お話は 続きました。
何を 話すかは問題ではなく時間の共有こそが重要なのでした。
夜中になってもST氏の話は尽きませんでした。
目の前に小さな棚があり その上にある数々のオブジェ
「これは何ですか」とまたチコが訊ねますと
「それはですね・・・」とまたまた 話は続きました。
さびた釘の話。
星の形をした砂の話。
まだ出来ないお店の看板の話。
オリーブを漬けた瓶の話。
小さな額に入った写真の話。
ST氏の話は些細なことがらがふくらんでふくらんで
宇宙の果てまでも話は展開していきます。
果てにたどり着くと 一瞬の空を彷徨います。
その空を埋めるべく慌て話すチコの話などは 身の回りの他愛のない話です。
ST氏にはそれが かえって面白いようでした。
チコが望遠鏡をいつも覗いていたことの説明をしますと
「それは 与えられた享有の機会ですね 生かすべきです」といわれました。