かけて作られるエレガントな靴。

その一方で、体温を感知して形状を変化させる革新的なインソール「ユアイーゴ」を採用したカジュアルなシューズなども手掛けています。

今回のLEGNOにももちろん「ユアイーゴ」が採用されており、ラバーのソールと相まって抜群の履き心地です。

No.134 2003/05/17 靴
AIGLE AIGLEのジョッパー・ブーツ

レザーソールは水にセンシティブなので、雨の日のビジネス・シューズはラバーソールの「Red Wing RW-101」(ブラック)か「Paraboot Chambord」(バーガンディ)のいずれかと決めています。

それでも梅雨のどしゃ降りや台風には対抗できうるべくもなく、中に水が浸入すれば、インソールのレザーがぐしょぐしょに、最悪カビを生やすことになりかねません。

かといって、長靴を履くのはちょっと...。と、そんな時に。

エーグルはヒラム・ ハッチンソンがフランスに設立したラバー製造会社ハッチンソン社のラバーブーツ製造部門が1972年に独立したことでスタートします。
(ハッチンソン社まで遡ると、150年もの歴史を誇ります。)


天然ゴムを使用した長靴や乗馬用のブーツなどを手がけ、現在ではアウトドア・ブランドとしてその名が知られています。

で、このサイドゴア・ブーツは、長靴などで培った技術を用い、サイドゴア部分以外には、一切の継ぎ目が無い一体成型(アッパーとソールが完全な一体成型)で作られているので、完全防水仕様。しかもラバー製なので汚れにも強いという特徴を持っています。
(言ってしまえば、革靴の感覚で履けるお洒落な長靴といったところ。)

ソールは、柔らかく返りが良い上、滑りにくいので、雪道にも対応とのこと。

反面、ライニングには豚革が使われており、安っぽくないところがポイントです。

色は写真の通りブラックとマロンがあります。

購入の際、サイドゴア・ブーツではなく、ジョッパー・ブーツと呼びましょう。

No.135 2003/06/14 小物

VH
V.H社のマッチケース

1912年ドイツ創業のV.H社は、昔から変わらないデザインでシガレットケースやマッチケースなどを作り続けています。

文房具をディスプレイしてあるショーケースで、最初にこのマッチケースを見かけた時は、何に使うものか分かりませんでした。

でも、開けてみて納得。マッチを擦るためのストライカーがケースに貼り付けられていました。

替えのストライカー(20枚入り)も購入可能なので、もちろんマッチケースとして、ダンディーを演出することもできます。

煙草を吸わない私は、ギターのピックケースかピルケースとして使おうかと思い購入しました。
(実際ピックケースとして使っているミュージシャンもいるようです。)

でもサイズ(65x45x12mm)がよかったので、ストライカーを剥がし、爪楊枝を入れることにしました。

オールドニッケルに、写真のエンジンタン彫りを施したものや彫りの無いポリッシュ、外側にデニム生地や革を貼り付けたものなどバリエーションも様々です。

No.136 2003/06/21 小道具
PANAMA エクアンディーノ社のクラッシャブル・パナマ・ハット

夏に向けてちょっとお洒落な麦藁(むぎわら)帽子といった感じのパナマハットを購入しました。
普通のパナマハットはちょっとカッチリしたイメージですが、こちらは折畳み可能なクラッシャブルなのでラフな感じ。

もともとパナマハットは、パナマ運河建造に携わった労働者が酷暑で頭を守るために広く着用されたもの。
1906年、これを視察した第26代米国大統領セオドア・ルーズベルトが持ち帰り、好んで被ったことから、広まったと言われています。


名前がパナマと言う事もあり、パナマ製と思っている人も多いと思いますが、実は中南米のエクアドル製のものが最も有名です。

そこで多く採れるトキヤ草を乾燥させた「本パナマ」を原料とし、現地の職人がハンドメイドで帽体に編み上げたものが高級とされています。

で、このパナマハットもエクアドル製。昔ながらの製法で原料から加工され、編み上げから仕上げに至るまで熟練職人の手作業によりひとつひとつ丁寧に作られています。

軽くて、通気性も良く、また、丸めてしまえるので携帯にも優れています。

パナマハットには、ベージュやアイボリー(オフホワイト)といった色があり、このエクアンディーノ社のものは、清々しいアイボリーなので夏にピッタリです。

No.137 2003/07/12 ファッション
天然素材の無地のホーズ

スーツ・スタイルにおいては、足を組んだズボンの裾から脛(すね)が見えるのは格好が悪く、特にヨーロッパではマナー違反にもあたるとのこと。

と言う事で、スーツには、HOSEと呼ばれる膝下までの長めの靴下を履くのが常識だそうです。

そしてそこには2つのルールが...。

その1つが、ウール、コットン、シルクなどの100%天然素材で作られたホーズであること。

そしてもう1つは、無地で色は、●ブラック●チャコール・グレー●濃紺に限られるということ。
(スーツの基本色である●チャコール・グレー●濃紺に合わせるとこれらの色が良いようです。)

ただ最近では、ブラウン系のスーツもかなり認知されてきているので、私はスーツ、ホーズともに●ブラウンもOKだと思っています。

で、ホーズで有名なのが1912年創業のフランコ・ソッツィ(FRANCO SOZZI )や1970年創業のブレッシャーニ(BRESCIANI)などイタリア製のも。コットン製のものはどちらもGOOD。

英語で、『Pull up your socks』は、「働く準備をする」とか「気を引き締めてかかる」と言った意味があるそうです。
ホーズを履くと引き締まった感じがするところからきた言葉なのかも知れません。

ちなみに、靴下の総称としてもホーズという言葉が使われています。

No.138 2003/08/16 小道具
OR205 パシフィック・ファニチャー・サービスのクラーク・チェア

最近パソコンをさわる時間が長くなってきたので、椅子にも少しは気を使おうかなと思うようになってきました。

今使っている椅子も、それなりに探しまわって購入したものなので、気に入ってはいるのですが、折りたたみ式なので長時間座るのには向いていません。

一般的に長時間同じ姿勢で作業する時に使用する椅子の条件は次の通り。

  1. 太腿があたる角が丸みを帯びてカーブしている。
  2. 背もたれ部分がカーブし背中にフィットする。
  3. 椅子の高さが自分の好みに調整できる。
  4. キャスター付きでバランスの良い星型五脚。(5-STAR LEG)
  5. 背もたれの角度が調整できる。
  6. 肘掛けが付いている。
  7. 回転して自由に向きが変えられる。

専用のパソコンチェアの多くはこれらの条件を満たしているのですが、機能優先でどうもお洒落さに欠けます。
そんな折、PACIFIC FURNITURE SERVICEが古き良き時代のCLERK CHAIRを復活させてくれました。

1988年創業のP.F.Sはかっこいい生活をテーマに、オリジナルの家具や世界の良質でスタンダードな商品を扱っています。

このチェアはパソコン専用ではありませんが、四脚であるところと背もたれの角度調整ができないことを除けば、ほぼ条件を満たしています。
材質はオーク材(楢材)で、座面はオリジナル・ナチュラル・レザーを鋲止めしたクラシックなデザイン。(レザーは写真の●オリーブ・グリーン●ブラウンを選べるとのこと。)

背もたれが木製なので、すわり心地はどうかな?と思っていましたが、ロッキング機能があるので、思った以上にGoodでした。
長く飽きずに使えそうなのですが、値段が値段なので買うまでが大変です。

ちなみにサイズは幅600 x 奥行555 x 高さ850〜910(座高436〜496)です。

No.139 2003/09/13 小道具
SUWADA 諏訪田製作所の爪切り

諏訪田製作所の歴史は、1926年小林祝三郎がニッパーの前身である喰切(くいきり)と言う道具を製作したことに始まります。

使いやすくするため、取っ手を握った形にカーブさせるアイデアは、1950年に誕生した瓢箪(ひょうたん)型爪切りにも受け継がれています。

で、この斜刃爪切りは1996年グッドデザイン商品に選ばれたもの。
高級カスタムナイフにも用いられるほどの硬度を持つハイカーボンステンレス鋼(SUS440)で作られており、職人の手により一点一点磨き上げられたミラー仕上げ
爪のカーブに沿った斜刃は、切りやすく、巻き爪や甘皮もきれいに切ることができます。

刃研ぎ、調整などのメンテナンスも受け付けているので、長く使い続けることができそうです。

No.140 2003/09/20 時計
Simplicity フィリップ・デュフォーのシンプリシティ

あるテレビ番組を見て、職人として氏のの生き方に感動しました。

Philippe Dufourの時計は、その設計から組立までを全て自身一人の手で行い、時計で用いられるほとんどの部品も、自らが工作機械を用い、無垢の状態から削り出しています。
(工作機械は倒産したコモ社より入手したとのことです。)

削り出された部品は、仕上げにジャンシャンという植物の茎とダイヤモンドの粉を使って磨き上げることで、その精度と耐久性が高められます。

こうした手間をかけて丹念に作られる時計なので、1年間に生産できるのは十数本が限界、注文しても手に入るのは1年以上後になるとのことです。

氏は大手時計メーカーを経て1978年独立し、メーカーには属さない独立時計師(キャビノチェ)としての道を歩き始めます。

1983年にはグラン・プチ・ソネリ・ミニッツリピーター(Grande petite sonnerie minute repeater)と言う懐中時計を発表。(実際にはオーデマ・ピゲ社より発売。)
その後の1992年に同じ機構を腕時計で実現し、バーゼルフェアにおいて技術部門金賞を受賞します。
1996年には2つのテンプにより誤差を平均化するダブルエスケープメントを初めて腕時計に採用したデュアリティ(Duality)を発表。


そしてたどり着いたSimplicityは、壊れず永遠に動き続け、後世に残る時計を目指して2000年に発表されました。
飽きのこないシンプルなデザインに加え、基本に忠実でシンプルな機構(手巻き)を用いることで、将来においても時計師なら誰でも修理できるようになっています。


125個の部品を用いた機構は21石で振動数18,000/h、パワーリザーブは40時間 。
18KPG/18KWGのケース径は34mm(厚み8.5mm)ですが、2002年には、37mmがラインナップに加わりました。
(ケースのみを大きくしたのではなく、37mm用に新たにサイズアップしたムーブメントを設計しているところも氏の驚くべきところです。)

ちょっと出せば、ベンツが買えるぐらいの金額ですが、宝くじが当たったら、(泡銭なので)半分は寄付して、半分はこの時計に充てたいと思っています。