部屋は薄暗く、なにか懐かしい昔へ吸い込まれるようでした。
壁には 絵画がところ狭しと並べられ
その先は古い本が雑然と それでいて計算しつくしたように積まれた
本の間をぬってST氏はチコを 奥の部屋へ案内します。
チコは 案内されるままに疑いもなく着いていきました。
チコが聞いていたのは ST氏がめったに人には会われないという事でした。
「もう、望遠鏡から眼をはなしても 大丈夫です。
偶然ですね ただ私の想像力を試し焦点をすり替えてみたのです。
ただ こちらからは眼しか見えなかったのでまさか女の子だとは
思いませんでしたよ、疑うべきでした」」
チコはそっと望遠鏡から眼をはずしてみました。
今度はもとの自分の部屋には戻りませんでした。
チコは大きなテーブルの前の椅子に座りました。
そこには 見たことのない珍しいオブジェが溢れています。
そのひとつを指してチコは尋ねました「これは何ですか?」
「それはですねえ」とST氏は楽しそうに話し始めました。
その話は終わりを知らない迷宮のようでした。